オタ式KY恋愛講座 『となりの柏木さん』 3巻

となりの柏木さん (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

となりの柏木さん (3) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

お絵描きSNSから始まった二人は、オタ友として良好な関係を保っていた。
そんな中、雄斗がイラリクで調子に乗りすぎてしまい、柏木さんを怒らせてしまうが・・・
オタ恋愛でありながらも極端な濃さもなく、純ラブコメとして楽しめる本作ですが、
3巻目にして友達としての関係から一歩前進することとなり、
着実に積み重ねてきたラブコメ度がいよいよもってピークを迎えようとしています。
前回のラストから続く仲直り展開のように、今までも苦難の数々だった二人の関係。
恋愛的な意味ではむしろ今回から本格的に始まったとも言えますね。
雄斗のKYぶりにもどかしさを覚えつつ、柏木さんの可愛さに身悶えさせてもらいました。

とにかく巻を増すごとに柏木さんが右肩上がりで可愛くなってきてるから困る。
このあたりの変遷は表紙を見ても一目瞭然で、
1巻の頃はまだ仏頂面な感じだったのが、
今回ではちょっと慌てているような風になっており、
一撃でオーバーキルってくらいに非常に攻撃力が高くなってます。
ぃゃねぇ、こんな表情されたらときめかないわけがないですよ。
KY言われまくってorz状態の雄斗に、柏木さんを怒らせたことで、
開幕から顔面パンチをぶちかましてドSキャラも益々絶好調な清花さん、
絵描きとして、友達として、そして恋に戸惑い続きの柏木さんと、
実際、今回の本編が割りとこの表紙の通りなんですけどね。


雨降って地はコンクリート
リクエストを受けて提供すると言うのは、
描き手としては、相手に喜んでもらえるのならば互いにいいものです。
だからこそ商業誌とかでサイン会が催されたり、
イベントでスケブ等の暗黙のルールがあったりするものですから。
が、一方的にリクエストを押し付けられ続けたら・・・
そりゃ怒るのも仕方ないですね。
『萌え製造機じゃない』って、ええそうですよ。
だって柏木さん自身こそが一番萌えるんだから。
萌えるかどうかはともかく、雄斗自身も絵は絵として、
人間同士は人間同士としての付き合いがあることを自覚したようだから、
以前よりも強固な関係になったようだし、結果としては良かったのかな。
前半はこのくだりのシリアスな展開である反面、
後半になってからのラブコメ具合が半端ない。
あれ?この二人ってオタ友達だったよね?
既にオタとかSNSとか抜きにしてリア充街道を進み始めた!?
ちくしょう、うらやましいけどニヤケてしまうのを止めることができない。
そして何をおいてもラブコメパートに突入してからの柏木さんが可愛い。
才色兼備と噂になってるのに全然気付いてなくて、
そう思われてることを知ったら無茶苦茶焦って胃まで痛めるほどのリアクションをするし、

告白受けてからの赤面っぷりも素晴らしいし、
雄斗にはあまりにも勿体無さすぎますよ。
可愛さって意味なら清花さんもそうなんですけどね。
大半は怒ってSっ気漂ってばかりではあるにせよ、Mな人にはたまらない。

そして雄斗のバイト先の店長さん。
ぷに系ミニマム体型で32歳、たまらねぇ・・・


彼の者はKYなれば、恋愛に対してもKYである。
今回全面的に押し出されていたことの一つとして、
雄斗のKYぶりってものがあるのですが、これがまた誰もが否定せぬほどの強力さ。
言われて本人もガチで落ち込むほどに全員からフルボッコ状態ですよ。

本当に『KY』って今回何回出てきたんでしょうね。
と、言ってはみるものの、実際空気読むのって難しいですよね。
臨機応変に対応したつもりが結果的に場の空気と
真逆の行動になったりすることだって多々あることですし。
自分もその場の感情で取り返しの付かないことをしてしまったなんて何度もあります。
どんな結果になるかなんて予想できるのに、
衝動を抑えきれずに溢れ出してしまって・・・ね。
どちらかと言うと雄斗もそういうタイプのKYかなーと。
一つのことに目線が集中しすぎてしまって、
周りの事が見えなくなってしまうって感じで。
さすがに誰が見ても恋してる状態なのを指摘されて三次元なのにありえないとか、
幾らなんでもそこは現実見ようぜ。

しかし決して悪いことだけとは限りません。
空気を読めない、否、読まないからこそ、
思いもよらない突発的な行動に踏み切ることだってできるわけですから。
打算的になりすぎてやらず終いの優柔不断よりは断然マシってものです。
そんな雄斗のKYっぷり真骨頂が今回ラストの告白シーン。
一度好きだと告白してみるものの、あまりに突発的すぎて
柏木さん自身も一言『わかった』と凄まじくあっけなく終わった最初の告白。
あまりに突発的だったのもそうだけど、
言われた側もまだ『Like』と『Love』の境界で揺れ動いていると見るや、
大胆にしてKY極まりない再告白が・・・

うん、攻略する以上はトゥルーエンドを狙いたいものですよね。
・・・ってアホかーーーーー!!!!!
こんな告白された日にゃ、普通オタでもドン引きするわ。
嗚呼、『だからお前はKYなのだーっ!』と、どこぞの師匠の声が聞こえる。
それはないだろとツッコんでしまうところもありながら、
有無を言わさぬ強制力を感じるのもまた然り。
ここから始まる『柏木琴子ルート』は果たしてどうなりますことやら。