限られた命で彼女が得たものとは・・・ 『余命100コマ』

  • タイトル:余命100コマ
  • サークル:Happa

死神の手違いによって100コマ後に爆死宣告を受けてしまった少女・桃子。
抗うことの叶わぬ運命に直結することとなった彼女の運命とは・・・

生と死、青春と人生を僅かな制限の中で描き、
予想だにせぬ展開と結末へと向かう衝撃作が登場です。
一言で言うならすげぇわ。
コマ割の使い方ってものをフル活用していて、
中身もしっかりと一つの話として成立しているという奇跡のような代物。
壮大な起承転結には感動と衝撃を覚えましたよ。
あまりにも前衛的すぎるその内容は、
商業誌では決して為し得ない手法であるところがまたいい。
無駄にコマ数が多ければいいってものではない、
例え一枚絵でもストーリー性が伝わるものだってある。
4コマだってあれほどまでに世界が広がってるんだ、
ならば100コマで人生を語ることだってできるはずなんだ。
作り手側としても相当な冒険だろうに、
こういうことに積極的に挑めるのが同人誌のいいところですよね。


死の瞬間が訪れたかと思いきや・・・
始まった時点から既にカウントが開始されていて、
それは決して止まることなく無情なまでの勢いで進み、
漫画と言う媒体の情報量の多さを感じずにはいられないところ。
そしてついに最期の時がやって来たかと思いきや・・・

実はこの時点で本作はまだ折り返しだったりするんですね。
前半パートは普通の漫画だったのが後半は思いっきり本領発揮。
本作の制限上、当然非常にコマ数が少なくなるわけですが、
空白を時間の流れとして非常に上手く使ってるんですよ。
手法としては非常に面白い同人誌だからこそ成立するものであって、
商業視だったら手抜きだの乱丁だの言われてもおかしくないですし。
正直この後半は泣けました。
感動的な話からしっかりとオチを付けてくれるオマケ付き。
すごくいい話で感無量のまま最後のページを迎えたところで待ち受ける衝撃の結末。
かなり賛否両論ありそうな終わり方だけど、ありじゃないかな。
これは是非とも自身の目で確認してもらいたいです。
できることなら記憶をリセットして最初から読み直したいくらいですね。