地球の運命を賭けた最終決戦ついに決着!? 『ムダヅモ無き改革』 6巻

ムダヅモ無き改革 (6) (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (6) (近代麻雀コミックス)

第四帝国の本拠地・月へASIMOと共に乗り込んだ小泉。
東1局は小泉タッグ優勢に進んでいたように思われたが・・・
時の各国首脳のみならず、第二次世界大戦からの歴史上の人物まで参戦し、
2巻から始まった地球連合対第四帝国の神々の黄昏編、ついに完結です。

麻雀の枠を超えた凄まじく熱いバトルは最終局面で更に燃え上がり、
前代未聞の演出による結末は魂震えて自然と涙が出てくるほど。
神々の黄昏編は今回で終了になるけれども、
巻末予告によるとどうやら新章が開幕するのだとか。
一度北の将軍様相手にした際、テポドンを阻止するために死んだと思われながらも、
奇跡的な復活を遂げてプーチンとの戦いに挑んだ小泉のことです、
生還不能な片道切符の筈である月からもきっと帰ってきてくれると信じてます。
と言うか生きてると信じてます。
既にキャラが政治家を基にしているだとか、そんなものは瑣末事。
現実の政治家がここまで熱き闘いを繰り広げることができるでしょうか。
否、ない。
地震とか原発で未曾有の危機に瀕している今、
小泉のような漢こそが立ち上がるべきですよね。


本編のみならず帯書きも見逃せません。
以前3巻発売時に咲-saki-の作者・小林立氏が帯書きを担当されていたことはありますが、
それ以来2度目となる他者の推薦が入った今回の帯。
コメントを提供された人物というのが・・・

まさかの麻生太郎ご本人!?
福田との総裁選に敗れた後に一時期首相になる以前、
ローゼン閣下と呼ばれた頃から漫画好きとして知られてはいたけど、
本当にコメントされる日が来ようとは。
秋葉原にもまだ『俺たちの麻生』看板は残ってるし、
こちらとしてはいつでも返り咲き待ってますぜ閣下!


互いに犠牲者を生み出す戦いは更に激化の一途を辿る。

開幕から八方塞がりな状況を打破するために躊躇なく役満を放棄する小泉の覚悟や、
ハイゼンベルクストライクを回避するASIMO
対スーパーアーリア人迎撃システムのスペックを見せ付けられるものの、
さすがにヒトラーはそれだけで倒せるほどの相手ではありませんでした。
第四帝国側も相応の覚悟を持って迎え撃つ様子がまた激しく熱い。
勝利のために自らの命を投げ打ったトリスタン。

断腸の思いで仲間を手にかけて最終決戦の場で更なる進化を遂げるヒトラー

一度は飛んで行動不能に陥るも、地球側の思いを乗せた支援で復活するASIMO
そして命がけで地球を救った小泉。
どいつもこいつも漢すぎて泣けてくる。
展開もどちらに転ぶかわからない程に二転三転するし、
バトルものとしても至高の出来となっていました。
それにしてもASIMOは本当にスペック高いなー。
頭からファミコンロボットが出てくるし、格闘方面でも鉄山靠を繰り出したりするし。

確かに人間じゃなくてロボットだけれども、紛れもなく漢であり、
彼の存在なくしてはここまで戦えなかったでしょうね。


第二次世界大戦から始まる60年余りの時を経た壮大なる戦いの結末は、
漫画史に残る史上空前にして前代未聞、空前絶後の演出にて幕を閉じる。
1巻のとき、対プーチン戦で4ページを使用した
超巨大見開き『天地創生』が展開されたときも相当な衝撃を受けたものでした。
が、今回のそれは遥かに超越したものであり・・・
常人なら見ているだけで死に至るほどの激しい戦いによって、
限界まで消耗した小泉最後の一撃はこちらの期待を裏切らぬライジングサン(国士無双十三面)。
頭にファイナルと銘打たれたそれは、1牌ごとに見開きで展開される、
13牌分、計26ページに渡る恐ろしい代物。

背景も縄文時代から現在に至る壮大すぎる代物だし、
ページ数の少ない漫画だと下手するとこれだけで数話分に相当するページ数。
思い付いても絶対誰もやろうとは思わない上に、編集側が絶対許さないよなぁこれ・・・
超弩級のスケールでぶっ飛んだ本作だからこそですね。