個別ルート突入開始? 『となりの柏木さん』 4巻

となりの柏木さん (4) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

となりの柏木さん (4) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

史上最高にアホで格好悪い告白をぶちかました雄斗。
その場の勢いもあって何と成功してしまい、
本番とも言うべき攻略ルートへと進むことになったのだが・・・

KYヘタレのオープンオタと隠れオタ絵師の奇妙な関係が綴られる本作。
4巻目となった今回はギャルゲーで言うところの共通ルートが終了し、
二人の関係が進展すると共にラブコメ濃度も着実に濃密になってきました。
新キャラが登場したり、ちょっとしたトラブルは毎度のように発生しながらも、
以前のような気まずい雰囲気になってしまう重さもないので、
確かに本格的な攻略ルートに突入したのかなと思うのですよ。
メインの二人以外の方向でも確かな動向が顕著になってきましたからね
(一部全く自重しないイチャつきっぷりを見せ付けてくれる人らもいますが)。
若いっていいなー。

何で2月14日なんて日に限ってリア充爆発しろと言いたくなること必至な
ニヤニヤ指数の高い本作のようなラブコメを読んでしまったのだろう。
ぃゃ、自分は自分、他人は他人と割り切ってるから
バレンタインだろうとクリスマスだろうと今更どうとも思わない方ではありますが、
そんな枯れた身でも思わず壁を殴りたくなることだってあるんですよ。
くそぅ、雄斗みたいなKYのヘタレですら柏木さんみたいな彼女ができたと言うに、
現実はハードモードを通り越してナイトメアモードすぎるです。


思い付きの自分改造が招いた惨状・・・
これまでも散々色んなことをやらかしてきた雄斗ですが、
今回も見事に色々とやっちゃってくれてます。
KYとか露骨に指摘されてはいたけれども、
そう簡単に変われれば苦労はしないってもんですよ。
告白翌日の朝からして挨拶を噛み、休み中に遊びに誘うのも尻込みする。

相変わらずのKYっぷりもさることながら、
ヘタレ具合も散々なことになってきていて、
何でこんなんで告白受理されたんだろうかと本気で頭を抱えたくなる。
世の中って何が起こるかわからなさすぎる。
一方で柏木さんのスペックの高さは既に実証済みなわけで、
誰がどう見ても不釣合いに見える関係はさすがに本人も自覚することとなり、
相応しい男になろうとイメチェンしようとしたら・・・

ごらんの有様だよ
自分で髪切るのは失敗するフラグでしかないですって。
最終的に落ち着く形には落ち着いたけど、
イメチェン後の方が似合ってる感じはしますかね。
ヘタレっぷりもあってショタキャラっぽくなりましたが。
しかし雄斗にとって柏木さんよりも和樹の方がベストカップルすぎ。
気を使ったり世話をしたり完全に嫁とか保護者状態だし。
見る人が見たら雄斗はヘタレ攻めとか絶対ホモップルな目で見られるなこれは。


三者三様の恋愛模様は深まりゆく。
メインとなる雄斗と柏木さんの二人はスローペースながらも、
小さなイベントをこなしつつ着実に仲が進展している状態。
友達関係から少しずつ相手のことを知ってゆき、
家族関係とかプライベートなこととか、
本当に一歩一歩進んでるのがある意味現実的でもあり。
芽が出るまでに寝腐れしそうになったりして苦労したけれど、
ようやく成長期に入って日々の過程を眺めるのが楽しみな
観葉植物を育てて愛でているかのような気分になってきます。

つぼみが付くのはもうすぐなのでしょうか。
咲いた花はどんな色を見せてくれるのでしょうか。
雄斗のヘタレKYぶりに軽い嫉妬を覚える一方で、
柏木さんを泣かすんじゃねぇぞ!絶対幸せにしろよ!って
我が子を送り出す親のような感覚すら覚えますね。
一方で進展してるのかしていないのか読めないのが和樹と清花さん。
二人とも親友同士が付き合ってるのを見て気を揉んでいる繋がりから、
気になる相手から気の置けない相手になりつつあるんですよね。

しかも今回のラストは完全にこっちの二人が持って行きました。
知らない男子からの告白を断る口実に言ってる「好きな人」は、
果たしてただの口実なのか・・・
好きって領域にまで到達していなくてもほとんど付き合ってるに近い状態ですし、
気が付いたら雄斗たちより先にゴールインしちゃいそうな気すらしてきます。
どっちもどっちの様相を見せているけれども、
人妻店長の旦那が初登場してからの店長たちが見せるラブラブっぷりが最強すぎた。
この姉妹クオリティ高すぎる・・・