明かされる謎、そして3reiへ・・・ 『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ！』 5巻

Ｆａｔｅ／ｋａｌｅｉｄ　ｌｉｎｅｒ　プリズマ）しろほし）イリヤ　ツヴァイ！　（５） (カドカワコミックスＡエース)

絶対的にして圧倒的な強さの「2枚目のアーチャー」から撤退を余儀なくされた一行。
何とか難を逃れたと思ったのも束の間の出来事で・・・
祝！アニメ化決定！
前回は都条例に真っ向から喧嘩売ってるかのような凄まじい内容で、
我々の度肝を抜いてくれたドラマCDに加えてねんぷちまで付いた
豪華仕様の限定版が出たと思ったら今度はアニメですよ。
ドラマCDのときのようなギャグ中心となるのか、
本編のようなガチバトルが展開されることになるのか、
そもそもTV放送なのかOVAなのかも不明な状態ではありますが、
今から既に超が付くほど期待大ですよ。
そういう意味ではプリティサミー然り、リリカルなのは然り、
順当にスピンオフ魔法少女ものとして進化してきてるなーと。
本作の場合はFateというビッグタイトルが根幹にあるにせよ、
過去に同じ道を歩んできたスピンオフ魔法少女もののように、
Fate本編を食ってしまうほどの盛り上がりを見せてくれたりなんてしないかな。
しかし居酒屋で串カツ食いながら作者本人にカミングアウトする担当編集さん容赦ねぇ。

ギャグ色も非常に強い本作としては逆にアリですけどね。
そんな本作ですが今回はギャグ成分は少なめに、
2wei編のクライマックスへと向かうバトル展開がほぼ全編で繰り広げられ、
意外なキャラの登場や明かされた謎、そして衝撃の結末と、
全力で駆け抜ける非常に熱い内容となっています。

一応今回で「2wei」としては終了ではありますが、
ストーリー自体はまさにこれからと言うところ。
次回以降の恐らく完結編となるであろう「3rei」がどんな展開を迎えることになるのか、
アニメ化の方共々これから一層目が離せません。

区切りとなるラストバトルは盛大に。
さあ踊れ。
無印のときもバーサーカーを倒すために共に闘い、
イリヤと美遊の間に確固たる友情が築かれる非常に熱い展開だったのですが、
今回はそれを遥かに凌ぐほどのラストバトルっぷりが繰り広げられています。
ずっとちょい役のサブキャラだったカレンに以外な出番が待ち受けていたり、
「2枚目のアーチャー」ことギル様も確かな意志を持った存在として受肉したり、
あらゆる点で劇的なシーンばかりが待ち受けているため、
話も完結に向かってることが実感としてわかるほど。
一種の獣みたいな存在と思っていたのが
会話できるほどの高い知能を持ち合わせた存在が登場するだの、
バトルも大詰めのところで主人公が新たな能力覚醒して更なる変身をするだの、
この手の「得体の知れない何か」と戦うストーリーのセオリーってものを
これでもかってくらいにしっかりと捉えてますね。

Fate本編で士郎も使っていたデタラメな強化まで繰り出して
ようやく対等に戦えるレベルってくらいの無茶までしてますから、
嗚呼これで本作も見納めなのかーなんてバトルを見てるときは思いましたさ。
それがこんな結末になろうなんて・・・
と、どこまでもクライマックスの今回ではありますが、
成分少なめでもきっちりとギャグシーンを挿入するあたりはさすがです。
カレンがhollow ataraxia本編でも着てたあの戦闘服で登場したら、
見事に『スカートはいてない』ネタを出してくれるんですからね。

こっちはまだ戦闘と戦闘のインターバルだからまだいいものの、
ギル様(しかもショタギル様)が受肉したときなんてマッパに加えてチ●コ握りときたもんだ。

ラスボスとの第二ラウンドが始まるかと思っていたら、
マッパのショタがイリヤにチ●コを握られていた。
何を言ってるかわからねーと思うが(以下略)状態ですよ。

私たちは、友達だから。
勿論真っ向から描かれるバトルシーンも見所ではありますが、
それと同じく目を離せないのがこれまで謎だった様々な真実が明かされたり、
何よりもイリヤと美遊の友情が描かれるも大きな魅力なのです。
2weiに入ってからどちらかと言うとかませの立ち位置が強くて、
若干目立ってない感がなきにしにもあらずだった美遊。
ここにきてストーリーの根本に携わる超重要な存在として、
一気にヒロイン化してくれましたよ。

しかも捕らわれのお姫様と言ってもいいくらいに。
うん、イリヤはヒーローとしてのポジションになってるから、
表現としても間違っては無いはず。
聖杯や並行世界など世界の概念もFate本編の設定を踏襲してきてますし、
まさに怒涛の勢いで激動しまくりですよ。
それでも助けようと奮闘するイリヤの姿、
全てが終わったかに見えた束の間の平穏で見せた絆。
実に美しい光景でした。

と、美遊の正体だけでも十分すぎるほどに衝撃的だったのに、
大団円を迎えるかと思った矢先に訪れた結末が・・・

一度読み終わってから表紙を見直すとゾクゾクします。
表紙でイリヤが涙している理由、
美遊と二人、互いの手を掴もうとするも引き離されているかのようにも見える構図。
一体二人の間に何が起こったのか・・・
衝撃のラストに括目せよ！って感じですね。