新たな季節と新たな出会い 『となりの柏木さん』 6巻

お試し期間付きという条件の下で和樹の告白を受けた清花さん。
正式なお付き合いもほぼ確定と思われた中でちょっとしたトラブルが発生し・・・
壁ドン級のラブコメ作品を多数有するきららフォワードの中でも、
連載開始から既に3年という連載期間の長さも相まって、
牽引役として先頭をひた走る本作。
今回は和樹と清花さんをメインとした親友編のクライマックスと、
全員三年生に進級して新キャラを交えた春の嵐な予感とが描かれ、
各々が高校生活最後の一年間をどのように過ごすのかを想像させてくれます。
片やリア充化して着実にバカップル度が進行しそうで、
片や恐らく卒業式の日まで一進一退のままでもどかしいままの気が。

前回に引き続きあまり目立たなかったメインの二人ではあるけれども、
恐らく次回からはメインスポットが戻ると思われるので、
晴れて結ばれた互いの親友と新キャラとがどう絡んでくることになるのか、
そして如何な赤面シーンや壁ドン指数を記録してくれるのかが楽しみですね。


入学したときから、ずっと見てました。
前回に引き続き今回もメインだった和樹と清花さんですが、
ようやく落ち着くところに落ち着いてくれましたね。

がっつり1巻半使って異例の長さで描かれただけあって、
二人への感情移入度アップがどこまでも止まりません。
むしろメインすぎて「となりの柏木さん」じゃなくて、
完全に「うしろの福田さん」になってましたけどね。
本来の主人公であるはずの雄斗なんて帯が付いてると、
表紙じゃ頭がチラ見するくらいの存在感になっちゃってますし・・・
しかし和樹がひっぱたかれた理由から意外と重い話が出てくるとは思いませんでした。
年頃の娘に親の家族問題はなかなかにヘビーなものがありますよね。
こんな背景を持ってたこともあって清花さんが黒い親友キャラから、
一気に一大ツンデレヒロインへと脳内イメージもシフトチェンジですよ。
清花さん自身、両親から本当に愛されててハートフルな気持ちにもさせてくれましたしね。
あとがきによると実は連載前からこうなることは決めていたとのことで、
日の目を見ることになった今回は温めていただけの甲斐がありましたねと、
堂々と断言できることを確信しています。
それでもここまでデレることまでは予想外だったみたいですけどね。
結果としてすごく可愛かったのでオールオッケー!

メイン二人の親友ポジションというレギュラーキャラだから、
今後もいたるところで色々と見せ付けてくれそうで高まります。


新たな春に訪れた来訪者はキューピットか、それとも・・・
季節は巡り全員三年生となって気分も一新された新章。
ともすれば新キャラが登場するのにもベストタイミングなわけで、
これがまたドイツ人留学生のオタ文化好きとかなかなかにスペック高い。

日本語も堪能だし、途端にワールドワイドですよ。
元々本作で雄斗たちが近付くきっかけもインターネットだったわけだし、
近くも遠くも身近に感じられるのは現代社会の大きな特徴ですね。
そんなティナさんは話も全体を折り返しているだろうこの時期での登場ですし、
雄斗と柏木さんの関係はある程度理解したこと、
柏木さんが隠れオタであることを一発で見抜いて、
それを隠していることに対して思うところがあったりと、
アクションを起こすに足る理由もいくつか出てきているので、
大きな波のうねりを生み出す発端となる可能性は十分にありますね。
ティナ絡みでそうなるかはらからないけれども、
遅かれ早かれ柏木さんのオタ趣味が周りにバレる展開はやって来る予感。
ちなみに作中で雄斗が盛大に発音を間違えたWurst(ウルスト)はソーセージのことですが、
現地旅行のお土産とかでは持って帰って来られないので、
一度はドイツへ行って本場のWurstを食べてみたいなー。

(ノイシュヴァンシュタイン城とかも見に行きたいけど)