春は心色づく季節 『俺の後輩がこんなに可愛いわけがない』 1巻

あの出会いから翌年の春を迎え、
一人の少女は「先輩」と進学後最初の挨拶を如何にするか、
鏡の前で何度もシミュレーションを繰り返していた。
そして新たな春が始まる・・・

タイトルが思いっきり原作準拠なこともあり、
まさに名は体を表しまくってますが、
俺妹の原作5巻を起点とした時系列を黒猫視点から眺めたスピンオフとなる本作。
完全な番外編ってわけではないので、
ある程度は原作知識があるとより一層楽しめるのは確かですが、
そうでなくてもラブコメとして十二分に楽しめる内容となっております。
特に原作は知らないけど黒猫というキャラは好きだという、
自分のような人にはもってこいですよ。
つい先日マックスファクトリーから
聖天使神猫のフィギュアが出たばかりってこともありますし、
最近の黒猫ラッシュはたまらんもんがありますわー。
時に痛く、時にあざとく、時に姉らしく、時に可愛らしく。
「黒猫」こと「五更瑠璃」の魅力に溢れる一作なのですよ。
帯書きによると俺妹のアニメ2期が決定したみたいですし、
とすると本作の時系列あたりがメインになるかもしれませんね。
というか、帯のコメントがよりにもよってマミさん・・・
中二病持ちとして真っ向から対峙できるキャラなんて他に居ないし、
この絶妙なチョイスをするあたりが俺妹イズムだなぁ。
なお、留学中なので桐乃の出番はありませんのであしからず。


視点を変えてみたら、見紛うことなきラブコメだった。
ぃゃ、原作未読組なので、このあたりが本編でどうなってるかは知りませんが、
本作単体で見たらラブコメ以外の何物でもありませんよ。
開幕からして京介に挨拶するためのリハーサルを繰り返し、
赤面したり自分と気付いてもらえるか不安になったり、
本番当日も待ち伏せして偶然を装ってみたりと、完全に恋する乙女です。

全編通して見ても赤らめてる場面は非常に多いですからね。
パピコ持ちながらときめくとか、
かなり変なシーンであることは間違いないのに、
一周回って逆にありだと思ってしまうのは黒猫というキャラ故でしょうか。
と、恋する乙女としての一面も見せつつも、
本領発揮とも言える中二病全開な場面も多々あるあたりがさすが。
進学直後はほとんどが知らない顔だから第一印象が大事なのに、
アレすぎる自己紹介されたら普通は引きますって。

尤も黒猫の場合、本名が一番中二病っぽいと思わなくもないですけどね。
かと思ったらプライベートではちゃんとお姉ちゃんしていて、
こんな一面も持ってるあたりが魅力です。
自己紹介でスベって友達できなかったけど妹を気遣って優しい嘘を吐いたり、
怖い夢を見て寝られない妹を安心させるために添い寝してあげたり、
ええ娘や・・・マジでええ娘や・・・

でも中扉では尻丸出しで明らかに「はいてない」です。


俺妹世界ならではのメタな話もパロもあり。
中盤で黒猫が漫画持ち込みをするきっかけとなる、
フェイトさんとの出会いがあるのですが、
このフェイトさんが会社を解雇された原因がTwitterって・・・
まぁ編集が新刊ネタバレしちゃいかんですよね。
作者と論争して炎上、アフィブログに取り上げられて拡大、
ありがちな話題ではあるけれど、
これがありがちと思ってしまう世の中って怖いですね。
Twitterがバカ発見器とは言ったものだわ。
確実に始末書ものではあるけれど、
実際出版社でこのレベルの問題で解雇されるかどうかは知りませんがね。
しかしそれ以上に誰もがツッコむであろう強烈なパロ描写が一発。
(現に他で見た感想はどこもツッコんでた)
部活勧誘の一幕で、黒猫に声をかけてきた部活動が「軽音部」。
しかも勧誘文句が「一緒にお茶しませんか」ときたもんだ。
見た目もまんまだし・・・

黒猫を澪代わりとして見るとあら不思議、メインメンバー四人が勢揃いじゃないか。
こんなところで俺妹とけいおん!の奇跡のコラボを目の当たりにしようとは思わなんだ。


黒猫なのに白猫とはこれいかに。
今回、通常版の他にも特装版が出ており、
そちらにはにいてんごの黒猫"白猫"フィギュアが付属しています。

こういうミニサイズだと場所も取らないし、
意外と安価だったりするしでフィギュア付きってのも主流になってきましたね。
で、肝心のフィギュアは値段分のクオリティは十分満たしてるかなと。
飾ったり撮影するには正面からではなくて、
左手側からの若干斜めなアングルがいい感じです。
帽子のリボンが見えるくらいだと引き立つなー。
ついでに先日発売したマックスファクトリーの聖天使神猫フィギュアとのツーショット。

腋天使可愛いよ腋天使。