二次元から現実に飛び出したエロスと言う名の笑撃 『豪デレ美少女 凪原そら』 1巻

豪デレ美少女凪原そら 1 (ジェッツコミックス)

豪デレ美少女凪原そら 1 (ジェッツコミックス)

どこにでもいるようなごく普通の二次元オタだった主人公・将太。
いつもの通り大好きな漫画である『たま×キス』を読んでいたところ、
ヒロインの凪原そらが現実へと飛び出してくるのだが・・・

2011年年明けと共にやってきた水無月作品祭りの三作目は、
一目見てそれとわかるほどのエロス溢れるギャグでした。
ぃゃー外で読むにはあまりにも難易度が高すぎましたよ。
エッチな場面は惜しげもなく見開きを使っているし、
ギャグとしてはとにかく笑いを堪えるのに必死で、
傍から見ると怪しい人認定されかねません。
水無月作品と言えば変態ギャグでテンション高まったところに、
唐突に真面目なシリアス展開へと突入したりする手法が多いですが、
今回に限って言えばラストを除いてほぼお色気ギャグに終始しているので、
安心して笑いながらおっきできます。
絵的にはエロいシーンなのに笑えるとは上級テクですよ。


漫画から現実に飛び出してきたヒロインのそらは、
一言で言ってしまえば『漢』であり『武士』であり、
どこまでも突き抜けた『馬鹿』。
元のたま×キス内では病弱な清純派らしいのですが、
出てきたそらは開幕ファーストアタックで将太のゴールデンボールを握るわ、
シャドーボクシングを始めてビールで一杯やるわとやりたい放題。
登場シーンからしてこれですから、色々と先行き不安と思うのはまさにその通り。
暴走しまくって騒ぎの種を振りまくトラブルメーカーっぷりは常にアクセル全開です。
逆を言ってしまえばそれが魅力でもあるんですけどね。
とにかくどストレートな直情家であるが故に、
三次元に望みがないから二次元への理想を貫くオタ思想にも感動してしまったり、
以降将太のことを『殿』と呼ぶようになったりするのがまた。
よく言えばそれだけ純粋、悪く言えば馬鹿。
でも、曲解した解釈ながらもオタ思想にここまで賛同してくれるっていいなぁ。
それでも生きた豚を縛り付けて、バースのヒッティングマーチを口ずさみながら、
フルスイングで包丁を振り回して作ろうとする豚の活け作りは勘弁な。

それはさすがに某ものまねに任せておけばいいです。


ご多分に漏れず全力で繰り広げられるお色気ギャグの数々。
将太のオタ思想を『英雄色を好む』と曲解してしまったせいで、
女を脱がすはさらうわ顔射させるわ。
まさかヒロインが変態枠だとは・・・
作品によって変態描写のメイン焦点にあてる対象は異なるけれど、
その対象が『顔射』であることもまた変態っぷりに拍車をかけてます。
カップ麺でぶっかけ、ウイダーインみたいなゼリーでぶっかけ、
ホースを触手に見立てて放水してぶっかけ。

何かそらのおとしものとかの空飛ぶパンツとかが可愛く見えてきた。
あくまでギャグ描写としてのものだからエロいのに笑ってしまうし、
直後のオチとして将太がほぼ毎回逮捕されてしまうくだりも
お約束なんだけど盛大に笑わせてもらいました。


そらは元々二次元の存在だったこともあり、
『二次元殺法』と呼ばれる謎のテクの数々がこれまた妙。
表紙とか中扉にそらと一緒に描かれているもう一人のヒロインとも言える天花さん。

某おっぱいゴルファーのそなたさんばりの胸をしてますが、
実は元々ひんぬーで、そらの二次元殺法によってきょぬーに・・・
すごいな二次元。


なお、個人的にはツンデレ幼馴染にして寮長の鏑木さん派です。

カップ麺で顔射ぶっかけ、ソフトクリームでアンダーにぶっかけ、
唯一上下寒暖共にぶっかけられたキャラですし、まさにパーフェクツ。

ぃゃ普通に幼馴染特権の思い出話とか、
キツくあたる事が多いけれど心根では好きなんだってことが見え隠れしたりとか、
普通に第三のヒロインの資質十分ですよ。
水無月氏の別作品であるへ〜んしんでは最後に佐野さんに見せ場があったし、
本作でも鏑木さんの見せ場に期待してます。


ほぼ全編ギャグで進行するものの、最後はかなり思わせぶりなものとなっていて、
そこはやはりシリアスがもう一つの真骨頂である水無月作品だと思ってしまう次第です。

将太のためにこれでもかってくらい女を連れてくるのに、
自身が求められることには拒絶の意思を明らかにしたり、
実は本物のそらではないとか、自称本物のそらが新たに登場したりとか、
謎は謎として今後の展開に何が起こるかわからないのが油断なりません。

片方が本当に本物だとすると、もう片方は一体何者?となってしまいますし。
恐らく次はシリアス展開が待ち受けてたりするんでしょうか。


ちなみに本作、非常に濃い男キャラが二人いるのですが、
それぞれ名前が『七道紳士』、『セグ=Tたかひろ』ときたもんだ。

どう考えても明らかに福岡在住の先生たちですね。
決して『六道神士』と『瀬口たかひろ』だなんて一言も・・・
ぃゃ、少なくとも後者は水無月氏原作でこすもすとか描かれているから、
そういう意味ではありかもしれませんがね。
さすがに脇毛全開のセクシーコマンドーみたいなバトルは怒られないか心配ですけど。