最高金賞のラブコメタイムを貴方に 『あまあま』

あまあま

あまあま

中学時代から男と女のお付き合いをしている祐司と美咲。
この春より新たに高校生活がスタートすることとなり・・・
昨年11月にこの上無いほどの極上のニヤラブを描き、
空中錐揉み三回転半するほどに飛び上がらせてくれた7時間目の音符より4ヶ月。
新たに紡がれるはこれまた核兵器レベルの威力を有した、
素晴らしき悶絶をさせてくれる代物でした。

帯書きの時点からしモンドセレクションならぬ悶死セレクションと銘打ち、
ゴールドメダル確定と自信をもってお送りしているだけのことはあります。
付き合い始めるまでのプロセスを描くラブコメも最高ですが、
最初から付き合っている相思相愛ぶりを描くラブコメもまた最高。
ローリングと言う言葉で表すのであれば、
ローリングアタックに始まり、バーチカルローリングにバックステップローリング、
スーパーキャンセルでグランドシェイブローリングに
ダイレクトライトニングにライトニングキャノンボールと、
ベッドに某アマゾンの野生児ばりにフルセットで飛び込みたいほどですよ。
メインの話は当然のこと、別サイドから描いたもう一組の話も破壊力十二分で、
一体何処まで我々を悶死させれば気が済むと言うのだ!
しかも本作、カバーとその下とで表紙と裏表紙に仕掛けがしてあり、
片やしがみついて迫るようなエロチシズムすら感じる構図に、
片や共に手を取り合う極めて健全なお付き合いの構図に。
中身の本編読む前からしてこんなですから、
如何に強烈な内容かなんて想像に難くありませんて。
ある意味人の心を惑わす魔書にして禁書ですよこれは。
相変わらず「楽園」発の作品はツボる代物が多いわー。


本編が開始したと同時に実感する魔書っぷり。
物事には掴みってものが大切で、
それ如何によっては以降の印象が全く変わってしまうものです。
本作の場合、1コマ目からしていきなり「事後」から始まります。

ええ、始まったと思ったら終わっていたという、
一種のキングクリムゾン現象のような感覚さえ覚えますが、
掴みとしてこれほどまでにインパクト与えるのもそうそうありませんよ。
最近の中学生って随分と進んでるのね・・・
最初のページ見た瞬間にいきなり鼻血吹くかと思ったわ。
この美咲さんが見た目以上に凄まじいのですよ。
クーデレ気質なのは確かにイメージ通りではあるにせよ、
委員長系って感じではありません。
むしろSっ気のエロチシズム溢れるすごい娘です。
進学して制服がセーラー服ってことでスカーフ着用ということで、
さっそく頭の中では祐司の手を縛ったり目隠ししたりなんて想像を走らせるほど。

天然で鬼畜かぃ!
しかして学校では一転してクラスも違って関係をひた隠し。
この微妙な距離があるからこそ二人の時の過激さってものがあるんですね。
同じクラスだったら色々と難儀だろうなぁ。
無意識に視線で追ってしまったり、他の誰かと話してるのを見て嫉妬してしまったり。
今回のラストで二年になって本当に同じクラスになってしまう二人。
やべーよ、絶対やべーよ。
違うクラスのときですらこんだけヤバかったんだ、
ラブの嵐でクラスの中にテロが巻き起こるぞ!?
志村ー!後ろ後ろー!って状態で振り返ったらキスしちゃってるんだよきっと。


一方で展開される正統派の恋愛劇。
楽園本誌に掲載されている祐司と美咲の話が本編ではありますが、
番外編としてweb掲載されている高梨と神崎さんの話がこれまた強烈なんですよ。

むしろ個人的にはこっちの方が好きなくらい。
強いて言うなら話数が少ないのが残念ってところでしょうか。
ぃゃ、逆にこれが本編ばりに一冊にまとめられたら死んでしまう。
悶死と鼻血で失血死してしまう。
神崎さん可愛すぎてたまらない。
色んな点において本編と対照的だったりするのも特徴ですね。
中学生時代から既に付き合っていたのに対して、
好きになったクラスメイトへの告白から始まる展開。

違うクラスで関係を隠しているのに対して、
同じクラスで周りにモロバレのオープン化する関係性。
それでも共通しているのがどちらもラブラブであり、
見ているだけでご飯何杯でもいけてしまうってこと。
やっぱニヤラブ系のカップルは見ているだけで癒されるわー。
神崎さんと7時間目の音符のあずみさんのどちらか選べと問われたら、
本気で悩んで悩みすぎのストレスで倒れそうです。
だってどっちも好きすぎて選べないんだもん!
そんな神崎さんだけど、すごく正統派のヒロインってのがいいですね。
勿論高梨の妄想の中でまさにこれからいたそうとしている様子もまた・・・

こっちの二人も本編にきっちりと絡んできてくれているから、
とにかく終始眼福でたまりませんわー。