闇に魅入られし時・・・ 『SMILES AND TEARS Vol.01』

  • タイトル:SMILES AND TEARS Vol.01
  • サークル:MIX-ISM

帰りがけにドクロ型のデコルを拾ったみゆき。
それがジョーカーの罠とも気付かず大量のバッドエナジーに取り込まれてしまい・・・

プリキュアとは女の子向けの変身ヒーローものである。
無印の頃とかにそんなコンセプトを聞いた覚えがあるのですが、
本作はそういう作品が持ち合わせる熱い要素をふんだんに盛り込んでおり、
これで熱くならないのであれば、
一体何に熱くなるんだってくらいの代物となっております。
バトルシーンは勿論のこと、
展開も押さえるところを押さえてますよ。
さすがヒーローものの枠を超えた正義と悪の定義について考えさせられる、
非常に熱い作品であるRATMANを描かれているだけあって、
そのクオリティは折り紙付きです。
しかも今回だけで完結せずに次回は冬に持ち越しという寸止めっぷり。
後半ではバトルが更に激しさを増しそうですし、
是非とも続きを読んで年を越したいものですね。


策略次第ではあり得たかもしれないその展開。
これがまた実にバトルもののツボってものをピンポイントで捉えてるんですね。
主人公不在のため四人による不利な状況の戦い、
闇に取り込まれた主人公の悪堕ち、
悪堕ちしながらも心のどこかで正気を保っている。
と、これだけ要素が揃ってて熱くならないわけがありませんって。

きっと後編ではダークサイド特有の、
オリジナル必殺技なんかも飛び出しちゃったりするんじゃないでしょうか。
プリキュアという作品群をどのように見ているかで、
どう感じるかは相当に変わってくるとは思うんですけどね。
単純にキャラ萌え作品として見ているのであれば異端に感じるだろうし、
逆にヒーローもの、戦隊もののように、
バトル作品としての側面からして見ているのであれば、
如何に本作がキているかがわかるのではないかと。
恐らく世の中に出ているプリキュア同人はエロが多いと思われます。
が、こういうガチバトルな代物があってもいいのではないでしょうか。
同人誌ならではの設定も織り交ぜながらこうも熱くさせてくれると、
これが公式設定化してくれないかとか思ってしまいますね。