世界の平和は女子高生の手に委ねられた? 『あしたの今日子さん』 1巻
- 作者: いわさきまさかず
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/01/27
- メディア: コミック
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同時に三代目勇者も覚醒したのだが・・・
強烈なギャグによってアニメ化もされた前作ケメコデラックスの記憶も新しい中、
新たに送り出されたは現代に生きる魔王と勇者を題材とした日常ギャグ。
元季刊誌、現隔月刊誌のジェネシス連載なだけに開始から2年あまりの時を経て、
無事にこうしてお目見えです。
舞台が現代日本、千葉県柏市と言う事もあって、
全体的に漂うローカル臭がたまりません。
勇者メンバーは可愛い女子高生が中心だったり、
魔王はラスボスの風格など微塵も存在しない最弱のヘタレだったりと、
実際現代に魔王とか復活してもこんな感じなんだろうなー。
力があれば掌握できるようなファンタジー世界とは勝手が違うのですよ。
尤も、本作における魔王にそんな力自体存在しませんけどね。
世間知らずが現代に放り出されたことによる世知辛さと、
仮面優等生でSっ気ありな女子高生勇者に足蹴にされるご褒美、
ギャグとしても萌え方面としても一粒で二度美味しい内容となっております。
とにかく魔王のヘタレっぷりがたまらない。
カラーページのカードダス風キャラ紹介ページでも露骨な弱さが飛び抜けてるし、
ファミレスで水だけ頼もうとした挙句に全部で10円にまけろとか無茶言うし、
自販機の下に落ちた小銭を必死で拾おうとしたりレイソルファンになったり。
親しみやすさって意味なら最強だけど、下で働きたくはないかなぁ。
妥協なき徹底ぶりを見せる地方ネタの数々。
最近では実際の町を舞台にした作品は別に珍しくもないわけですが、
柏とか実にコアなところを選出してくれやがりましたね。
そういう作品は都心から離れていて、
行くだけで旅行になる街が使われるイメージがあったので、
ここまで馴染みのありすぎるところが舞台だと逆にびっくりですよ。
常磐線で東京まで30分程度、隣町には同等規模の松戸もあり、
学生の時分には交通費や距離の関係もあって、
ちょくちょく遊びに行くのが楽しみだった街なだけに、
見覚えのある景色とかが出てくると感慨深いものがありますなー。
ビッグカメラ&そごうのある駅前、南口の時計台、
どれもこれも見覚えがありすぎる・・・
しかし東京ばりに栄えているのと同時に、
ベッドタウンとしても有用な都市であるからこそ、
現代に生きる等身大の女子高生を描くには最適だったのかもしれませんね。
何も駅前だけではなく、ちょっと踏み入った地方ネタも色々とあって、
常磐線沿線に住む人間としてはテンションだだ上がりですよ。
銀座を征服すると言っても東京都中央区のことじゃなくて柏銀座商店街だし、
市長になってほしい出身有名人で小宮山とか言っちゃったり
(個人的には高木ブーの方が)、
知らない人置いてけぼりなネタ展開が素敵です。
でもチーバくんの富津岬は危険すぎる・・・
久しぶりに柏で途中下車して遊び回ってみようかなー。
マルイの地下ゲーセン街が懐かしいでよ。
現代に生きていれば勇者だって学校にも通う。
PT構成は最もオーソドックスな構成となる勇者・戦士・魔法使い・僧侶。
しかしてそのキャラはオーソドックスとは程遠い濃さを全員放ってます。
勇者はいいところのお嬢様で外面はいいけど実際は色々冷めてたりと、
今風の女子高生らしい要素が満載なんですねこれが。
剣は装備してても勇者の使命とか知ったこっちゃなくて口も悪い。
見た目可憐でも中身は・・・
今日子さんはまさしく現代そのものなんですよ。
でも犬が苦手だったり可愛いところもあるんですけどね。
そのうちデレたりしてくれるんでしょうか。
他のメンバーはメンバーで別な意味ですごい連中ばかり。
戦士の由さんは趣味が男遊びのビッチだし、
魔法使いの奈々さんは魔法否定派の科学マニアな小学生。
僧侶の真に至っては見た目に反して股間にモノが付いてる男・・・
メイン格のPTメンバー全員がイロモノってのも何かすごいな。
ぃゃ、真は男でも全然アリです。
何気に一番可愛いし。
最近の作品では無駄に可愛いキャラが出てきた場合、
まず性別を疑ってかからないとならなくなってきましたわ。
そういえばPTの4人は全員千葉県の都市の名前が名字になってますね。
柏の隣だけど、我孫子とはまた特異なところ突いてきてます。