ブラック・ジョーク 1巻
- 作者: 田口雅之,小池倫太郎
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2008/09/19
- メディア: コミック
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作者の田口氏と言えば以前バトルロワイアルの漫画版を描かれていた方。
ひたすらにバイオレンスにしてエロスだった作風がもたらした当時の衝撃。
そんな氏の最新作はこれまたバイオレンスな世界感。
開幕の前提からしていきなり危険な香りが漂ってます。
舞台は日本であって日本でないニホン州東京市。
経緯とかそのあたりの説明一切抜きで話の前提として日本がアメリカに支配されてます。
いきなり『国』じゃなくて『州』になってる時点からしてすさまじいのですが、
だからこそ成し得るカジノ経営をするホテルという概念。
結局やってることはマフィア的なんですね。
ヤクザとは違うものがあるわけです。
強制的に殺し合うことを強制されたものではなく、
仕事として障害になるものがあるのであれば排除すると言った殺しの前提もバトロワと異なるところです。
根本的に設定からしてぶっ飛んでいるからか、その世界に更なる加速を与えるキャラクター。
主人公の吉良は一見クールな仕事人タイプに見えてけっこう巻き込まれ体質にして突っ込み役。
パートナーっぽい小玉はいかつい見た目に反した素早い動きで殺人拳の使い手にして大食らいでおつむはちょっと弱そう。
他にも超ハイスペックな改造車椅子を乗り回して空まで飛ぶ勢いのマフィアのボスとか
暗殺者としてのスキルで外敵を排除するボディーガードは無口なゴスロリとか
絵柄の濃さを反映したかのような濃いキャラ揃いです。
もう何と言うかこの作品の世界そのものが『ジョーク』であり『ジョーク』ではない、
作中の表現で表すならばアンビバレントな要素が同居してます。
一部のシーンでは立ち絵等に思いっきり拡大率を変えただけのコピペがあるのは気になったけど
それも『ジョーク』として捉えるべき?