文豪現代化?いいえラブコメです 『太宰治な文学少女は川端康成を敵視する。』

同姓同名でも国語の成績が芳しくない少年・川端康成
後ろの席の太宰治好きな文学少女・津嶋さんのことが気になるようだが・・・

当時芥川賞にまつわるエピソードで大論争を繰り広げたことで、
太宰治川端康成の仲が相当に悪かったことをはじめて知ったのですが、
それを現代風のラブコメシチュエーションに置き換えてみたら、
素敵なまでのニヤラブとなりました。


たった8ページのショート作品ながら、
起承転結がはっきりしていて実によくまとまってます。
太宰治が抗議文として宛てた手紙と同タイトルで記したラブレターは、
すぐ近くにいるのに口では言えない不器用さがあってたまりませんね。

原稿用紙を渡す前の会話も内容を見返すと、
禁止ワードに触れられて怒っていた筈の会話内容が
いつの間にか好きって気持ちが前面に押し出されてるのがわかるし。
表紙の一文だって要は告白分ですからね。
放課後ずっと本を読んでいるのも、
少しでも一緒にいたいからだったりするのかななんて、
想像してみるとすごい悶絶ものですよ。