ツンデレ幽霊と行く夏祭り 『絶対☆霊域』 3巻
- 作者: 吉辺あくろ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/09/24
- メディア: コミック
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全力で今を楽しむ面々(幽霊含む)が今日も集い・・・
幽霊憑きの曰く付き物件と言えばホラーの鉄板であり、
怪現象に悩まされてすぐに引き払ったと言うオチが定説なシチュエーションを、
徹底的にラブコメチックに仕上げてしまったギャグ4コマも早いもので3巻目。
今回は幽霊の本領発揮とも言える夏を舞台に、
変態な人間たちに翻弄される幽霊のヒナちゃんに萌える展開です。
少しずつ真面目な展開もちらつかせつつ、
ギャグ作品であることを自覚したメタっぷりでスルーし続けながら進んでゆく話。
1巻のときは後藤が幽霊が見えなくなった・・・と思いきや、
2巻の開幕でそれが嘘だったって巻数を跨いだ盛大なネタもありましたが、
今回のラストでは呪いの眼鏡によって本当に見えなくなってしまう展開があり、
段々と陰謀めいた影も見受けられるようになって来ています。
後藤弟に悪霊を取り憑かせたスーツ男の正体共々、
ヒナちゃんが探し続けている兄とどのような繋がりを見せるかがこれから見ものですね。
勿論基本展開してゆくギャグもねっ!
何はともあれ大根おろしカレーは一度食べてみたい代物です。
幽霊物件夏満喫絶対保障。
こういう物件で夏と来れば、間違いなく怪談がお約束のイベントと言うもの。
が、本作にそんなホラーを求めてはいけません。
何たって当の幽霊であるヒナちゃんがオカルトなんて絶対無理な怖がりですから、
やろうとしたところで速攻止められるのが関の山です。
では如何にして夏を満喫するか。
形は人それぞれながらも、部屋で脱いだり、
海に行く予算もないからエア海水浴で西瓜割りをしてみたり、
夏祭りで出店や屋台飯を思う存分堪能したり。
夏ってぇのは、やっぱりイベントには事欠かない時期ですね。
最近の扇風機は回転も強くて柵の隙間も狭いから、
意外とボイスチェンジャー的な楽しみ方はできなくなってきてますが、
それでもやりたくなってしまうのが人の常です。
定番の宇宙人じゃなくて警視庁24時の方を持ってくるのは以外にツボりました。
羽根の回転で顔も曇りガラスみたいになって雰囲気は抜群!?
西瓜割りなんかも子供の頃に一回やったかどうかだからなー。
こうして傍から見てるとやっぱり楽しそう。
全然違う方向に誘導されて変なものを叩いてしまうのもまた一興です。
一番怖い(?)のは人間を地でゆく連中、相変わらず驀進中。
相手が幽霊であるとは言えども、
ある意味生きている人間よりも人間らしいヒナちゃん相手に、
平気でパンツ一丁になってしまう後藤は変態だなぁ。
赤くなってツッコミ入れる反応を生で見たくなっちゃうじゃないか羨ましい。
弟もロリコンの変態だけど、今回は少し控えめに、
ストーリー展開する上で巻き込まれる役どころが多かったかな。
巻末の番外編では本領発揮してくれてますけど。
しかし人間キャラ側で一番ヤバいのはやっぱり前田さんです。
ヒナちゃん相手にあれだけセクハラまがいの変態紳士っぷりを発揮している後藤ですら、
ガチで引いて関わりを避けるほどのストーカーですからね。
勝手に合鍵を作るわ、ドアチェーンをして安心してたらベランダから入ってくるわ。
今回はヒナちゃんが前田さんに憑依してしまう展開もあるけれど、
例え中身がヒナちゃんでも外見が前田さんってだけで、
禍々しいオーラしか感じない・・・
後藤が変態で通報されるのが先か、前田さんがストーカーで通報されるのが先か。
しかし何と言ってもヒナちゃん可愛いの一言に尽きます。
普段の着物姿も夏らしくホットパンツ姿になるのも、祭りで浴衣になるのも全て。
射的が当たってはしゃぐ姿なんて見せられちゃ、一生憑かれててもいいわ。
怖がりっぷりも相変わらずで、某ナポレオンズの定番ネタの一つである首回転マジックを
本気で悪霊のそれと思い込んでしまうとか、純粋なんてレベルじゃないです。
空中浮遊と見せかけて腕立てやってるのを見ても絶対信じるんだろうなぁ。
それに素敵なまでにわかりやすいツンデレ具合がもうね。
呪いの眼鏡で本当に霊を見られなくなってしまった後藤を見て、
口では非難しつつも涙ぐむなんてねぇ?
自分のために泣いてくれるだなんて本望じゃありませんか。