喧嘩と言う名の武力交渉術 『天空の扉』 3巻

天空の扉 3 (ニチブンコミックス SH comics)

天空の扉 3 (ニチブンコミックス SH comics)

マクロドライブおよび使い手の姉弟の恐ろしさを身をもって知った元勇者レイ。
二人揃うことだけは何とか避けたい彼の手により、
名乗りを上げた三つ目族の王子一行が刺客として送り込まれ・・・
ルーラが移動呪文であると同時に最強の攻撃呪文、
そんなツッコミから始まる現実的すぎて元も子もない、
超リアルドラクエとでも言うべき本作に待望の3巻目が登場です。
今回は前回のように統率を知らない商人の率いていた軍勢とは異なり、
規模こそ小さいものの必殺の兵器と統率力、
何よりも確固たる信念を持った相手なだけに、
出し抜き出し抜かれのギリギリの一線を巡る攻防が激しいです。
確かに全力でバトルしている段階までは突入しておらず、
まずは「穏便」に「交渉」するところが中心ではあるのだけれども、
一触即発ってこういうことを言うんだってほどに緊張感がヤバすぎる。

ルーシュが主人公じゃなくて完全に悪人な表情してるし、
前回勇者軍の幹部を半壊させたルサルカ姐さんと同じ血を引く、
一切の躊躇を許さぬ武力交渉術がとにかく怖い。
姉弟揃って喧嘩のやり方ってものをわきまえすぎだろ。
姐さんは今回ほとんど出番が無いけれども、
弟がしっかりと凶悪性を引き継いでましたよ。
既にファンタジーものと言うよりもある種の軍事ものになりつつあるのは、
本作に限ったことじゃないのでともかくとして、
相変わらずセオリーってものを真っ向からぶち壊す手法で、
毒と現実、そして熱く、エロいシーン満載でした。


敵は同じ鍋をつついた友!?
今回ルーシュたちの前にたちはだかるガッシュ一行。
当初はバカ王子と愉快な仲間たちくらいの認識だったのに、
いざ戦う一歩手前の状態までくるとこれがなかなか侮れない。

ルーシュがキレるとある意味悪人よりもタチが悪かったり、
主人公らしからぬ極悪スマイルを浮かべたりなんかするもんだから、
むしろガッシュの方が主人公っぽく見えてくるくらいですよ。
ちょっとおバカなところがあって直情的、
お色気トラブルに巻き込まれる体質もあってヒロインには尻に敷かれてる。

それでも国を取り戻すという確固たる目的があって、
そのために全てを賭けるだけの覚悟を持っている。
うん、やっぱ主人公要素満載だわ。
互いに譲れないものがあるからこそ敵対することになったけれども、
作中でも言ってる通り、そういうことが無ければ親友兼ライバルとして、
良好な関係を築けただろうに・・・
実際、出会ったシーンは本当に良好だっただけにね。
片やマクロドライブの大鑑巨砲主義、
片や銃火器と機動力を上げる魔法による小回りタイプと、
戦闘スタイルとか能力も似通ってたりしますし、
本当にストリートファイターシリーズのリュウケンでも見てる気分にさえなってくる。
ドラクエ的に言うならルーラvs超強化されたピオリムってところですか。
こうして見ると補助魔法の偉大さってものを改めて認識させられますよ。
早い話がドーピングですからね。
現実的な描写は魔法のみならず戦闘力そのものに関してもまた然り。
よくこの手のゲームでダメージ1とはどれくらいのものなのか話題になりますが、
骨折するくらいの衝撃であるとの見解が強い現在、
Lv1の強さってものがどれくらいかって話で、
一般人で0.2、プロの格闘家で0.5、フル武装した一般人でやっとLv1ってくだりは、
道具を使う知恵はあっても己自身の強さは最弱の生物とも言われる、
人間の自然界における根本的な弱さがよくわかりました。


可愛い女性よ、エロス描写のターゲットたれ。
恐らくバーぴぃ先生の一般向け作品としては、
最もエロい作品であろう側面も持っている本作なだけに、
一般向け描写の限界、むしろアウトなシーンが満載です。
前回ルサルカ姐さんに手篭めにされたキャロスさんは、
巻をまたいですっかり調教されちゃってるし、
セッ●スについて一つ悟りの境地に達して哲学めいた発言まで飛び出すほど。

姐さん同様に出番が最初の僅かしか無かったですが、
もしかすると本編の間もふたりでよろしくやっちゃってたりして・・・
のっけからこんなだけどまだまだ序章、
マギアとレイシャは回復魔法によるBUKKAKEシーンあり、
レイがマーレとフランの二人を愛撫で手篭めにするシーンありと、
ロリからナイスバディのお姉さんタイプまで、
例外なく肌色成分に華を添える活躍をしてくれています。
そんな中でも今回のMVPと言えるのがガッシュと行動を共にしているリンゴさん。
回想シーンで当時12歳にして食糧危機で壊滅する運命だった三つ目族の国を、
画期的な農地開墾法で救ったりしているほどの有能っぷり。
ガッシュ視点からすればヒロインの立場に居るだけあって、
この二人の関係は何かと気になるところですね。
おまけページでは性的な妄想をしてて襲われることを期待しちゃってるし。

ここだけでも十分すぎるほどエロいのに、
折り返しやカバー下ではほぼ全裸および半裸で、
鞭装備&足蹴のドSなところを見せてくれているし、
回想シーンでは奴隷としてこれまた裸同然の姿で競売にかけられていたりと、
ドMホイホイ兼ドSホイホイのマルチホルダーとしても有能さを発揮していて、
気が付いてみれば今回の女性キャラはリンゴさんありき状態になってますね。

ガッシュの出番終了=リンゴさんも出番終了だから、
いっそルーシュたちの仲間になってレギュラー化してほしいくらいですよ。


ちなみに本作のマスコット兼虐待生物のゴブリンですが、
出番は少ないながらもしっかりと出るべきところは出ています。
やっぱり他生物に捕食されたりしてますけどね。
しかし前回もそうだったけど、単なる害獣としてではなくて、
利用するべきところは利用するシーンが見受けられるあたり、
人間の知恵ってすごいなとも思いますよ。
前回の場合は餌を提供する同意の下で治癒魔法練習用に解剖されたりしてたけど、
今回は大量の群れを煽って一大奮起させることによる開墾に、
その後は肥溜め兼生ゴミ処理場として肥料生産に役立ってる。

まぁ脱出不可能・与えられる食料(生ゴミ)は定量、中で食い扶持だけは増える、
これだけの条件が揃ってると中では食料を巡って、
共食いと言う名の地獄絵図が繰り広げられているのは必定で、
やっぱり最終的に酷い扱いを受けるってことだけはぶれませんね。