試される絆、審判の時 『BTOOOM!』 8巻

BTOOOM! 08 (BUNCH COMICS)

BTOOOM! 08 (BUNCH COMICS)

極悪医師、伊達の策略により窮地に立たされた坂本とヒミコ。
その頃、観測所で休息中の平さんは精神的限界による発狂寸前に追い込まれていた・・・

常にギリギリの戦いを強いられる極限バトルな本作も8巻目となり、
今までに出会った人たちとの関係や自身の在り方など、
色々な意味で大きな転換期を迎えることとなる今回。
信頼関係、絆、裏切り。
あらゆる想いが交錯する戦いは激しくも悲しくもあります。

平さん・・・あんた最高だったよ・・・
ストーリーもいよいよ折り返し地点ってこともあって非常に盛り上がりました。
毎回内容が濃密すぎて、まだ全参加者の半分しか登場してなかったり、
作中の時間軸では4日しか経ってないのが驚きですよ。
次回からは新展開になるみたいだけど、
以前にヒミコが坂本と出会うまでの話みたいに、
他の誰かの視点から見た話が展開されることになるのかな。
全然知らないところで殺し殺されしてるだろうし。
織田とか吉良とか何してるか気になりますしね。
しかしまさかアニメ化するとは思わなんだ。
(しかも製作がマッドハウス)
暴力描写にしても性的描写にしてもどこまで表現できるんだろう。
前者は四肢爆散とかモツパーティなんて出せるわけないし、
後者はヒミコ絡みでレイープシーンとかもっとヤバい。
確実に深夜放送だなー。
製作決定しただけで放送時期とかは全然不明だけど楽しみにしときますか。


生還への願望、一時の情。
今回は前半で伊達との勝負の決着とストレートに割り切れない情愛が、
後半ではずっと蔑ろにされていた平さんの心情の全てが、
好きか嫌いか二者択一の感情だけでは表せない葛藤が終始描かれていて、
単純に機械のように殺戮するのではない人間臭い感情が入り乱れています。
他人と触れ合うことを放棄したニートではお目にかかることなんてないですし、
それらを目の当たりにした坂本にとっても受けた衝撃と影響は大きい。
あれほど自らの手で伊達を殺すことに執着していた村崎さんからは、
恨みさえも打ち消してしまうほどの情愛を。

裏切り行為に出てまで最期の最期まで家族の身を案じ続けた平さんからは、
自分自身の人間関係におけるあり方を。
異なった形で「現実」を見せてくれたこの二人こそが、
今回の真の主役と言えるかもしれません。
特に平さんの最期は泣けた。

47話目の扉絵とかで幸せな家庭の図を見せられてしまうだけになおのこと。
1巻の頃からヒミコと同時期に登場していて、
ずっと殺伐とした世界観の本作における良心だっただけに・・・
意志の疎通を取ってもっと信頼関係を築いていれば、
こんなことにはならなかったんじゃないかと悔やんでも悔やみきれない。

こういうタイプの人ほど生き残れないとは現実とは非情です。


極限に追い詰められて固まる絆と壊れる絆。
戦えばやられることが多くて、
戦力的にはあまり役に立ってなかったりするヒミコですが、
今回ばかりは居なかったら坂本が死んでるほどの
窮地を脱するきっかけになったりしています。

それこそ自分の読みが外れていれば死んでたのは自分だったほどの分の悪い勝負。
前回みたいにおっぱゐでBIMを跳ね返すみたいなことじゃないですよ?
それだけ坂本のことを信頼していることに他ならず、
初登場時の警戒度MAXだった頃が嘘みたいです。
そろそろただのお色気担当から脱する時がやって来たのかな。
ふくれっ面とか違った可愛さを見せてくれたりはしてくれますが、
実際、今回はお色気方面の描写は無かったですからね。
と言うか、巻末予告を見る限り、もしかして次回は坂本とヒミコの「本番」シーン!?
坂本もせめてヒミコに対する気遣いの半分でも平さんに向けていれば・・・
平さん・・・