もう一つの恋物語が始まる 『となりの柏木さん』 5巻

となりの柏木さん (5) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

となりの柏木さん (5) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

個別ルートでスローペースながらも着実に良好な関係を築く雄斗と柏木さん。
そんな彼らの親友である和樹と清花さんもついに・・・

恋愛ごとに全く疎い絵師とファンによるオタップルを描き、
様々なトラブルを経てこそばゆさMAXな本作。
当初からメイン二人を見守りつつも、
いつかはくっつくんじゃないかと思われていた親友コンビ。
今回はその二人が本格的に恋愛モードへと突入したことで、
ダブルカップルによるラブラブ指数は倍率ドン!さらに倍!で増加。
とても素晴らしいまでの壁ドンものの内容となっております。

当然のようにこちら側の二人もすんなり関係が進むわけもなく、
清花さんの性格上、ある意味メインの二人よりもドキドキものですね。
つい先週末あたりから今期アニメではSAOにココロコネクトと、
強烈なまでのラブコメシーンが放送されたばかりだと言うのに、
翌週に追い討ちをかけるがごとく本作が登場してくるとか何の策略なんでしょう。
そろそろ部屋の壁が随分と風通し良くなりそうなんですが・・・
キャラは一癖あっても正統派のラブコメ街道一直線で、
キスシーンはよ!とか思ってしまうこと請け合いです。
実際に出てきたらまた壁ドンものだと思いますがね。


地道に積み重ねてきたフラグがついに実る。
既に2巻目あたりの頃からけっこうな雰囲気を出してましたから、
和樹と清花さんもそのうちくっつくんだろうなーと、
否、絶対にそうなると信じて疑わなかったのですが、
ついにその時がやって来ました。
よりにもよってバレンタインの日とか狙い済ましたかの如く・・・
告白したときの返事はとりあえず一ヶ月間のお試し期間の条件付きだったけど、
最終的な返答はほとんど決まってるようなものですよね。

ラストにちょっとした事件が起こったりするものの、
たぶんこの一件が終わるときは正式に付き合い始めるときだと思うんだ。
確かに和樹に平手打ちして怒ってるみたいではあるものの、
どちらかと言うと恥ずかしがってると言った方が適切のようだし、
そのときの表情が今まで一度も見せたことの無いそれで、
赤面しながら様々な感情が入り混じった様子が恐ろしく可愛いんですよ。

全く脈が無ければ普段雄斗に見せてる黒いモードになるところだし、
実はただの痴話喧嘩なんじゃね?とすら見えてしまいます。
やっぱツンデレはツンからデレへ変わる境界線がたまりませんね。
元々ただの親友ポジションで終わるには惜しいキャラだったし、
もう一人の正ヒロイン化した今回は清花派大勝利です。


見守られる側から見守る側に。
今回は完全に和樹&清花さんメインのエピソードになっているので、
本来の主役サイドである雄斗&柏木さんは、
逆に二人の成り行きを応援する立場なわけですが、
それぞれの親友同士が付き合い始めた事実は、
今後色んな意味で影響を与えることになりそうです。
現に既に与えてます。
どちらにもオタと非オタの親友であるという共通点があるので、
根本的なところで考えが違うところがあるんですね。
手を繋ぐ行為一つ取っても、
片やごく自然な流れで繋いでしまうのに対し、
片やわざわざ断りを入れてしまうほどまでに初々しいなんてレベルじゃなかったり。

「付き合う」ということ、「恋人」とは何なのか。
好き合ってることは間違いないけれども、
果たして今の関係は本当に恋仲であると言えるのか。

自分たちの在り方を見つめ直すべき時期が近いのかも。
異なるタイプ同士の付き合いって互いが互いを刺激し合うから、
見た目以上に相性がいいものですね。