毒を以って毒を制す 『断裁分離のクライムエッジ』 6巻

学園祭シーズン真っ只中、クラスの出し物で盛り上がる一同。
そんな中、受注製品の最後の一人が動き始め・・・

およそ一月くらい前から重要な発表と銘打たれ、
大方の予想通りアニメ化が決定した本作。
製作はStudio五組(咲-Saki-シリーズやストパンを手掛けた元GONZOのチーム)なら
クオリティはそこまで心配する必要はなさそうだなとか、
殺人鬼がテーマのイカれた世界観を、
どこまで放送コードに引っ掛からないレベルで再現できるんだろうとか、
キャストはどうなるんだろうとか色々と気になるところですが、
先駆けて来年3月にドラマCD付きの最新刊がリリースされるようなので、
まずはそちらでメディアミックスされた雰囲気を味わいたいですね。
本編の方は受注製品の三人目を相手に死線ギリギリの戦いが繰り広げられており、
学園祭真っ只中という表と裏の描写がとんでもないことになってます。

猟奇喫茶なんて当初はただのネタかと思われたクラスの出し物が、
終盤では意外な決定打となり得たりする境界線が交わるところなど、
思わぬ結末の到来には驚かされるところですね。
これで三人いた受注製品が全員出てきたことになるけども、
ラストの「魔女」の思わせ振りな言動からは、
新たなる展開で更に激しくも狂った内容を示唆させる新章の予感を感じますね。
ついに「髪の女王」の呪いと直接対峙することになるのかな。
アニメ版の新情報共々今後が気になるところです。


毒vs毒。
これまで出てきた受注製品の二人がそれぞれナイフと銃で、
それに対して毒薬という直接的な物理攻撃を行う代物ではない上に、
権利者本人が老人であることもあって決して見た目の派手さは無いものの、
その分、様々な搦め手を以って接近し、策を弄して着実に毒を盛る手法は、
今までに無い怖さとえげつなさがありますね。

無味無臭で無色透明、しかも検査で検出不可能と、
「毒薬」こと「秘匿謀殺」の特性からして暗殺に特化してますし。
物理的なものじゃないから切も手を出し難く、
教授に病子は瀕死の状態にまで追い込まれてる。
もしかしたら今までで手強い相手だったのではないでしょうか。
そんな今回、最も焦点が当たっていたのが病院坂姉妹。
特に法子さんは今回の主人公と言って間違いないほどの活躍ぶりです。
精神面では病子が、戦闘面では法子さんの成長度合いが素晴らしく、
主要キャラの立場でありながら今まで出番が少なかった病院坂姉妹派にとっては、
待ちに待った回であったとも言えますね。
病子も少しクラスに馴染めたようだし、法子さんもマジで格好可愛かった。

相手が毒薬使いだからこそ、
特性を100%活かしきれるインジェクションの独壇場だったし、
今回の活躍で病院坂姉妹の人気爆上げあるでー。


狂おしいから愛らしい。
あらゆる描写のイカレっぷりに定評のある本作ですが、
やっぱり萌えとかお色気方面も何かおかしいのは相変わらずですね。
猟奇喫茶でノリノリになった切がかしこさんを接客する姿や、
病院坂姉妹の注射器ドリンクプレイなど、
エロティックながらも何かがおかしいシーンばかり。

極めつけは巻末の番外編。
四方堂さんを主役にした愛玩屠殺コンビの話なのですが、
これがまた非常にエロ可愛い。
本編で敵として出てきたときはそんな風に思わなかったんだけどなー。
改めて見ると普通に可愛いとこあるじゃないか。
愛情表現がとてつもなく歪んでることは間違いありませんがね。
鞭で叩いてマウントポジションで変態と罵る口撃プレイ。

何とも素敵なドMホイホイですねこれは。
緋鍵氏のキャラはヤンデレモードになると本当に活き活きするなー。