昼食時間の戦場は今日も平常運転中? 『激戦区・ツンぷに食堂』 3巻

激戦区・ツンぷに食堂 ? (バンブーコミックス)

激戦区・ツンぷに食堂 ? (バンブーコミックス)

数多の学生が大挙して押し寄せる学生食堂。
奇抜なメニューと奇想天外な接客で今日も大賑わいで・・・
学食という極めて限定された場所を舞台とし、
食事ネタの域を大股で越えまくったカオスなネタ満載な本作。
テンションの高さと相まってかなり好きだったのですが、
いよいよ今回にて完結です。
制服を着て校内潜伏、臨時教師のように普通に学校生活にまで話が飛び火もすれば、
季節に合わせて肝試し大会やハロウィンまで開催したりと、
食堂関係ない話や、実際にあったら面白そうな企画あり。
普通に美味しそうなメニューもあれば、
単純にゲテモノだろとツッコみたくなる代物もあり、
最初から最後までどんなネタが飛び出すかわからない闇鍋感がたまりません。
学食にしても社食にしても、人気メニューは時間との勝負だし、
席取りも苛烈を極める激戦区。

そんな戦場さながらの場所もこんな風に賑やかならば、
日常の中に一つの楽しみを見出せるかもしれませんね。


何もかもが美味しい時間?
さすがにメイン舞台が食堂なこともあって、
料理や食材に関するネタは非常に多いです。
冬の鍋物リクエストは見ているだけで食いたくなるし、
ハロウィンフェアでカボチャを器にした丼ものは見た目的にも楽しい。

学食ってこともあって大盛りネタも多いです。
が、基本はよくあるグルメものみたいに美味いものを食って云々ではなく、
奇想天外、たまに普通の代物に驚くパターンの方。
まともとは言ってもネタは思いっきり誇張されてますから、
本作に普通を求めてはいけません。
よくご飯を残してはいけない、米粒一つ一つに神様が宿っているとか、
ありふれた説教文句ですら実人間規模で数えてしまって
リアルに暑苦しい光景が繰り広げられたり。

八百万の神とまで言うくらいだから間違ってない、間違ってないんだけど・・・
おにぎりを売れば中身が不明のロシアンおにぎりで、
連邦の白いやつとか100万パワーの超人が入っていたり、
ついには料理提供すら放棄してカレーをセルフ販売したりとか、
どこからどこまでもフリーダム。

ぃゃ、カレーでセルフなのは福神漬けまでだと思うんだ。


食事以外は最後までカオスに。
今の時代だからこそ通用するネタもあれば、
普通にレトロなネタもあったりして幅が広いです。
生まれた世代の差によるジェネレーションギャップのところなんて、
何か色んな意味で泣けてきます。

さすがに三丁目の夕日な世界ではなかったけど、
少なくとも自分が小学生の頃は外でケンケンパとかやって遊んでる光景は
割と普通に目にした覚えがあるんですが今は絶滅危惧なんでしょうかね・・・
逆に新しいものと言えば前回同様にTwitterネタなんかがあったり。

今だからこそ普通に普及して通じてるけど、
これが10年もしたらそんなのもあったなんて懐かしネタになってるのかなと。
10年くらい前はICQでやり取りするのが普通だったのが、
いつの間にか聞かなくなりましたしね。
キャラの扱いも存在からしてネタとして使いまくり。
新キャラとして黒木先生とりるはさんの二人が登場するわけですが、
りるはさんの扱いがひどくて不憫なんてもんじゃありません。

今回割りと前半あたりで登場予告の新キャラとしてシルエットは出てくるんですよ。
それが実際に登場することなく引っ張り続け、
このまま出る出る詐欺状態で最後までシルエットのまま終わるんじゃないかと思った頃、
ようやく登場したかと思いきや既にラスト4話という罠。
話に馴染む間もなくほぼ出オチ状態ですよ。
七海さんと人気を二分しそうな存在だっただけに残念すぎる・・・
本当の意味での出オチは用務員のオッサンなんですがね。
どこからどう見ても某伊頭家の●作なんて名前が付いてるようにしか見えないわ。