マイナースポーツ最強王座決定戦開幕! 『カバディ7』 2巻

映画化による知名度向上を目指し我こそはと名乗りを上げるマイナースポーツ勢。
超展開によって、あれよと言う間に栄光の座を争うカバディ甲子園が開幕し・・・
名前だけは知られているけどルールまで知ってる人はあまりいない。
そんなニッチなスポーツの筆頭とも言えるカバディを題材にした、
否、してしまった本作についに2巻目が登場です。
ぶっ飛んだギャグと超展開はマイナーとかそういう次元じゃない凄まじさで、
実際のルールもかなり特殊なカバディと言うスポーツに負けない濃さを放っていて、
一目見たら忘れられないインパクトは相変わらず。
そんな展開において如何なスポーツであるかをルールもニッチさも含め、
綿密に解説してくれていた前回を理論編とすれば、
大会開幕によって本格的に試合が繰り広げられる今回は実践編。
しっかりとスポーツとしての側面もあり、
格闘技にも近い激しいぶつかり合いもあって、
ちゃんと熱血スポコンしてくれてました。

ぃゃ、ただのネタ作品じゃなくて普通に燃えますよこれは。


掴むは栄光か、それとも敗者の烙印か。
まさかカバディでこんなにも熱くなれるなんて思いもしませんでした。
作中に出てくる競技こそマイナーなものばかりではあるものの、
だからつまらない競技だなんて誰が決めた!と言わんばかり。
一見するとミスマッチとも思える競技の意外なほどの相性の良さは、
有無を言わさず納得させてしまう説得力ってものがありますし。
確かにギャグ要素も多分に含まれてはいます。
が、それでもやっぱり熱いんですよ。
毎試合がギリギリの勝利で接線ばかりですし、
メンバー脱落によって生じた穴を埋める助っ人の登場もあったり、
新ライバルの登場や、相手チームにも背負った宿命もありと、
バトルものさながらの展開はひたすら燃えます。
一方的な勘違いではあるにせよ、
正体を偽ってまさかの助っ人として参戦する生徒会長マジで格好いいわー。

逆に主人公勢のひたすらに格好悪いこと・・・
この手のスポーツものって、主人公勢がイケメン揃いだったりすることが多いけど、
全くその法則が当てはまってません。
変態妄想プレイに慢心による狼から豚への凋落。
ぃゃーこの醜いことったらもう。
相手チームの方を応援したくなってくるなんて相当なもんですよ。
特に権田原の役立たずっぷりといったらもう・・・
大会に潜んでいたまさかのもう一つのカバディ部『ハヌマーンJr』の連中が、
こっちの方が実は主人公なんじゃね?ってくらいの超さわやかキャラってこともありますからね。

動機は不純ながらも不良から更正を果たした男子ラクロス部
八百長問題の十字架を背に戦う相撲部と、他のライバルたちも全体的に熱すぎだし。

しかしこの主人公サイドの格好悪さこそが燃える展開の最大要素なのかもしれません。
とことん最低を極めているからこそ、のし上がる描写が光るってもんです。


どこまでいってもマイナーはマイナー、ギャグはギャグ。
試合自体の描写は全体的にバトルものさながらの熱さながら、
同時にギャグとしての描写もかなり強烈なものがあります。
開会式の選手入場はK-1風だし、
存在自体が謎すぎる協会会長のおっさんはダルシムと張り合えそうなヨガの使い手。

と言うか、この会長が使ってるヨガって、
ヨガはヨガでもラーマヨガだったりするんじゃね?と。
あるいは晏逅寺軟體拳(アマルナの黄昏)あたり。
怪我治療のマッサージはホモっぽいし、
裏表紙も宇宙を背景にした会長だし、このおっさん濃すぎだろ。
さすがインド、恐るべし・・・
毎回出てくる名言とかも当初は高杉晋作とか偉人からの引用だったのも、
段々おかしな方向に向かってきてるし、どこまで暴走すれば気が済むんだろうか。
いきなり長州の墓に糞発言って・・・
明らかに引用元がおかしすぎます。
それは名言じゃなくてむしろ迷言。
何よりも、まさかの中川翔子の発言まで引用されるとは思わなんだ。

地味に本当に名言だし。