芽生える自覚、動き出す宿命 『ULTRAMAN』 2巻

ULTRAMAN 2 (ヒーローズコミックス)

ULTRAMAN 2 (ヒーローズコミックス)

ベムラーとの戦いに何とか勝利した新次郎。
保護された先で目を覚ましたとき、井出と肩を並べていたのは、
かつて地球にとって最悪の敵だったゼットン星人で・・・

日本の特撮永遠のヒーロー・ウルトラマン
他シリーズではない初代の続編として始まった本作ですが、
今回は正式に二代目ウルトラマンとして戦いに身を投じることとなり、
重い宿命が数多くのしかかってくる試練の回となっております。
続編ものながら大胆なオリジナル設定により、
単体で一つの物語として成り立っていながらも、
元々の設定を踏襲した描写が所々に出てきたりして、
全体に渡って熱く盛り上がれる内容ですね。
現在TOKYO-MXで毎週日曜に初代の再放送がされていますが、
こちらの最終回まで残り一話のクライマックス直前なため、
そちらも併せて見ると盛り上がれること請け合いです。
本作でゼットン星人が登場していることもあって、
イムリーに話をリンクさせられますからね。
本格的に戦いが始まったことにより、
今後どのような展開が待ち受けているのかが楽しみです。


かつての宿敵から告げられた依頼で全ては始まる。
科特隊にゼットン星人が居ることも驚きなわけですが、
よりにもよってその当人からウルトラマンになることを依頼してくるとか、
なかなかに予想の範囲を超えた展開に引き込まれますね。

表面上は文明を持つ星同士が同盟を結んだって言ってるけど、
それも長い時間をかけた侵略への足がかりと考えられなくも無いし、
一体何を考えてるのか油断できません。
しかし地球上に多数の宇宙人犯罪者が潜伏していることも、
ベムラーの名を名乗る「敵」となる存在が居ることも確か。
最初は「ウルトラマン」としての活動も、
お助けヒーローのようなお試し状態で始めたものだったのが、
殺人を犯す宇宙人を目の当たりにして真に戦うことを決意する。

この流れがひたすらに熱いんですね。
今のところは勧善懲悪として物語は進んでいるけれども、
元々どちらが悪いとも言い切れない話もある原作ですから、
下手するとダークヒーローに堕ちるなんてこともあるかもしれません。
1巻のときのカラーページはそれっぽい哀愁が漂ってましたしね・・・
ヒーローとしての格好よさが描かれると同時に、
敵の宇宙人の恐ろしさも浮き彫りになっている今回。
ぁー子供の頃ウルトラQのタイトルからして怖かったもんなー。
当時は特撮の怪獣とか怪人の類って普通に泣けたからね。
警察追ってた怪しい人物が車に轢かれて、
目が四つあってピンピンしてるとかいかにもQとかでありそうな展開で、
昔のそんな気分を思い起こさせてくれました。


見た目もサイズも違うが確かにそれは小さな光の巨人。
直接変身じゃなくてパワードスーツを着用するという、
どちらかと言うと仮面ライダーとか宇宙刑事ものに近い感じになりつつも、
初戦闘のときにスペシウム光線を撃ったりして、
紛れもなくウルトラマンをやってるんですよね。
前回は必殺技でファンを盛り上げてくれましたが、
今回はまた違う機能と展開でテンション上げさせてくれますよ。
赤いボディの他に特徴的な胸のカラータイマー。
オリジナルでは活動限界を示す心臓のような役割だったのが、
本作の場合、太陽エネルギーを補充しなければ死んでしまうなんてこともないので、
全く違った機能を備えていたりするわけです。
それがパワードスーツのリミッター解除サイン。

解除後は体力消耗が激しいから数分しか戦えなくなるという、
時間制限付きの最後の手段として使用されるあたりは、
ウルトラマンらしさをしっかりと受け継いでいてくれてますね。
しかも解除時の展開が素晴らしく熱い。
やべぇ、こういう中二めいた台詞、使ってみてぇ・・・
他にもシリーズを見ていると気になる点があったりして、
ストーリー展開も先が読めないことになっています。
アイドルのヒロインキャラが登場したこともあるけれども、
何と言っても科特隊の若手隊員として登場した「諸星」の存在ですよ。

ウルトラセブンに変身してた隊員がモロボシ・ダンですから、
もしかするとウルトラの兄弟としての繋がりが今後出てくるのかも・・・
下の名前も明かされてませんし、
本作に登場する諸星がセブンとの関係性を持ってるとも言い切れませんがね。