フェロモンエクストリーム摂取! 『君ってどんなにおいなの?』

高校入学後に人付き合いに疲れてクラスから孤立していたヒミコさん。
いじめ一歩手前の状況から庇ってくれた彼は救いようの無いバカで変態で・・・
奇抜な設定とシチュエーションから至高の赤面女子を描き、
着実に知名度を広げていると思われる水あさと氏の新刊。
前回はまさかのルンバ本でついにヒロイン格が人間ですらなくなってましたが、
今回は再び人間に戻ったかと思いきやとんでもなく高い変態指数に溢れる一作でした。

変態的な展開から始まるラブコメシーンに照れと恥ずかしさが混在した赤面描写、
それでいてしっかりと笑いでオチを付ける締め方と、
色んな意味でいつも通りで安心しました。
あとがきによると元々少女漫画を目指していたようなのですが・・・
ヒミコさん可愛いのでこれはこれで。
少女漫画も正統派な代物ならまだしも、
中には想像を絶するような変態なやつもあったりしますし、
そういう意味では少女漫画的と言えなくも・・・ごめんやっぱ無理。


嗅ぐ行為は好きの気持ちと直結し。
本作の凄いところはやはり匂いを嗅ぐって露骨な変態行為が、
そっくりそのまま一種の求愛行動に置き換えられることなんですよね。
相手に嗅がれるってことがどういうことを意味するかってことで。
年頃の女子にとって、匂いってすごく敏感なところだと思うんですよ。
男にとっても、香水なりシャンプーなり、
思わずグッとくるそれがあるのではないかと。
社会に出てからこんな行為に及んだ日にゃ通報されてもおかしくないし、
露骨なバカをやれるのもある意味青春だなぁ。

ストレート好意を表現するソウシさんが段々格好よく見えてくるから困る。
クラス全員の見ている前でスカートの中に頭突っ込んで股間を嗅ぐわ、
体操服を借りて毎日嗅いでたら匂いが消えたので抱かせろだの、
直球すぎる姿には清々しささえ感じられてきます。
しかも当初の人をあえて避けてたヒミコさんの面影を消し去るほど。
本作の内容を経て確実にクラスから浮いた存在から、
注目されるレベルに昇格してますよね。
アレだともわかりつつも、
一人の男をここまで魅了したヒミコさんの匂い、
嗅いでみたくなってしまうから困る。
黄河」に浪漫を馳せたくなる!