知ってしまった事実、止められぬ運命 『新世界より』 2巻

新世界より(2) (講談社コミックス)

新世界より(2) (講談社コミックス)

外来種からの襲撃から逃れ、塩屋虻コロニーへとやって来た一同。
心休まる間もなく転げ落ちる石の如く運命は動き始め・・・
現在アニメ版も放送中の同タイトルを原作とした本作。
基本的な設定とか要所ごとの出来事は踏襲しつつも、
全体的な流れはかなり違った感じで描かれてますね。
前回も少なからずそうだったけど、
今回は更に顕著になったような感じ。
アニメ版では説明不足で理解し難いと言われている内容も、
かなりわかりやすくなってるのではないかなと感じますね。
恐らく両方をセットで見れば色々と補完できるのではないかと。
コミカライズ版の大きな特徴であるお色気方面に関しては、
さすがに前回みたいなボノボるシーンは無かったりするので、
それを期待していると多少残念に思ってしまうかもしれませんが、
全体的に早季さんの肢体はナチュラルにエロいから問題なし。
生足へそ出しおっぱゐ谷間と歩くエロスですからね。
エロ方面のみならずグロさも増してるので、そっち方面が好きな人にもいいかもですね。
巻末おまけでは一話目で速攻死んだ麗子さんが幽霊になってたりして、
やっぱ可愛かったんだなー、死ぬには惜しかったなーなんて思ったり。


渦巻く悪意の嵐。
当初から間引きや記憶改竄が行われていたりと、
カルト宗教団体ばりのヤバい空気が常に漂ってたりしましたが、
真相に近付いてしまったがために向けられる、
悪意と殺意がとんでもないことになってます。

胡散臭さ全開だったスクィーラなんて、
奇狼丸が出てきてからは媚びまくりのいかにもなキャラになってるし、
露骨に早季たちを殺しにきてクズっぷりに拍車がままりまくってますからね。

割と良識ありそうな奇狼丸ですら村の大人たちの手下状態。
このあたりのくだりはアニメ版とかと全く異なるので、
どういう方面に転ぶのかわからなくてけっこうなドキドキものでした。
最終的には同じポイントに着地すると思ってるので、
やっぱ原作とかでも敵対して戦うなんてことがあるのでしょうか。
後半の展開と言い、微妙に時系列がシャッフルされてるのかな。
とりあえずどっちにしてもスクィーラがクズってことは把握した。


暴走する呪力、門を開きつつも閉じられる真実。
色々と展開のタイミング等が異なる本作ですが、
特に顕著だったのが瞬のくだり。

アニメ版とかでは夏合宿から戻って数年後に暴走して、
最新話でちょうど死んだあたりだったはずなのですが、
こちらでは塩屋虻コロニーからの脱出時点で暴走を開始
(ここで5人揃ってる時点でも全然違うわけですが)、
村に戻ることなく退場することとなってしまって・・・
その影響もあって、今回はグロい描写が多いという印象。
溢れ出した呪力で周囲に影響出まくりで、
森は腐海みたいになっちゃうわ、変形した樹木でバケネズミを殺すわ、
果ては不浄猫を目を背けたくなるようなヴィジュアルにして殺す。

何となく本作の方向性がエログロ方面に向かってるって気がしてきた。
しかしラストのくだりはかなりホラーチックです。
真実を知って殺されるのかと思いきや平然と日常生活を送ってる。
記憶改竄済みで・・・
終盤の展開だけ見るとSFじゃなくて何かの宗教ものにすら思えてくる。