圧倒的なる銃火器の脅威 『ドリフターズ』 3巻
- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2013/03/18
- メディア: コミック
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この戦いを皮切りに、戦況は益々混沌の一途を辿り始め・・・
どこぞのFateが好きならば滾らずにはいられない、
歴史上の人物たちが入り混じって戦争を繰り広げる本作。
前回から1年半とまた間が空きましたが、
無事に3巻目がお目見えとなりました。
刊行スパンが長いだけあって内容に関しては非常に濃密で、
色々と話も戦局も大きく動くので最後まで飽きません。
キャラの絡みに加えて戦術論も印象深いですし、
程よくギャグも挿入されることによるテンポの良さは相変わらず。
これで次は来年中に出るのかなとか、
年単位の気の長いレベルで待たないとならないのがもどかしいですね。
そしてカバー下のネタに吹いた。
ぃゃ確かにドラマで今期信長のシェフやってましたさ。
本作にも主役級ポジションに信長は居ますさ。
それを・・・ね。
盛り付けてる器は長政の頭蓋骨だし。
繋がり合う点と点。
これまでは顔見せ程度には登場しておきながらも、
実際に話にはあまり絡んでくることの無かった豊久たち以外の漂流者。
それが直接出会って本格的に絡み合うようになってきていて、
いよいよもって対廃棄物との戦いが、解放戦線の戦いが動き出しています。
前回の時点からして信長が鉄砲量産を視野に含めていることは、
直接発言以外にも火薬を作ろうとしていたところで窺えますが、
ワイルドバンチ強盗団と出会って近代的な拳銃を目の当たりにして、
それを今度は解放したドワーフたちに量産させると、
見事に話が繋がってるわけですよ。
一方で一人はぐれた大スキピオも菅野直と出会ってますし、
こちらも今後どんな風に繋がってくるのか気になりますね。
オルミーヌさんの師匠が実は安倍清明だったり、
ボケが進行しながらも豊久の太刀を見切ったり、
信長のことを小僧呼ばわりするハンニバルの迫力と格好よさが半端なかったり、
どこを取っても新規に顔合わせした面子の絡みがとにかく濃い。
これは敵対関係でも同じこと。
女だからと豊久に見逃されたジャンヌ・ダルクのリベンジマッチがいつ実現するのか、
かつての主従関係だった与一と義経が戦うことは有り得るのか、
今後の対戦カードを想像するだけでも高まってきますよ。
戦いの中で戦い方を見出す、これぞ戦人。
初の廃棄物との直接対決や、ドワーフ解放戦線など、
戦闘シーンも数多く描かれている今回ですが、
豊久の戦闘センスと信長の戦術力には改めて目を見張るものがあります。
本来防御用のオルミーヌの石壁術を攻撃用に転じ、檻とし、攻城兵器とする。
誰に教わるでもなく思い付き実践することができるってすごいですね。
戦闘のみならず現実でいろんなことに応用できることだけども、
そうしようと思ったところでなかなか行動になんて移せませんよ。
片や中世のような世界において兵器の近代化が進行しているところもまた然り。
火薬と鉄砲の量産体制ができた今、
文字通りの信長の野望って感じになりつつあります。
剣と弓で戦ってるような文明レベルでの火薬使用はヤバい、マジヤバい。
爆発なんて未知の産物だろうし破壊力たるや言わずもがな。
一番の効果は恐怖であるというのも納得です。
確かにね、普通に生活してれば爆発なんて現実に見ることもそうそうありませんからね。
これに加えて鉄砲隊まで配備されたらこの国レベルの文明力じゃすぐ落ちるわ。
まぁ廃棄物側の黒王はそれ以上のバケモノだけど・・・
やってる事がほとんど神の奇跡みたいなもんです。
ぅーむ、やっぱりキリストなのかなぁ。
裏切られて処刑された経緯からすれば十分廃棄物たり得るし。