身近なものだからこそのインパクト 『こんびに☆』 1巻

こんびに☆1 (マイクロマガジン☆コミックス)

こんびに☆1 (マイクロマガジン☆コミックス)

どこかの街のとあるコンビニ『七拾壱』。
今日も店員たちやライバル店の面々が騒動を引き起こす・・・

日常生活の必需品になりつつあるほど身近なものとして浸透したコンビニ。
身近すぎるから故か、昨今の擬人化ブームの中において、
ありそうでなかったコンビニ擬人化が登場です。
一見するとまた平仮名四文字タイトルの萌え系作品かと思ってしまいそうなのですが、
その実かなり野郎率が高かったり異様にネタが濃かったり、
一癖も二癖もある面々のバイオレンスな体当たりネタもありと、
なかなかにインパクトの強いギャグ盛り沢山でした。

表紙だけで判断すると思わぬカウンターを食らうことになる好例のような作品ですよ。
さすがに魔法少女をやってるどこぞの厚志さんほどの衝撃はないにせよ、
確かに筋肉成分も存在してますから、少なくとも萌え作品でないことだけは明言できます。
簡単な内容紹介は裏表紙でも書かれていますが、まさにその通りな内容と言いましょうか。
何はともあれすごいギャグであることだけは確かです。


個性豊かながらもボケとツッコミが混在する男性陣。
表紙が見た目ょぅι"ょなので、そういう内容を想像するのは大きなミステイク。
実際のところは男女比で見ても男キャラの方が多いです。
(むしろ女キャラは二人だけ)
一応メインの舞台が『七拾壱』と言う事もあって、
セブンイレブン擬人化のたまに頭身と胸がデカくなるロリババアのななこさんが
圧倒的に登場頻度が高いので、そこまで男臭さは感じないですけどね。
キャラ付けもボケ担当のマッチョ親父、天然草食系、ツッコミ役のバイトオタ学生、
電波ショタと列挙しただけでもとにかく個性がひたすらに濃い。
個性が強烈な分、人によっては好みが分かれるところがあるかもしれませんが、
全体的にキャラに嫌味がないので好感触です。
野郎キャラがいい感じの作品は普通に内容もいい感じであると。
しかし世の中は残酷なもので、人気は圧倒的に女性陣に固まってしまう罠。
先日のサイン会リクエスト数を見てみてもそのあたりは如実に出ていたようです。
作者曰く、『みんなロリに甘い!』とのこと。
世の真理を表す名言ですね。
そんな本作の女性キャラはある意味男性陣よりも個性が強烈。
先述のななこさんは全キャラ中最年長で時折大人サイズになって、
得物に釘バットをちらつかせるバイオレンスな一面も覗かせてくれてます。
そしてもう一人が個人的には最も好きな小夜ちゃん。
擬人化元のコンビニはampmってこともあって、午前と午後とを表す双子の片割れなのですが、
この双子、設定からして毒舌電波って立ちどころなので、色々とキてるものがあります。
しかも妹の方は兄よりも圧倒的に黒いこともあって・・・
うん、無表情でさらっと黒いことを言うキャラは魅かれるなー。
普通にキャラ的にも好きだと思っていた中、
小夜好きを決定付けたのが、決算期で『おめかし』したときでした。

普段三つ編みの髪を唯一下ろしたそのシーンは一発でしたね。
ロリが嫌いなロリコンなどいません!
小夜ちゃんにだったら2月のあの行事にチョコじゃなくてちんすこうを渡されても喜ぶわ。


ネタの幅は非常にピンキリまでを扱ってます。
コンビニならではの商品に関するネタもあれば、
パロ要素も多分に含まれ、筋肉とかバイオレンス成分もそこそこに。
段々あれ?これってコンビニ漫画だったっけ?と首を傾げること請け合いです。
全体的には店そのものの業務内容云々と言うよりも、
店員たちの騒がしい日常と言った方がしっくりくるかな。
商品ネタもたまーにどこかがやらかした商品を出したときのやつとかあったりして。
今回の内容を見ると何気にファミリーマートって独自性が強いなー。
俺のスイーツシリーズとかはいいとして、
見た目が真っ黒な黒チキンとか、ヴィジュアルがかなりエグいピラメキーノぱんだまんとか・・・

まぁ、地元の駅前にある関係で一番利用してるのがファミリーマートだったりしますけども。
パロの方面も懐かしいものからごく最近のものまで。
チャイルド・プレイだの、家なき子だの出てきたかと思えば、
どう見ても某インキュベーターにしか見えないGOTが出てきたり。

こいつで発注すると見返りが怖すぎる・・・
しかし何と言っても本作中で最強の濃いネタは筋肉ネタでしょう。
提携業者ってことで、数少ないマスコット的存在で黒ネコヤマトをモチーフにした、
黒猫のキャラが出てきたりして、普通に可愛いキャラだと思っていたら、
再登場した姿が・・・

マッチョ・・・だと・・・
筋肉的な意味でここまでの衝撃を受けたのはどこぞの厚志さん以来ですよ。
カバー下に至っては完全に筋肉祭りが絶賛開催中なので、
その手のものに耐性がない方は覚悟の上でご覧ください。