悪魔も恐れるくらいにスタイリッシュ!? 『坂本ですが?』 1巻

坂本ですが? 1 (ビームコミックス)

坂本ですが? 1 (ビームコミックス)

ごく普通の県立高校での新生活が始まって間もない新入生たち。
そんな中で、全生徒の注目を一手に受ける生徒が1年2組に居た・・・

舞台設定も特に現実離れしたものはなく、
何気ない高校生活を淡々と描く学園もの・・・と思わせておいて、
全てが常人離れした主人公が繰り広げる、
クール&スタイリッシュな言動とカリスマ性に見惚れながら、
そのシュールさに笑うギャグ作品となっております。

既に表紙とか裏表紙からして漂ってる空気が違いますからね。
ただ黒板掃除とか机の上を拭いてるだけのはずなのに、
何故集中線が入る!?
何故スピード感に溢れてる!?
まぁ読む前からツッコんでしまいたくなりますが、
実際の中身は更に濃密なことになってるので、
一目見た瞬間にオーラを感じたのであればまず間違いないでしょう。
恐らく坂本とスタイリッシュさで張り合えるのは、
どこぞのデビルメイクライな御方くらいじゃないでしょうか。
全く別のベクトルをいってる気がしなくもないですけどね。


極めてナチュラルに、飾らず魅せる、これぞスタイリッシュ。
一話目の扉絵でも塀の上を歩いて登校していて、
どこぞの水をかぶると女になってしまう、
無差別格闘流の人を彷彿とさせる一枚からしてただならぬ雰囲気を漂わせていて、
本編に入ったら入ったで教室の入口に仕掛けられた、
黒板消しトラップを華麗にキャッチ。
トイレの個室に入って上から水をぶっかけられたら、
傘をさしてにわか雨とか言っちゃうし、
机を教室の外に放り出されたら窓のへりに座って授業を受けてしまう。
開幕ほんの数ページでこれだけのことが繰り広げられるわけですから、
全体がどれだけカオスなことになっているかは想像に難くないと思います。

一挙一動が無駄に格好よくて困る。
ぃゃ、スタイリッシュってこういうことを言うんでしたっけ?
実生活でこんな言動した日にゃドン引きされた挙句、
中二病判定されそうな諸刃の剣。
それを平然な顔をして自然にやってしまっているところにクールさを感じますね。
クラスに一人こんなのが居たら激しくウザいだろうけども、
一方で見てて飽きないから学校生活楽しいだろうなぁ。


出る杭は打たれるもの。
存在するだけで誰をも魅了する存在であることは、
同時に敵を作りやすいということもまた然り。
9割以上が是と言っても1割は否と言うのがいるというもの。
ましてやこれだけインパクトの強いキャラクターをしているのだから、
嫌われる相手からは徹底的に嫌われるのは仕方ないですよね。
毎回のよう坂本が目立つことが気に入らなかったり、
自分のものにしようとする相手が現れては、
逆にペースに飲み込まれてしまうという展開が基本的な流れ。
この相手ってのが不良だったり、目立ちたがり屋だったり、
女子たちだったりと、何気に幅広いので、
対処法の全く異なる相手に対して一体何をやらかすのか、
段々楽しみになってきますよ。

もうスタイリッシュどころか、
それはもしかしてギャグでやってるのかと疑いたくなる行動も多いですし。
間違いなく全て素なんでしょうけどね。
狙ってこんなキャラ演じてたら逆に怖いわ。

普通に教師さえも見とれちゃってたりするくらいだから、
そのうち学校の枠を飛び越えて何かやらかす予感がしてきますよ。