百合百合しい親善大使活動開始 『リコとハルと温泉とイルカ』 1巻
- 作者: ヒジキ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/11/26
- メディア: コミック
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母親の仕事の都合でひなびた温泉街で一人暮らすこととなったのだが・・・
年頃の女子高生たちがキャッキャウフフする百合な雰囲気も漂う本作。
何気ない日常のガールズトーク的なノリが繰り広げられつつ、
地方の温泉街が舞台であることによるローカルな雰囲気がたまりません。
こういう作品って東京或いはそれに近しい都会が舞台ってことが多くて、
休みになれば街に繰り出してショッピングだの何だのってパターンが主ですが、
街に出るにしても観光親善大使としてパンフレット製作やアピール活動と、
文字通り地元と密接に繋がった活動であることが逆に新鮮。
こういう街って泊まりに行ったりはしても、
実際に暮らすとなるとどんな感じなのかなって思うところがありますからね。
旅行に行った時に地元の学生とか学校とか見る機会があっても、
普段暮らしてる側からするとその街をどう思ってるかなんてわかりませんし。
バスは90分後、タクシーは運転手が居眠り。
交通の不便さもまたスローライフなローカル臭を漂わせてます。
のんびりした空気の中で繰り広げられるソフト百合。
ちょっぴり変態な娘たちの掛け合いはこれからも要注目なのです。
地方ののんびりした空気は、熟成された変態たちのホームグラウンド。
リコを除くメインキャラが揃いも揃って何かがおかしいんです。
みんな初登場シーンではまともなのかと思いきや、
馴染んできて本性が出てくると揃いも揃って変なところを出しまくり。
もう一人の主人公とも言うべきハルだって、
最初は普通にハイテンションなキャラってくらいの印象なんですよ。
が、一話目の終わりの頃には既に認識が変態に変わっていると言う。
露天風呂に対する観点、間違ってはないかもしれないけども、
ドヤ顔で言うことではありません。
『野外露出プレイをするくらいの覚悟』って・・・
わけがわからないよ。
まぁ確かに入ると丸見えな露天風呂なんて割りとありますけどね。
塩原の不動の湯は箒川を挟んだ反対側から思いっきり見えるし、
修善寺の独鈷の湯(現在は入浴禁止)なんて温泉街のど真ん中にあるし。
そもそも原初の人類は裸です。
でも現代でその理屈はおかしい。
裸についてのこの一言だけでも十分すぎるほど変態なのに、
出会いのシーンから終始興奮しすぎて鼻血まで出すときたもんだ。
口元から涎出しながらハァハァしてる場面もあるし、ガチか!?
その様子を『仲がいい』とか『にぎやか』で済ますハルの両親寛容すぎだろと。
海に面してないし、温泉街だけどイルカ部です。
単純に部活の名前を聞いただけだとイルカがやってくる海の町なんて、
そんなイメージを抱いてしまいそうではあるのですが、
ここで言うイルカは海のイルカではなくて、
街の名前『伊流川』に由来するものなので関連性は全くありません。
聞いただけだと活動内容も全く想像できないこの部活。
町名の言葉遊びなネーミングが逆に地域アピール活動を際立たせてたりしますね。
ストレートな名前じゃイメージが固くなってしまうところをうまく緩和してますよ。
こういう田舎だけど観光アピールできるものがある町で、
地元に密着した活動って何かいいなぁ。
積極的に貢献したいと思わないけどどこかで地元愛ってものを持っていると、
少なからず響くものがあります。
しかし所属部員はやっぱり変態。
部長がハルって時点からして変人が集うフラグは全力で漂ってるのですが、
いざ星野姉妹が出てきたら案の定だよ!
やっぱり最初はまともな感じがするんですよね。
姉の茜は引っ込み思案キャラと見せかけて、
本性発揮したらイメージが180度変わりやがります。
もじもじしてたそのキャラは性格じゃなくて好きな人を前にしたときのそれか!
腹黒な上にガチ百合、しかも双子って濃いなー。
妹の葵は全体的に通してみれば比較的まともなキャラではあります。
が、実は逆境になれば燃えるドMときたもんだ。
のんびりした環境で育った結果がこれだよ。
リコも早くもツッコミ役として覚醒しつつあるし、
スローライフっていいものですね。