オトナのご本みたいなことしたいっ! 『神のみぞ知るセカイ』 21巻

緊急ミッションにて10年前の過去へと送り出された桂馬。
そこで出会った少女は、エルシィたちの上司である室長と同じ名を持ち・・・

再攻略に様々な想いが交錯する女神編が完結して、
休む間もなく激動の新章を迎えることとなった前回ですが、
その流れを受け継いで今回も終始衝撃の連続で、
いよいよ話が核心へ向けて大きく動き出した感じがしますね。
RPGとかのゲームでもそうだけど、
やっぱり過去の世界は様々な真相が眠っていたり、
最強装備入手のキーになっていたりと、
重要なフラグが満載ですね。
それだけに出すタイミング次第では、
一気に話を白けさせる諸刃の剣ではあるものの、
本作の場合は現代との繋がりと相まって話にのめり込ませてくれます。
過去へ行っても攻略することは相変わらずでありながら、
回想とは異なる世界線となっていたり、
真の黒幕たる存在とその狙いがほのめかされたり、
極めて重要なポイントが随所に散りばめられているため、
後々読み返してみると色々と楽しそうですね。
何はともあれハクアの好物は冷奴、ちぃ覚えた。


二人の少女との邂逅は、全てを解決するキーとなる!?
本作における10年前とは、天理が初登場したときのエピソードで、
駆け魂大脱走を二人で目撃したという重要な時系列ですが、
それ以上に大きなフラグと激動の展開とで忘れそうになりますね。
最終的にどのような形で話が繋がるのかがポイントかな。
10年前の天理も少しだけ出てくるけど今回は出番が無いに等しいし。
それよりも何と言っても重要なのが前回と今回とで登場したヒロイン二人。
片や室長と同じ名前で全てが謎に包まれているものの、
室長の遺言からするとすごい能力を秘めた大悪魔のようだし、
如何に彼女を救い現代へと連れて帰るかがポイント。

と、ストーリー的にはすごく重要なポジションながらも、
なかなかにつかみ所の無いキャラをしていて、
天然キャラの持ちうる可愛い要素のスペックを存分に発揮しています。
見た目は圧倒的に桂馬の方が年下なのに、
そんな桂馬のことを「お兄ちゃん」と呼ぶとか破壊力高すぎる。
それに全力で嫉妬するエルシィもなかなかに捨て難いものがありますけどね。


そしてもう一人は学園や街の開発、引いては真相に繋がっていると思われる男の孫娘。
過去編はドクロウ攻略一本道になるかと思っていたので、
ここにきて新ヒロインの登場は驚きではあったのですが、
これがまたなかなかにいいキャラしてるわけですよ。
初登場のときはいかにもなお嬢様キャラをしていて、
桂馬と喧嘩の連続というセンセーショナルなものだったのに、
気が付けばツンが一気にデレへと引っ繰り返っている見事なまでのツンデレぶり。
デレ後は自分の知らない世界を知ってる桂馬に興味津々って感じで、
急接近っぷりが半端じゃないので不覚にも小学生相手にときめいてしまいますよ。

しかも二人で「オトナのご本」(早い話がエロ本)を読んで、
その本に載ってたようなことをしたいとマウントポジションときたもんだ。

まさにロリコン大勝利!
ぃゃ、異様なまでの肌色成分なもんだから、
こどものじかん的な展開にストーリーとは違う意味でドキドキものでしたよ。
思春期前の恥じらいも知らぬ小一すげぇわ。
本来の時系列になる10年後だとどんな娘に育ってるんだろう・・・
是非とも16歳verでも登場してもらいたいものです。


アイドルは魔法少女!?
前回前々回とOVA付きの限定版がリリースされてきましたが、
今回はかのんちゃんを主人公とした、
スピンオフコミックスが同梱された二冊セット。
メイン級のヒロインの一人なのに、
女神編ではずっと瀕死で寝ていてまともな出番がほとんど無かったからか、
それのリベンジと言わんばかりの無双状態で出ずっぱり。

本編に登場したヒロイン全員が対象のキャラソンのみならず、
普通にリアルでキャラ名義のアルバムがリリースされてたりしますし、
限定版のスピンオフのみならず本編でもかのん中心のエピソードがあったりするし、
総合的に見るとやっぱり優遇されてるキャラですよね。
そんなスピンオフの内容は本編のやや重めな空気を完全に消し飛ばす軽いノリで、
コメディ部分をそのまま凝縮したようなものになっています。
最近ではリリカルなのはに、まどマギに、プリティベルにと、
鬱展開や熱血バトル要素が多分に盛り込まれた変化球が主流になっていたので、
こういう昔ながらのいかにも魔法少女してる話は逆に貴重です。
次回は本スピンオフのOVAが限定版に付くようなので今から期待ですね。