言葉の30分一本勝負(?) 『矢澤西』
- タイトル:矢澤西
- サークル:おんそく
突然絵里からネットラジオ番組への出演オファーを持ちかけられたにこ&真姫。
戸惑いながらも了承した二人を待ち受けていた収録内容とは・・・
早い刊行ペースと突き抜けたネタの数々で、
ここ数年で人気急上昇中(と思ってる)の本サークル。
今回はラブライブ!でネットラジオという、
ありそうであまり無かったネタで攻めてきており、
当初は百合的な話なのかなーなどと思っていたのが、
読み終わってみれば冬の新刊で一番笑ったのが本作でした。
全体的に絵里さんが中の人繋がりでレールガンを歌い始めたりとフリーダムすぎて、
一度読んだ後だと表紙とかに小さくドヤ顔で入ってるのを見ただけで既に面白い。
ラジオネタって元々声だけのものを表現する難しさがあるけれども、
だからこそハマると強烈なインパクトを放つものですね。
タイトルの元になってる洲崎西をこれで知って聴いてみて、
なるほどこれは面白いかもとリスナー化してもいいかなーなどとも思ったり。
とりあえず55回だけでも聴いておくか・・・
ラジカセでアンテナ立てて聴いてた高校〜大学時代とか、
放送委員会で毎日こういう機材を触ってた小学時代が懐かしくもなりました。
トークもさることながらネタはまさに場外乱闘。
最初の数ページは収録するに至る経緯が淡々と進行しているのですが、
文字通りこれが嵐の前の静けさだったと言いますか、
いざ始まると共に怒涛の如く押し寄せるネタへの地盤固めでした。
コース料理もいきなりメインじゃ重すぎるからこそ、
最初はスープや前菜で調子を整えるものですし。
そういう意味ではネタの数々こそ強烈にぶっ飛んでいるものの、
全体的な構成は基本に忠実に起承転結がはっきりしていると言う、
完成度の高さを垣間見ることができますね。
要するに何が言いたいかって、
不意打ち気味に叩き込まれたラーメン三銃士ネタで盛大に吹いた。
二人にこの格好させた絵里さん自身が笑ってるし・・・
勿論収録開始後も下ネタから賢者タイムなものまでノンストップ。
確かにこれは読むラジオ番組そのものでした。
そしてオチからするに・・・第二弾を期待してもいいのでしょうか?
と、内心続きをワクワクしてる自分がいた。
羊料理で迎える未年 『混沌のグルメV』
- タイトル:混沌のグルメV
- サークル:テンタイ→カンソク
とある村で商談がまとまって一区切り付いた五郎。
食事処が無い代わりに郷土料理を振る舞われ・・・
様々な作品の食事ネタに五郎を絡ませたコラボネタをまとめた総集編も第五弾。
今回の収録作品はFF5、ラブライブ!、かまいたちの夜、食の軍師の4本。
古いものから新しいものまで、
毎回よくそこからネタを引っ張ってきたなと関心させられるものですが、
相変わらずの予想だにしないチョイスに開幕からやられたと思わされます。
SFC作品が二本収録されているあたりに微妙に世代が近いものを感じますね。
以前に女神転生2とかもあったりしたし、
ファミコン世代万歳。
テキストだけでは想像するしかなかった料理がここに。
FF5の羊料理とか、当時は何かよくわからずに無料でHPとMPが全回復できるからと、
利用しまくってたら「ネタ切れじゃ」と言われて利用できなくなってて、
何だったんだろうと思ってたのが、
実は利用するたびに外の羊が一匹ずつ減ってることに気付いたときには、
妙な生々しさを感じてしまったりしたものですが
(飛竜の谷攻略拠点として利用することになるし)、
改めてこういう料理が出されてたのかと思うと、
ぁーこれは食材尽きるまで食べまくりたくなるわー。
そうか、次に五郎が来たときには全部バッツたちに食い尽くされてるのか・・・
かまいたちの夜編もまたこの寒い時期に染み渡りそうでねぇ。
実際に舞台のモデルになった白馬のクヌルプでも食べられるみたいだし、
こういう聖地巡礼もいいかもしれませんね。
最近地震で交通面では大変かもしれませんが・・・
(クヌルプの公式HPによると直接被害は無かった様子)
時代変われば飯も変わる。
原作にも登場した秋葉原。
かつて駅前に公園があった頃の当時はカツサンドを食べていたけれども、
今回は食堂で生姜焼き定食をがっつりと。
本シリーズでも以前に生姜焼き定食を食べていた回があったりしましたが、
黙々と食べていた前回とうって変わってBGM付きのテンションMAXで食ってる様子は、
街と共に食い方も確かに進化している様子を感じます。
マヨ投入してキャベツも一気に混ぜてご飯にかけて食うとか絶対美味いやん。
お行儀とか忘れて食欲の赴くままにかっ込む。
機会あったらやってみようかな・・・
戦利品を読むまでがコミケです 『孤独のコミケSeason2』
お目当ての新刊を一通りゲットした五郎。
会場を後にしたゆりかもめの車内でトラブルに遭遇し・・・
大反響を呼んだ第一弾から四ヶ月、
まさかの第二弾が登場する運びとなった本シリーズ。
今回は戦利品を読むくだりからアームロックに至るまで、
よくある光景だなとは思いつつも色々と考えさせられる内容になっておりました。
会場内で座り込んで集団で新刊を読んでるなんて光景はいつも見かけるものだけども、
開始一時間とか経ってホール移動しようと思うと既に数多く居たりするし、
一体何人投入してどういう人員割り振りでもって運用してるのか毎回不思議なものです。
(基本全部自力で買い回るタチなので・・・)
そんな彼らを見てせっかちと言いつつ、
ゆりかもめの車内で読んでる五郎も見事にダメな人っぷりを発揮してるんですがね。
少しでも早く読みたいって気持ちはわかるんだけども、
やっぱり帰宅してから泥のように眠りたい衝動を抑えながら読むのが最高の癒しですよね。
舞台で感じる時代感覚。
最近では会場からのバスも増えたし、
TWRも埼京線直通でむしろそっちがメインルートになってる感がありますが、
山手線の東側がメインの身としてはビッグサイトと言ったらゆりかもめだなーと。
当時は新木場から京葉線で東京駅とか、本当に不便な時代でありました。
まぁ今も昔も車内で18禁の本を読むのは周りの目によろしくないのでやめましょう。
他の乗客に迷惑をかけると五郎のアームロックが炸裂しちゃうZO!
尤も当の五郎本人が読んでるので説得力ゼロですが・・・
最初はギャグ本で偽装してたりしてたのに、
最終的にはめっちゃ堂々と読もうとしてたりしてテンション上がりすぎだろこいつ。
と、傍から見たらツッコミどころ満載な行動の数々はさすが五郎だわ。
飯と本との共通点。
話の内容はジェットシュウマイの回とアームロックの回をベースとしたものとなっており、
言わずもがな例のやりとりが出てきたりするのですが、
ここでの五郎の台詞がしっくりきすぎてて正直やられたわ。
飯を同人誌に変えただけなのに何なんだろうこの違和感の無さは・・・
確かに複数人で読むってもんじゃないですからね。
18禁に至っては特に。
あとがきではもう一冊くらい〜とあるのだけれども、
一体どの話を出してくるのか今から想像が止まりませんね。
まさかのサークル参加の可能性も?
ちなみに自分も特に三日目は滝山と同じく偽壁から攻めたりします。
四畳半人型猫奇憚 『ねこのこはな』 1巻
- 作者: 藤沢カミヤ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/21
- メディア: コミック
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執筆活動に勤しむべく飼い猫のこはなと一緒に引越し先で新生活を始めるのだが・・・
本作を大まかにジャンル分けすると、
日常系にペットものをベースとして、
更にプラスアルファした要素で構成されていて、
これだけの説明では特に珍しいものでもなかったりします。
が、何故如何にして本作がこの上ないほどの中毒性を持っているのか。
それはタイトルにもなっているこはなを見れば一目瞭然です。
さあ、それでは読者の心を掴んで離さない、
こはなのお姿をご覧いただきましょう。
・・・
・・・・・・!?
何このクッソ可愛い素敵生物!?
そう、本作の構成要素として非常に重要なウェイトを占めるプラスアルファの要素、
それこそが擬人化です。
こはなだけが特別な存在と言うわけではなく、
作中の世界観そのものが猫が人型で二足歩行して人語を話しており、
あっちゃんの職業と相まって日常系なのにSFとしての一面を備える高度な設定は、
猫好きのみならずとも、可愛いもの好きや子供好きの心を掴んで離しません。
ぃゃ本当に日を重ねるにつれて愛しさが二次関数的に跳ね上がってしまっていて、
一日一回は通しで読んだりするのは当然のこと、
気が付くと同じように陥落(おち)た人が居ないかとか、
二次で描いた人がいないか画像検索してしまっていたりとか、
日課となるレベルにまで思考が侵食されている自分がいます。
1巻が出たばかりで非常に気が早いのはわかっているのを承知で言いますと、
是非とも続刊が出たときは1/1サイズのぬいぐるみ付き特装版をお願いします。
マジで切実なレベルで。
実例として同じ猫もの作品でポヨポヨ観察日記が何度か本当に出してますし、
多数の要望が集まれば決して不可能なことじゃないと思うんだ。
一日中ずっと抱いていられたら幸せだろうなぁ・・・
- 食欲第一、小憎たらしくもなるくらいに愛らしい
何と言ってもこはなですよ。
猫耳キャラだの、それっぽく振舞う似非猫キャラだの、
人型だけど言葉が通じない半獣キャラだの、
一言で猫キャラと言っても様々な定義があります。
そんな中でもこはなは見た目は猫耳幼女で言葉も話せる、
でも根本的な思考や行動はまさしく猫そのものと、
擬人化としての面と獣キャラとしての面とをいいとこどりした配合タイプ。
これで可愛くないわけがありませんって。
仮にただ猫耳が付いただけの幼女キャラだったりしたら、
ここまで強烈に思い入れすることも無かったんだろうなぁ・・・
思い返してみれば昔からこういうタイプには弱かったわ自分。
見た目がセーラー服ってのもポイント高いですよ。
本当に服なのか、毛なのかは神のみぞ知る。
現実の猫だとしたら白と黒のぶちだよね。
※イメージ図
そしてこの見た目もさることながら、
心を掴んで離さないほどのキャッチーさたる所以がその性格。
イメージを壊さないですます口調である一方で、
口を開くと一にごはん、二にごはん、三四が無くて五にごはんと、
基本食べることしか考えてません。
発言の内容も9割がたはあれが食べたいこれが食べたいといったもの。
あっちゃんのことは好きだけれども、
決して従順なわけではなくて常に自分のごはんが第一。
一話目の第一声からしておやつをせがんできてるし、
お前は食べる以外に無いのかよ!
思わずそうツッコみたくなってしまうほど清々しいまでのぶれの無さは、
ちょっぴり憎たらしくもあり、憎さあまって可愛さ100倍。
悪いことと知らずに泥棒行為をして怒られて、
自分の餌を盗られた場合を例にされたときの狼狽ぶりは、
ちょっと好きな子をいじめたい小学生的な嗜虐心を煽られてちょっとゾクゾクしましたね。
ごはんおあずけで半泣き寸前のところで解禁して喜ばせたりとか、
時と場合によって飴と鞭を使い分けながらじゃれ合いたい・・・
- 猫ゆえの行動×2.5頭身=可愛さ∞
引越し直後だから空っぽなのはわかりきってるのに真っ先に冷蔵庫を開けたりと、
口を開かずともやっぱり食べることしか考えてないのは言わずもがな。
ものの考えがまさしく猫そのものであると同時に、
その場その場で毎回異なる一貫しない行動の数々も、
まさしく本能の赴くまま行動する猫そのものであると共に、
愛らしさをこの上ないほどのレベルにまで増幅させてくれています。
初対面の相手にビクビクしてあっちゃんの後ろに隠れたり、
話を聞いてるのが暇だからお茶を飲もうとしたら熱くてのた打ち回ったり、
遊び相手が居ないから自分の尻尾を追い回して一人遊びしてみたりと、
じっとしていられない子猫の習性故に常に動き回っているので、
とにかく見ていて飽きません。
全身の行動と同様に常に変化し続ける表情もこれまた然り。
同じ表情が連続している場面を探す方が難しいくらい文字通りの百面相。
ちょろちょろと鬱陶しいくらいが可愛いのです。
寝ているときですら例外ではないからたまりません。
描き下ろしページの寝相図鑑は必見の価値ありですよ。
「生命誕生」「おこしやす」あたりは普通にかわえぇし、
「日食」「無重力」なんかはシュールさがいい。
と、非常に様々な動きを見せてくれたりする中において、
特に好きなベスト3が以下の通り。
3位:あんぱんの歌熱唱
部屋の中でお花見して盛り上がる中で桜の歌を歌ってたはずなのに、
いつの間にかあんぱんの歌にすげ変わってしまっている罠。
「このーむねのーとーきーめーきー」なんて歌詞があったりするもんだから、
脳内ではメロディラインが完全に某ときメモのEDになっちゃってます。
2位:溝にハマって涙目
ちょっとしたトラブルで側溝に落ちてしまって身動き取れず、
本人からしたら一大事なのにシュールな光景は何だか和んでしまいます。
でもこんなときでも心配しているのは自分の身の安全よりもごはんのこと。
や っ ぱ り か !
1位:土下座からのでんぐり返し
あっちゃんを怒らせてしまったので謝ろうとして、
管理人さんからの提案で土下座をしようにも、
頭身的に無茶だからでんぐり返しになってしまう。
これが赤ちゃんだったりしたら何とも微笑ましい光景なのですが、
位置関係が悪くて顔面に浴びせ蹴りして更に怒らせてしまうという・・・
できることならこの後に披露したと思われる謝罪の舞も見たかった!
既に本作を何回読み返してるかもわからないのだけれども、
その中でもこの回は他の回の倍くらいは読んでる気がします。
それもこの土下座からのでんぐり返りからの浴びせ蹴りと、
怒られてるときの狼狽ぶりが可愛すぎるんじゃー。
- ツッコミ?Sっ気?いいえ愛情です
これだけ気ままで可愛いこはなの飼い主であるという、
非常に羨ましい立場であるあっちゃん。
こはなの言動に対して常に的確に鋭いツッコミを入れ、
甘やかさずに厳しくしようとしても、
しょんぼりしたこはなの様子に負けてしまって、
結局最後は甘くしてしまう。
飼い主ってそういうもんですよねー。
焦らしプレイのようにも見える一連のくだりのおかげで、
色んな表情が見られてたまりませぬ。
こはなもそんなあっちゃんのことが大好きで、
決して裕福な暮らしでもないしごはんはカリカリばっかりだけど、
現在より高待遇を提案されても今を選ぶあたりなどは、
熟年夫婦ばりに長年連れ添ってきた間柄だからこそ生まれる絆のようなものが垣間見えて、
ペットを飼うのも悪くないなーなんて感じてしまいます。
- 変人率の高い人間衆
昔ながらの賃貸集合住宅を舞台にした作品ともなれば、
欠かせないのが個性的な住人たち。
今のところは作中一の変人な管理人さん以外との絡みは少ないのだけれども、
もっと他の住人と関わるエピソードなんかも見てみたいですね。
「謎の外人」ことメウメウの従者・クマル(熊)との獣同士とか、
「謎の女王様」のお仕事モードのときがどれだけ激しいんだろうとか、
女王様の娘は普通にいい子だから一緒に遊んで欲しいとか、
想像すると楽しいなー。
今回登場していない「謎のバイヤー」に至っては何者なんだろう・・・
- 可愛い日常だけではないSFとしての側面
意識しなければ擬人化日常ものとしての認識で終わってしまうところですが、
色々と細かいところを見ていけば見ていくほど、
それこそ作中のちょっとした言動や背景に至るまで、
嗚呼この漫画はSFなんだと実感することができます。
裏表紙の作品説明でも猫とSFにまつわる叙事詩と書いてあることですし。
わかりやすいところではエピソードごとのサブタイトルは、
全てSF小説のタイトルが元ネタになってたりしますし、
他にもあっちゃんの愛読書は小松左京のさよならジュピターで、
表紙にもそれが数冊置かれていたりもします。
そもそも本作も根本的な設定はSFそのものですし、
二足歩行で喋る以外にも現実では考えられない点もあったりするんですねこれが。
お菓子屋さんでは猫専用クッキーが売ってたりするし、
アパートの住人には熊と同居してる人もいるし、
あまつさえ次巻予告じゃこはながロボになってたりもする。
そんな中でも一番気になったのは、
あっちゃんの思考にマッチしすぎた管理人さんのコスプレ姿。
メイドロボを題材に小説を書こうとして都合よくそのコスプレをしてるとか
(しかも某まほろさんと某マルチの合わせ技)、
そういうところを見ると実は全てあっちゃんが書いた作品の中の話なんじゃないかと、
メタ的な推測すら浮かんでしまうレベルです。
こうして考えるとけっこう定義の幅って広いですね。SF。
- 時として禁断の領域とわかりつつも真理を求めてしまうこともある
と、一度は筆を折ったことを暗に自覚していた身にありながら、
実に四ヶ月ぶりにこれだけの想いをぶつけたくなった本作に出会えたことは、
とても嬉しいことであり、こういう出会いがあるからやめられないんだと、
改めて実感させていただいた所存であります。
燃え上がった気持ちの全てぶつけるにはこれだけでは物足りないと思いつつ、
ひとまずはこのあたりで締めくくりたいところではありますが、
愛らしいがためにどうしても気になってしまうことが一つ。
この世界の猫にも発情期はあるのでしょうか?
人間だったら三歳児くらいに見える2.5頭身サイズのミニマムさや、
二足歩行で人語を話す猫が一般的である世界においても、
世間の常識に疎いところなど、
実年齢も見た目のそれの通りで普通に子猫なんだろうなーとは思いますが、
ちょっぴり見てみたいと思ってしまうゲスい疑問。
ぃゃ、幾ら何でもこはなに対しては愛玩的な感情だけであって、
性的なそれは抱いてませんよ?
さすがにそれは犯罪だし。
でもそういうのが好きな人が二次創作で描いてしまう可能性なら微レ存・・・
あ、はい。
情弱巫女田舎変 『くまみこ』 1巻
- 作者: 吉元ますめ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/10/23
- メディア: コミック
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そんな村で巫女として仕える多感なお年頃な中学生の少女・まち。
都会への願望は留まることを知らず、
どうしても都会の高校へ通いたいと懇願するが・・・
思考が昭和レベルな情弱巫女と、
中に人が入ってるんじゃないかと疑いたくなるほどに人間臭い熊が織り成す、
ゆるくもシュールな日常が今ここに開幕です。
現在アニメ版が放送中ののんのんびよりのように、
近代的な暮らしとは全く無縁な田舎を舞台としているのですが、
本作は更にド田舎感が満載。
一応電気とか水道くらいのインフラ程度は整っているようだけども、
文字通り山奥と言うにピッタリな感じですね。
都会こそ正義、田舎に住んでるなんてわけがわからない、
まちさんの考えが終始一貫しているため、
キャラに対して感情移入してしまうが故に、
この手の作品を読む度に感じるノスタルジックな感覚とか、
住んでみたいと逆に憧れるような気持ちが全く起こらないのが逆にすげぇ・・・
やっぱりこれくらいの年頃で地方に住んでると東京とかに対する憧れってすごいからなー。
帯書きの時点からして田舎はクソとか全力でdisってるし。
と、是非とも都会行きの夢をかなえてほしいと思うと同時に、
絶対この娘は地元から出ちゃいかんと心配になってしまう危なっかしさが共存し、
空回りし続ける願望は一体どこへと向かうのか実に楽しみです。
都会の常識は田舎では非常識。
とにかく凄まじいのが憧れている割には知識が皆無な、
まちさんの頭の中で描かれるズレまくった思考の数々。
マルイのロゴの読み方とか、
確かに住んでる場所に係わらず同意できることもあるんですけどね。
「○I○I」とか何も知らなきゃ「おいおい」って読んじゃうよなー。
ロゴとセールの年を掛け合わせた「2○I○I」なんて今でも解読不能だし、
言われてみるとソシャゲのレアリティ「SSR」が
「ダブルスーパーレア」って読むくらいに難解だと気付かされました。
このあたりはマジギレしちゃう気持ちもわかるかも。
一話目からしてそんなやり取りでインパクト十分なのに、
そもそも巫女としてもかなり際どいという見た目以上に壮絶なまちさん。
ダイエット用のエクササイズで神楽はあかん・・・
そう言えばどこぞのアイヌ巫女は、
現代社会では淘汰されて生きていけないってプロフィールがあったなー。
絶対都会に馴染めそうにないのは何となくそれに通じるものがあるかも。
どことなく見た目がアイヌっぽかったり、相方が熊だったりして、
妹の氷使いが背景モブだった時代を連想しちゃったりもするし。
でもまちさんの場合、某アイヌ巫女と言うよりも昭和のおばあちゃんに近いかも。
ユニクロにヒートテックを買いに行くミッション(中学生版はじめてのおつかい)で、
まず最初に着て行く服が無いとか哀れすぎるなんてレベルじゃない。
名前の語感だけで電気行火のこととか本気で思い込んじゃう、
そもそも「行火」なんて発想すること自体相当キてますって。
何とか買えたら買えたでサイズのシールもはがさないまま、
超ドヤ顔で巫女装束の下に着込んで完全にババシャツ状態。
人って自分の身の回りの生活に根付いてないことってどこまでも無知になれるんだなぁ。
同じ国のはずなのに外国が舞台のような感覚さえ覚えましたよ。
方言とかが出てきてるわけでもないのにここまでギャップを感じさせるのはすごいです。
見た目は猛獣、中身は常識人。
とても年頃とは思えないまちさんのぶっ飛んだ思考のナチュラルボケに対して、
冷静に受け止めてツッコミを入れたりするナツさんが何気に頼もしい。
普段は漫才のような掛け合いを見せてくれる中において、
まちさんが無謀な行動を起こしたときにはしっかりと諭したり、
時には保護者のように接する一面もあったりするし、やだ、何この熊格好いい。
その実行力たるや冬の間会えないのが寂しいからと、
望まれたので冬眠しなくなったとか自らの生態をも捻じ曲げるほど。
ここまでカリスマ性を備えた熊のキャラって、
某プニキくらいじゃないですかねぇ。
言葉を喋るのみならず文字の読み書きもできるし、二足歩行だってできちゃう。
しかもプニキほどデフォルメもされてなくてややリアル寄り、
むしろ鉄拳シリーズの世界に近い光景。
絵面だけならとんでもなくシュールな光景なのに、どこか和んでしまう。
最近アメリカでグリズリーを赤ちゃんの頃から10年間育てて、
2メートル超の巨体となった今では立派な家族になってるってニュースを思い出した。
ああいう話が現実にあるなら本作みたいな光景もあながち有り得なくもないのかな。
冒険時に於ける性処理方法 『天空の扉』 4巻
- 作者: KAKERU
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2013/09/09
- メディア: コミック
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似た者同士の対決は最終局面へと突入し・・・
物理法則的な観点から繰り出されるリアルなファンタジー概念や、
容赦ないエログロ要素とを兼ね備えた、
超王道にして超邪道ファンタジーも4巻目となり、
対三つ目族との戦いがクライマックスを迎えます。
相手側もスピンオフとかあれば確実に主役を張れるだけに、
いかにもな主役級同士のライバル対決って感じで、
ファンタジー作品において学園青春ものでも読んでるかのような熱さがありましたね。
ちょっとヘタレだけど確固たる信念を持った王子と、
そんな王子に恩があるヒロインと、
普通に話ができる構成なもんですから、
こっちサイドの今後を描く番外編なんてのも見てみたいですね。
今回表紙にもなってるリンゴ様はこれで出番終了にはあまりにも惜しいですし。
バトル方面の熱さも当然ながら、
主力の柱となるエロスや容赦ないグロ描写も勿論全開なので、
毎度のことながら安定のバーぴぃワールドを堪能できました。
次に戦うことになるであろう新キャラ達も雪女的な種族なので、
これからどれだけエロスを見せてくれるのかと思うと高まりますね。
既に今回の時点からしてぇちぃシーンがありますし・・・
散々死に、生き、殴り合う。
バトル方面では本当に開幕から衝撃的なものがありました。
ええ、だって開始2ページ目でいきなりマギアが死ぬとか・・・
ぃゃ、すぐに蘇生はするんですが、
訓練と称して胴から真っ二つになったり消し炭になったりと、
それはまさしくゴールドエクスペリエンス・レクイエムによって、
永遠に死に続けることとなったディアボロの如し。
(本作の魔王もディアボロでしたっけね)
こいつぁマギアが「私のそばに近寄るなああーーーーーッ」状態になってもおかしくありませんて。
蘇生魔法って便利だよね。
と、こっちが戦いと言うよりも訓練なのに対して、
レイシャは1対2のガチ勝負をしてたり、
ルーシュ達は互いに魔力尽きて終いにゃ素手の殴り合いになる泥仕合だったりと、
三者三様な楽しみ方ができるのが今回のバトルにおける魅力ですね。
結果的には和解する形で丸く収まってよかったよかった。
この世界観にしてこの作者だといつ誰が死んでもおかしくないですからね。
プリティベル最新刊のジロウみたいに・・・
しかし出番が回ってくる度にルーシュはゲス顔をしてるような気がしますわ。
素手喧嘩突入時の表情はどう見ても悪役のそれだし、
青春ものでよくある拳で語って判り合うことも全力否定してるし。
やはり悪堕ち勇者すら手玉に取るあの姉にしてこの弟ありか。
でも一番意外だったのは丸く収めるにあたって、
予想だにしなかった名前が出てきたことですね。
ボルケーノとか敵対したときはただのエロオヤジでしかなかったけど、
やはり商人がてらに将軍クラスの地位を与えられていたのは伊達ではなかったのかー。
2巻とか読み返すとディアボロが「重要な布石が打てた」とか言ってるし、
当時から既にこの展開を予見してたのかと思うとさすが魔王の視野の広さはすげぇと感じる次第です。
18禁展開にせずに済ませられる性欲処理方法とは・・・
本作、ひいてはバーぴぃ作品全般における二本柱の一つであるエロス描写。
一度バトルが終われば待っているのはまさしく桃色肌色祭り。
新キャラもさっそくまぐわってるシーンがあるし、
その中の一人はプリティベルのニャルラトホテプがきょぬーになったような見た目だし、
今後どんな肌色シーンを見せてくれるのか楽しみですよ。
そして今回エロス方面におけるMVPは間違いなくレイシャさん。
獣娘でぇちぃシーンがあるとなれば、
定番のお約束となるあの設定をおいてあり得ません。
そう、やってきました発情期。
さすがルーシュたち一行のお色気担当、高潮した表情は見事にエロい。
ガッシュたちとの意地を賭けた戦いが終わったかと思ったら、
ある意味それ以上に激しくも重要な貞操を賭けた戦いが待ってました・・・
これを真正面からぶつかろうとするマギアさん半端ねぇわ。
全てが後手に回って全くものを書くのに着手できぬ日々
また一月ぶりくらいになってしまいましたが、
一応ちゃんと生きてます。
夏コミ後に結局PCを新調したはいいものの、
未だに勝手に慣れないところがあって戸惑ったりしていたり。
8月末には能登旅行、そして一月近く肺とか気管をやったのか咳続きだったりとか、
色々あったりはしていて何もなかったってわけでもないです。
ここまで開いてしまったのはモチベの低下と、
それ以上に消費が全く追いついていないことによるものが大きい気がします。
現時点で常時積みの冊数が二桁ある状態だし、
読み終わる頃には時期が過ぎてしまっているということの繰り返し。
帰りの電車でも最近は何も読まずに寝てることの方が多くて更に消化が進まず。
と、露骨な悪循環ではあるものの、
どうしても書きたい単行本とかが出てきたときは浮上したりするので、
片付けたいものが一通り片付くまでは今しばし低空飛行が続くと思われます。
まぁ自分の未来予見なんて全くあてにならないからどうなるかわかったもんじゃないけど。