一回りも二回りも成長中 『こーしょー19さい』 2巻

こーしょー19さい(2) (アクションコミックス)

こーしょー19さい(2) (アクションコミックス)

顔出しNG、永遠の19歳で活躍中の声優、和泉乃音は12歳の小学生。
オーディションの末、憧れの魔法少女ものにレギュラー出演が決まったのだが・・・
ありそうで意外と少ない声優業界を題材とした本作も待望の2巻目が登場。
初のレギュラー出演を経て仕事仲間との絡みも多分に増大し、
乃音以外のキャラも十二分に魅力が引き出されている今回。
お仕事も学業も全力でぶつかる姿には元気をもらえますね。
全体的な展開も乃音と同様に仕事と学校とを両立した構成になっているし、
乃音も本作そのものも、今後どのように成長していくのかが楽しみです。
当初は11歳の小5からスタートしたから、将来的には中学生編とかもあるのかなーとか。
しかし、子供であるからこそのできるネタと純粋さってものがあるから、
そのあたりもどうなるのかが気になりますね。
最近ではClariSのように本当に顔出しNGで活動してるユニットもあるし、
やはり正体不明のミステリアス感を演出することは、
想像を掻き立てるには非常に有効ってことなんでしょうか。
こういう活動形態が許されて現に存在しているのだから、
ビジュアル面が目立つことも多くなってきた業界でも、
新たな可能性を見つけられると言う意味でも本作で思うところは多いです。


基本は業界ものではあるけれども、何気にパロとか色んなネタが使われています。
顔は出さない代わりにクマのぬいぐるみの写真を出してみれば、
『クマー』のAAがまんま出てきてくれたりしているし、

運動会で組体操の種目名が某1万年と2000年前から愛してるなキャッチフレーズだったりも。

元声優の乃音の母親なんて永遠の17歳とまできたもんだ。
だからかどうかはわかりませんが、本当に井上喜久子さんのネトラジに出演したとか、
レポの紹介のところでもきっちり(17)と書かれてたりして笑いましたわ。
声優ってのは心のアイドルですから、歳なんて取らないんです!
(さすがに最近の不二子ちゃんとかは無理がありすぎますが)
だから乃音も実年齢が12歳だろうと、例え何十になろうとも、永遠に19歳なのです!


パロ方面でも十分すぎるほどのバラエティに富んだネタを披露してくれているのですが、
ネタの方向性としてもう一つ強力なのがちょっぴりえっちなネタの数々。
自分が露骨なエロにあまり手を出さないのは、
どちらかと言うとそういうシーンが苦手であることもあるけれど、
それ以上にストレートなものよりも、
こういう何も知らないからこその無自覚の中に見え隠れする
さりげないエロスの方が圧倒的に好きだからなんですよね。
だからその手のシーンでは着衣派だし、チラリズムこそが至高だと思ってるし。
・・・と、そんな自分のエロス論はどうでもいいとして、
改めてそういう無自覚エロスの魅力ってものを教わりました。
青いおもちゃの缶詰、略して『アオカン』だの、

文字通り牛乳のことなんだけれども、『ミルク飲ませてください』って言うと卑猥に感じたり。

本人は意味を理解していないとしても、ちょっぴりおませさんな感じが、
エロいというのを通り越して逆に微笑ましく思えてきますね。
本格的に性に目覚め始める中学男子の時分はえげつなかったからなぁ・・・
将来的にちゃんと意味を理解して、それでもなお恥ずかしがらずに言えるようになること。
それが大人になるってことであり、同時に本物のプロにもなるってことなのかな。


勿論乃音は可愛いけど、他のキャラも随分と魅力を増してきました。
前回はオーディションのときの少ししか出番がなかった悠さんも、
さすがに主人公役に抜擢されただけあって、
最初からそこにいたかのような存在感を表してます。
ラジオで一緒にパーソナリティーをやってる姿とかは、
キャラ設定の役どころを通り越して本物の姉妹のようにも見えてきます。

しかも見かけによらず、けっこうな食欲魔人なところもあるし。
健康的に食べる人ってのは見ているだけでもおいしいです。
新キャラとして登場したみかげさんも文字通り『プロ』としての個性をさっそく発揮してます。
実際、人と直接話すよりもマイクを通して話す方が安心するとか、
そういう方面に向いてる人っていますからね。

自分もかつて校内放送とかする立場だったとき、
壇上で喋るよりも放送室で喋る方が全然落ち着いてた覚えがありますし。
まさにみかげさんはそういうキャラで、
普通に話をしようとするとすぐに萎縮してしまう謝り癖がある反面、
マイクの前では仕事は仕事と完璧に自らの役を演じきるプロ根性。
仕事をする意味ではこういう人でありたいです。
色々と個性的なキャラも増えてきましたが、一番好きなのはナカジさんかなー。
現実的に一緒にいて楽しそうってところとか、うわばみなところとか。
何か仕事してるよりも酒飲んでるイメージしかないですよ。

むしろ仕事中にも飲もうとしてたりするし。
悠さんを『お姉さん』とするならば、ナカジさんは『姐さん』って感じですね。
何気にこの二人も仲間とかライバル意識以上の友情で結ばれてたりするし、
いいなーこういう関係。

片やうわばみ、片や食欲魔人、そういう意味でもいい関係です。