本音がわかるから、愛し合える 『今日のユイコさん』 2巻

今日のユイコさん(2) (アフタヌーンKC)

今日のユイコさん(2) (アフタヌーンKC)

彼女は傍目から見るにはあまりにも面倒臭すぎた。
されど心の奥底にある本心はどこまでもラブラブであった・・・

委員長タイプや風紀委員タイプという表現がピッタリで、
真面目すぎる上に堅物と傍目からすると面倒臭いことこの上ないヒロインのユイコさん。
そんな彼女が恋に染まって果てしなきデレを見せる姿が可愛く、
ぎこちなく接しながらもラブラブで応援したくなる本作。
2巻目となる今回は夏休みへと突入し、
プールに宿題にお祭りにとイベント盛りだくさんの濃密な内容となっております。
こういうタイプのキャラって表面上で誤解されがちで、
敵を作って内心で後悔したりするパターンが多いのだけれども、
登場人物みんなちゃんと理解するところを理解してくれているため、
友達関係も良好で見てて微笑ましくなれるところがいいですね。
ラストでみんなに付き合ってることをカミングアウトするという、
本人たちにとっては一大イベントのつもりなのに、
周りのみんな「知ってた」で済んでしまうくらい、
見守りっぷりが温かいので思わず中に混じりたくなりますよ。
恋は盲目、知らぬは本人ばかりなりってことですか。
夏休み後となると秋は文化祭や修学旅行シーズンですし、
今後もどんなラブラブっぷりで魅せてくれるか楽しみです。


好きだから良く見られたい、好きだから見られたくない。
調理実習でいいところを見せたいけど決まらなくて凹み、
自分の水着姿に自信がないから一歩引いてしまったりと、
ポジティブ面でもネガティブ面でも挙動が可愛い。

三白眼ってこともあってキツめの性格ってイメージを持ちそうだけど、
実際は相当にナイーブな心の持ち主ですからね。
授業だけど手料理を食べられて、
客観的には失敗作だけどもしっかりとフォローを入れてくれる。
当初はパーカーで隠して頑なに見せようとしなかった水着も、
水中だけど拝ませてくれるに至った。

全てを受け入れるトモヤは本当に器が大きくて果報者だよ。
実際、けっこう大胆な水着姿を読者に披露してくれましたが、
はじめてトモヤの部屋にお邪魔して二人きりの時間を過ごすなど、
静かながらも精一杯且つ大胆にアピールしている様子は涙ぐましくもあります。
個人的には最大のアピールポイントは表紙だと思ってますけどね。
右手で髪をかき上げる仕草の中、僅かに見える腋はポイント高いですよー。
きっとそれを指摘したら真っ赤になってそっぽ向いてしまうんだけど、
どうしても見たいなら少しだけ・・・とか言っちゃうんだよ!
そうだよ間違いない!


結局は相思相愛。
時には大胆に迫りながらも基本的には堅物ですから、
やっぱり内心デレデレなのを表面上だけのツンでガードしてる場面は多いです。

放課後デートに誘われたけど宿題やる方が先でしょと突っぱねながら、
読書が終わるまでなら待ってる(だから早く宿題終わらせてデートしましょう)と、
何だかんだで最後まで待っててくれたりしていて、
結局はイチャつきたいって本人は隠しているつもりでも、
露骨すぎて宿題そっちのけで今すぐイチャつきたくなる。
それでちゃんとやれって怒られるのもまたいいかもね。
逢魔が時の誰も居なくなった教室、
ただ腕を組み肩を並べて座るだけの放課後デート、ありです。
そしてこの上なく恥ずかしがりやなところも手伝って、
何とかしようと奮闘する姿がまたいじらしい。
夏祭りで盆踊りを一緒に踊りたいけど皆に見られるのは恥ずかしい。
お祭り行事に参加するのを見られるのって年頃だとこんな風に思うよなー。
子供の頃とか年取ったりするとそんなことはないんだけども、
これくらいの年代だとからかわれそうですからね。
それを隠すために二人でお面を付けて踊るって本当に若い。
結果的には逆に目立つことを本人たちは気付いてない。
だからいいんです。
守りたい、この笑顔。