一流の人間とは・・・ 『車輪の国、向日葵の少女』 1巻
- 作者: あかべぇそふとつぅ,宇佐美渉
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/07/27
- メディア: コミック
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罪を犯した人間はその罪に応じた『義務』を背負わされる、そんな日本。
そんな罪人を保護観察し、更正させる『特別高等人』を目指すべく、
主人公・賢一は7年ぶりに故郷の町を訪れるのだが・・・
ストーリーに感動したゲームを挙げよ。
自分にとっての神シナリオであるゲームを挙げよ。
人によって回答は多種多様なものではありますが、
その話題が出てくるたびに必ずと言っていいほど出てくるタイトルの一つとして、
名前だけは聞いたことがあるものの、実際にプレイしたことはなかった本作。
コミカライズされていたことも知ってはいたものの、
単行本の発売が延び延びになっていて、
いつの間にやら記憶の彼方へと忘れ去られようとしていた中、待望の1巻が発売されました。
ぅーむ、実際にどんな話かはまったく知らない予備知識ゼロだったのだけれど、
それでもわかる異質な世界観と壮大な伏線の数々。
恐らく実際のゲーム本編はもっと凄まじいんだろうなぁ。
これほどまでに本編をやりたくなった作品も珍しいです。
何も知らないまっさらからやる方がいいだろうから、
本当にやってみるなら今すぐがいいんだろうけどどうしよう。
そう言えばG線上の魔王も完全に途中でプレイが止まってたなぁ・・・
これを機にプレイ再開してみようかな?
日本ではあるが日本ではない国の謎。
罰金・懲役・禁固・死刑といろいろ定められている日本の刑罰。
しかし本作の刑罰とは何かしらの義務を負わせる形式であり、
破ってしまった場合・規律を守らない者はその場で抹殺もありえるようなもの。
普段過ごす実生活を送る上で必要な何かを一つ取り上げられただけでも
それは刑罰と呼ぶに相応しい厳しく苦しいものになるんですね。
カバー下では『罰ゲーム』とか元も子もないことを言ってはいますが・・・
でも一つだけ制約事項が設けられただけでも苦痛ってものは凄まじいものですから、
仮に罰ゲームと呼ぶにしても、それで人を罰するには十分すぎます。
刑罰だけではない、国家そのものの事情も我々の住む日本とは一線を画してます。
どうやら大統領制らしいとか、過去に反乱勢力の武装蜂起による内乱が起こったとか。
この7年前の内乱も後々大きく関わってくることになるのかな。
実は賢一も何かしらの義務を負っているのかとか疑問に思うこともありますし。
と言うか、度々口にしている姉だけど、そのうち登場することになるんでしょうね。
最初に『どうやって姉貴と愛を叫ぶのか』とか言ってるし、
そもそもこんなエロい&ドSなお姉様が回想シーンだけでは勿体無さ過ぎます。
と言うか年端もいかない実の弟を攻める姉半端ねぇっす。
重い世界観・重い義務を負いながらも生きている少女たち。
『1日24時間のうち12時間しか活動してはならない』
『大人になることができない(親権者の言葉には絶対服従しなければならない)』
『恋愛をしてはならない(フラグ的な行動も禁止)』
登場する三人のヒロインに課せられた義務も、考えによっては非常に怖いものばかりです。
普通に生活しているのであればどれも無意識で行動してしまうものですし。
それでもなお生きる彼女たちは何を思っているのか。
何故これほどまでの重罪人への扱いのような義務を負うことになってしまったのか。
謎は世界だけではなく、そこに登場する人物たちまで例外ではありませんでした。
そしてある意味ヒロイン達よりも圧倒的な存在感を漂わせているのがとっつぁんこと法月将臣。
G線の浅井権三もそうだったけど、オヤジキャラから漂う
視線だけで殺されそうなくらいの威圧感は実に半端ないです。
と言うか、法月のCVって若本らしいですね。
だからあの
『言われたことしかできない人間を三流、
言われたことを上手にできる人間でようやく二流、
森田はいつになったら一流になるんだ?』
って名言が原作を知らない身でも聞いたことはあるほど知れ渡ったわけですか。
自分は・・・まだまだ三流の人間なんだろうなぁ・・・
今回だけでも十分すぎるほど目まぐるしく話が展開しているのだけれど、
全然先が見えない上に、どれも現状では世界観の説明と言う導入にしか見えないです。
最終的には全てが明かされることになるんだろうけれど、
それにしても謎が多すぎて全てが気になって仕方ありません。
一挙一動、一言一言のどれもが伏線のように思えてしまうこともありますし。
そしてやっとこれから始まった感じのラスト。
どうやら本編はG線とかと同じ五章構成らしいので、
実はようやく1章が終わったとかそんなあたりなんでしょうか。
長い目で続きを待つべきなのか、今のうちに本編プレイして予習しておくべきなのかな。