仕事も恋も変態的に全力で! 『デンキ街の本屋さん』 4巻
- 作者: 水あさと
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/01/23
- メディア: コミック
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いつもと同じ毎年恒例の風物詩の中でも人間関係は少しずつ変わり始め・・・
某秋葉原の某とらのあな「っぽい」店を舞台とした、
実際に働いている店員の大変さを描いたお仕事ものな本作。
さすがにこの手の店舗ならではのメタな話はあらかた出尽くしてきたのか、
単純に舞台としての設定に半ば落ち着きつつある一方で、
少しずつグラデーションのように人間関係にまつわるエピソードが中心になってきています。
巻を増すごとにラブコメ要素が強くなってきていたわけですが、
今回はどの組み合わせも両思いたるに決定的な出来事が起こっており、
非常にもどかしい思いのトリプルコンボで見事に畳み掛けてくれます。
一本ものじゃなくてそれぞれのエピソードが少しずつ進行するものだから、
そこで寸止めするか!?って展開ばかりで、
恐らくこの鼓動は次巻が出るまで治まりそうにありませんよ。
さて最初に仕事仲間としてではなく、
一人の男と女として付き合うに至るのはどの組み合わせでしょうね。
メインヒロインのひおたんの場合は最終回でようやくって気がしなくもないですが。
オタ向け書店ものとしての色は崩さないままで、
人間描写に深く切り込んできたことで感情移入度が倍増する今回でした。
両思い、されど気持ちを素直に伝えきれず・・・
割と初期からいい感じの関係だったソムリエとふがちゃんのみならず、
海雄と先生や、ひおたんとカントクの関係も急接近してきていて、
半ば告白も同然な台詞も飛び出したりと終始ドキドキものです。
何と言っても急速に距離が近付いて来たひおたんとカントク。
前回の時点でもそれらしい挙動をしていたのに付け加え、
元カノに好きな人がいることを打ち明けていた上に、
それをひおたんが聞いてしまっていたとかとんでもないことになってましたから、
俄然注目だったこの二人が更に大変なことになってます。
最近のトレンドの一つとも言えるいちゃラブなどでは決してなくて、
それらしい挙動をするたびにドキッとさせられますし、
いったか!?と思ったらいかないという、
付かず離れずの微妙な関係で一歩を踏み出せないもどかしさには、
見ているこっちの方が心臓に悪いくらいドキドキしっ放しですよ。
露骨に照れ隠しな変態発言で遠回しに気持ちを伝えるのが精一杯な距離関係から、
いつどのような形でどっちが踏み切るのか目が離せませんね。
しかし本当に巻数を増すほどにカントクが男として格好よくなってきて困るわ。
お見舞いエピソードのくだりは自分が女だったら惚れそうだし。
先へ踏み出しても変わらない関係もある。
なかなか進展しない微妙な距離を保ち続けているひおたんとカントクに対して、
普通に急接近・告白同然の状態にまで進展してきているのが海雄と先生。
こっちは漫画家になる夢に向けて着実に進んでる先生の今後が焦点になっており、
アシスタントとうまのほねの店員との両立が現状のままでは難しくなったために、
え!?まさか先生辞めちゃうの!?と本気で焦りました。
このエピソードでこれからも手伝って欲しいと言ってる先生は、
見紛うことなき告白シーンです。
一見すると何も進展してないようにも見えるけど、
恋人関係ってものが似合うとは思えない二人にとっては、
変に飾らない今の関係がベストなんでしょうね。
舞台ならではのネタ要素も健在。
表紙の背景はとらのあな⇒メロンブックス⇒アニメイトときて今回はゲーマーズだし、
恐らく次はK-BOOKSあたりになるんじゃないのかなーと予想してます。
メタな要素は薄くなってきたとは言ってもネタの濃さは相変わらず。
街の店舗対抗運動会ではパン食い競争ならぬパンツ食い競争に始まり、
大玉転がしは金色の玉を転がすセクハラ全開の女性専用競技だし、
お玉で運ぶのはピンポン玉じゃなくて嫁キャラのフィギュア。
何この運動会、超見に行きたい。
他にも12月になればクリスマス対策コーナーを設けて、
クリスマス終了のお知らせと銘打って性夜に対抗したり、
エロ本大好き人間なGメンさんが提供してくれた捨てエロ本を配布したり、
こんなんこんな街でもなきゃ絶対に成立し得ることはありませんよ。
エロ本配布の客に80歳は下らない老夫婦だの、
小学生未満にしか見えない子連れが居たりするのはツッコまざるを得ませんがね。
リアルの店舗では秋葉原のメロンブックスでは本作に対する気合の入り方が違います。
発売当日は本作に出てくるみかんブックスの特製エプロンで業務にあたっていたり、
以前はラピュタ積みを本当に再現したりしていましたからね。