カレーと書いて神(ゴッド)と読む! 『カレーの王女さま』 1巻

カレーの王女さま (1) (まんがタイムKRコミックス)

カレーの王女さま (1) (まんがタイムKRコミックス)

国民の食事全てをカレーにするべく某国より留学してきた王女さま・ヴィッキー。
しかして日本のカレーは想像以上に奥深く・・・
主にComic REXを中心とし、ギャグありシリアスありの作品を輩出してきた仏さんじょ氏。
満を持してきららレーベルに参入した本作は、
カレーという日常に非常に近しい題材を取り扱いつつ、
多分なるギャグ成分とガチのカレー知識とを織り交ぜた、
まさに華麗なまでにカレー愛に溢れた一作となっております。
同人誌でも毎回テンションの高いギャグを描かれている氏ですから、
4コマ作品との親和性もバッチリですね。
笑って萌えつつカレーが食いたくなるって最高じゃないか。

本格的なインドカレーとかスープカレーとかもいいけれど、
やっぱり日本人ならライスカリーこそが至高にして究極です。
国民食とも言える料理なだけに普通に読んでも威力十分だけど、
深夜に読んだりすると更に効果が倍増されて
激しくカレーが食べたくなる衝動に駆られること必至。
ぁーもうCoCo壱でもゴリラの店でも松屋でも。
いっそのことカレーパンでもラムネでも飴でもいい。
カレーを食わせろー!
庶民的な料理を取り扱った作品の深夜における、
飯テロ率の高さを認識させられる一作です。


ゆる系部活動4コマとしても変化球の逸品。
きらら作品の最も得意とする傾向のジャンルだけれども、
ご他聞に漏れず本作もしっかりと変わりものの部活動をしております。
カレーが題材なだけに部活動もストレートにカレー部
そういや昔「カレー部に入ろう!」ってCMありましたね。
しかもカレーを作るのではなくて、あくまで食べるだけの部活。

さすがカレー天使のの異名を持つトゥギャザー師匠は考えることが違う。
普通に食べる、カレー味の料理やお菓子も食べる、
時には地方に出かけてご当地カレーも食べに行く。
あれ?食べるだけって言ってもけっこうアグレッシヴな活動してますね。
途中からは「乙カレー!!」なんて決め台詞まで飛び出してしまうほど。

と言うかですね、その決め台詞は表紙にも堂々と出てますからね。
本来ならば作品タイトルが入るであろう位置に・・・
タイトル以上にキャッチコピーが目立ってるとか前衛的にして挑戦的すぎる。
これ、何も知らない人が見たら絶対作品名を「乙カレー!!」と間違えますって。
本作として非常にらしいですけどね。


話はギャグでもカレー知識はガチ勝負。
合わない食材などほとんどない、
料理を失敗してもとりあえずカレー味にしておけば何とかなる。
それくらいの汎用性がある料理ですから、
突き詰めると底が見えないほど奈落の穴の如き深さを誇る幅広さ。
ともなれば話の展開バリエーションもカレーに繋がればどうとでもなるほど、
校内に校外にと縦横無尽に活動しております。

その汎用性の高さを十二分に知ることができる、
真骨頂とも言うべき巻頭描き下ろし部分は一話完結ストーリーで、
一発で本作の雰囲気を知ると共に世界に引き込んでくれます。
きなこ、マヨネーズ、生姜、フルーツの全てに合うだなんて、
どれだけ神の料理なんですか。
しかしプリン・・・テメーは・・・テメーは・・・

何故本当に作ったし!?
何故そこだけ実写にしたし!?
それでも食えなくないってマジですげーわ。
同じ描き下ろしだとカバーしたも見逃せないところ。
炊飯器カレー(レシピ付き)とか普通に作ってみたくなるから困る。
でも炊飯器で作るということはご飯が・・・
冷凍保存してるご飯が余ってるときにいいかもしれませんね。


カレーネタ以外にも小ネタが多く、
食事の箸休め的な感じで楽しむことができます。
ヴィッキーさん12歳の中学生なのにおっぱゐデカすぎとかね。
他にも誰もが疑問に思うであろう中学英語教科書テキストの
無茶苦茶すぎる会話内容に盛大にツッコんでみたりとか、
海軍カレーを食べに横須賀に行ったら三笠で東郷平八郎ごっこをしたりとか、
微妙にネタがマニアックだったりするところがニクいですね。

軍オタならニヤリとする場面だろうなー。