今明かされる過去の真実 『RATMAN』 10巻

ヒーローブースターによるヒーローたちの暴走事件鎮圧作戦に皆が動く中、
イスカと九条さんの戦いは意外な展開を迎えることとなり・・・
タイバニにZETMANとヒーローものアニメ放送が盛り上がる昨今、
静かな盛り上がりを見せている本作。
何でこれだけ熱いのに知名度低いのかなーと常々疑問に思ってしまいますが、
今回は全ての因縁に対する最終決戦間近を感じさせる、
ハイスピードで繰り広げられる衝撃展開が目白押しで、
否が応にも熱くならざるを得ません。

既に正義か悪かなんて単純なレベルの話ではなくなってきていて、
色々と真実が明かされる中においても謎が多いですね。
最大の謎である「Sの因子」にはまだ明かされてないこともあって、
一体全体どれだけ業が深いものであるか。
結局シャイニングマンとは何者であったのか。

二人が直接対峙することとなる時は近いです。
しかし気持ちいいくらいまでに熱いなー。
熱血ともちょっと違う、けれども決して燃え尽きぬ心、
憧れを叶えようとした結果が違う形で困惑しながらも自分の在り方を求めてゆく。
ただ勧善懲悪で戦うだけじゃなくて、
世の中はそんな単純にはいかない、踏み込んではいけないところもある。
そういう裏の汚いところまで現実的に描いていることが魅力なのかなと。


ついに正体を現したもう一人の「S」。
一度は倒したかと思ったら真の姿を現すってのは王道パターンだけど、
その姿までは想像してなかっただけに驚きでした。

元々悪っぽいデザインのラットマンを更に悪っぽくした姿じゃないか。
ラットマン自身の姿も悪っぽい感じだったから、
真の悪のヒーローって考え自体が欠如してたなー。
これがSの因子による姿か。
しかし同じ因子を有して同じ姿であるにも拘らず、
全く異なる二人の違いとは一体何なのか。
Sの因子を負の遺産と完全に言い切ってしまっていたり、
自分で自分のことを「罪」と名乗ってしまうあたり、
もっと核心に触れて黒いものを見てしまっているのかもしれませんね。
今回は顔合わせ程度ではあったにせよ、
アンチェインまで助けに来てくれるとか普通に熱くてテンション上がったわ。


曖昧であった記憶に隠されていた謎と真実。
今回は話が終盤に向かっていることを肌で感じることができるほど、
あらゆる伏線の回収が怒涛の勢いで押し寄せてきています。
正体もいろんな人にバレまくってますしね。
九条さんはまだしも、何と言っても梨緒先輩にまでバレたのが決定的だわ。
変身ヒーロー・ヒロインもので正体バレはクライマックスと最終決戦フラグですよ。
と、わざわざ不法侵入して正体バレてまで突き止めた真実は、
あまりにも非情で理不尽に少年の心を突き動かし・・・
当初からずっと語られていたことであり、
修斗のヒーローに憧れる自分のアイデンティティとも言える事故。
そこだけは真っ当に正統派の出来事であると思ってた。
衝撃的でいい意味で裏切られましたわ。
全てを知ってしまったところで終わるから、
自分を見失って自暴自棄になったりしないか心配です。
一方で浅からぬ因縁のあるクレアさんと姫崎会長の関係もまた衝撃的。

右目が髪で隠れてるのもフラグだったとは・・・
このあたりの真実は次回明かされることになりそうだけど、
それこそが全ての発端に繋がるから更なる衝撃を呼びそうですね。
真実が全て正しいとは限らない。
ちょうど裏でダークナイトの放送とか見ていたりしたもんだから、
一層響くものがありました。