もう一人の「S」現る!? 『RATMAN』 9巻

最大のライバル・アンカイザーの挑戦によって一躍有名となってしまったラットマン。
そんな中、Sの因子を持つもう一人のヒーローが登場し・・・
真のヒーローとは、正義とは何か。
悪とは一体何なのか。
ただの勧善懲悪ではない、ヒーローバトルの本作。
いよいよ次で巻数も二桁に突入のロングヒットとなり、
新キャラも含めて終始繰り広げられる熱い展開からは目が離せません。

今後重要なポジションを担いそうな二人の新キャラ・イスカと九条さん。
どちらも非常に特徴的なキャラなので、
終盤に向かいつつある展開においてレギュラーポジションになるのでしょうか。
最近ではヒーローものと言えば、
タイガー&バニーが非常に盛り上がったのが記憶に新しく、
ローカルでも琉神マブヤーが全国展開を開始したりと、
子供の憧れだけではない存在となりつつあります。
そんな中だからこそ声を大にして言いたい。
『タイバニが好きならとりあえず読め!』
企業とタイアップしたヒーローと言う設定は本作が何年も前に通った道。
純粋にヒーローものとして非常に熱いですから、
きっとどこかしら心に響くものがあるのではないかと。
今回帯はアニメ放送中の未来日記えすのサカエ氏が書かれてますし、
カバー下でも由乃がゲスト登場してたりと、本編以外でも必見です。


もう一人の『Sの因子』ことイスカは携帯電話会社のヒーローと言う事もあって、
スマホのアプリを使った技の数々で魅せてくれます。

攻撃に防御に偵察に移動に。
空を飛べるアプリとか便利だなー。
そりゃこんな万能っぷりを見せ付けられたらスマホが欲しくなりますよ。
あのビッグウェーブさんも推奨するだけあって、話題性は折り紙付きか!?
(実際はスマホって使う人次第ですけどね)
使う技以上に気になるのがその行動。
今回の騒動の黒幕として暗躍する目的も不明なまま。

修斗とは絶対に会ってはいけない存在にも感じられますし、
邂逅してしまったとき、『Sの因子』同士何が起こってしまうのでしょうか。
直接対決することになると思われる次回が今から待ち遠しいところです。


CM効果で爆発的に普及したスマホ、そのアプリが発端となる騒動ってところが、
現代のリアルタイムな時期柄をよく表していたり。
飛躍的にヒーローの能力を増幅させる禁断のアプリ。
使用者が続々と暴走して街中で暴れ回り、始まるヒーローVSヒーローの大混戦。
そのアプリ使用者の中には、日常パート側のキャラだったビッグホーンの姿もあり・・・

向かい合いに店を構えるジャンクフードのライバル店として、
何度となくギャグ編の中で対決してきていたキャラが、
こうして本編に巻き込まれてきたときのショックは意外にも大きいです。
気丈に振舞いながらも悩みを持っていて誰にも打ち明けられず、
禁断のアプリに手を出してしまった末の暴走。
強さを求める者にとって、マーケット経由でアプリが簡単に手に入るってのも、
僅かな心の弱みから生ずる歪みの怖さってものがありますね。
そこで見せたファットマンの友情がまた熱いんですよ。

確かに商売敵ではあるけれども、それ以上に戦友としての意識が芽生え、
いつの間にかそれは友情の域にまで達していたとか熱すぎだろ。
ヴィジュアルはメタボそのものでも、
必死の説得をしながら戦う姿は最高に格好いいのです。


そしてもう一人の新キャラである九条さんですが、
ここにきて第三のヒロイン登場か!?ってくらいのポテンシャルを秘めてます。
さっそく表紙を飾ってくれてたりしますしね。
既にストーリーが終盤に差し掛かりつつあって、登場が遅すぎたのが難点ですか。
変身後は姿も天女をイメージした羽衣姿で、
神秘的な雰囲気を漂わせつつも、変なところが露出してる際どさがあって、
ちゃんと着込んでいるにも拘らず、何かエロスめいたものを感じさせます。
パンツ丸見えですし、イスカが命名した通称も『パンツの天女』。
何ですかこの心の琴線に触れまくりの超ツボなヒロインは!
眼帯にオッドアイと、邪気眼要素を全力で持ってるってのがまた。

巻末の番外編で思いっきりツッコまれてたりして、
中二病共々言葉の意味を知らないもんだから、
素のリアクションをかましてしまうあたりが天然っぽくていいんですよ。
茶の間でせんべい食いながらイスカのことを勘繰るシーンも、
真面目なはずのシーンなのに緊張感のなさが更に天然さを際立たせてたり。
それでもって中二病の意味を知ったときのリアクションが、
恥ずかしさで全力でこの赤面である。

今までのヒロイン二人とは何だったのかってくらい、可愛すぎてヤバいわ。
ひんぬーってところもツボりすぎてて、もうこのまま正ヒロインでいいんじゃないかってくらい。
しかし既存ヒロインだって負けてません。
水島さんはスマホアプリのゲームに夢中になってしまうお茶目さを見せてくれたり、
何と言っても、梨緒先輩が・・・
前回ヒーロー協会会長の父親との対決で己を認めさせ、
これまでの憧れる側としてではなく、一人のヒーローとして今回ついに・・・

うん、猫耳とは想像以上に恥ずかしかった!