2011年文月東北旅行記2日目-3日目〜幼い身空で鬼面の男衆にさらわれそうになれば普通はトラウマ的な衝撃を植え付けられてしまうもの

1日目分から少し間が開きましたが、
東北遠征2日目〜3日目分を。
前日散々硫黄泉に浸かってそろそろ身体が硫黄臭くなってくるくらいにまでなった二日目。
本来ならば宿のすぐ近くにある登山口から栗駒山を登山する予定となっていたのですが、
奇しくもこの日の山の上の天候は雨。
一時は晴れ間なども見られたものの、朝食と朝風呂とを隔てても止むことはなく、
さすがにこんな状態で山に登ることはできないねと、仕方ないので予定変更。
秋田観光をすることと相成りました。
いずれにせよ、1日目の宿と2日目の宿は山の上と下くらいの位置関係で、
車で1時間もかからない距離にあるので多少の遠出などものともしません。
ちなみにこの旅行期間、台風6号が来ていることもあって、
かなり天候も危惧されていたのは正直ありました。
が、ルート自体も南に逸れたこともあって関東からして影響は少なかったこともありましたから、
当然のように東北は台風の影響など皆無でした。
おお、大怪獣マーゴンは本土を避けて撤退した!
ぃゃ、今回の台風6号に付けられてた『マーゴン』って名前、
正直怪獣みたいな名前だなーと常々思ってましてね。


ほどなくして車は山を降り、山の上とはうって変わっての晴天に驚愕しつつも、
高速へと乗り込んでひたすらに北上コース。
東北って南北に距離が長いですからね。
100kmほど北上したところで高速を降り、到着したのは男鹿半島
まずは寒風山へと登って景色を一望することに。

やはり半島なだけあって、前も後ろも海って景色は壮観ですね。
天気も良かったので、それによるところも大きかったです。
全方向を見渡せる回転展望台なんてのもあったのだけれど、
こちらは有料だったので特に中には入らず。
一つのゆるキャラっぽいなまはげをイメージした石像なんかもありました。


下山してからはまた半島内をひた進み、到着したのがなまはげ館。
秋田と聞いていの一番にイメージされるなまはげの資料館らしいです。
中には地域の民話的なものとか、衣装のレプリカがあって実際に着られたりなんかも。
一番目を引いたのが一番奥にあった各地のなまはげ勢揃い。

鬼の面もいろいろとタイプが違ったり手に持ってる得物も
一般的なイメージの包丁もあれば、素手もあるし、
お払い棒のデカいやつっぽいのもあり。
どうやら同じ秋田でも地域によって装備とか祭礼のルールも違うようで。
で、この勢揃いしている場所はちょっとした仕掛けがあって、
だいたい5分おきくらいにフロアが暗転、
『ぉぉぉぉぉおおおおお!!!』
と地の底から響き渡るような声が轟いて、ちょっとした疑似体験ができたり。

ぁー、これは小さい子供がいたら泣くわー。
シアター状になっているところで実際になまはげの行事を執り行う一日を追った
ドキュメンタリー映像を流していたりもしたのだけれど、
この中で出演してる子供のガチ泣きっぷりも相当キてたしなー。
ぃゃ、あまりのガチ泣きっぷりに見てて笑っちゃいましたが、
実際こんなんが毎年年の瀬に来たらそりゃトラウマにもなるってもんだわ。
外にはなまはげの玉とか言われても全く理解できない前衛芸術があったけど、
うん、芸術ってのは理解されないものですね。

そういや、秋田のローカルヒーロー超神ネイガーなまはげをイメージしたキャラでしたっけ。


なまはげ館を出て、ここいらで折り返して戻ったくらいで時間的にちょうどいいと、
もと来た道を引き返し引き返し、当初降りてきた山の麓あたりまで。
ここいらで再び携帯電波圏外エリアとなって音信が途絶える。
で、到着した二日目の宿。

これはまた随分と趣のある。
前日もそうだったけど、今回のコンセプトは秘湯を巡る旅なんですかね?

デカい温泉街があるような地方でもないから、
必然的にこじんまりとした規模となってしまうのかもしれませんが。
この日の宿は前日と比べて大きく違うところが二つ。
それはテレビが地デジ対応済みのワイド画面だったことと、エアコンが付いてたこと。
前者は岩手ってこともあるから、直近で急ぐ必要もないってこともあるのかな。
後者も今回の宿に限ったことではなく、山の上って基本涼しいことが多いから、
暖房はあっても冷房がないってことが多いです。
逆に、共通してたのが冷蔵庫が付いてなかったこと。
ビールが冷やせないから、家から持ってきた分が無駄になっちまいますねぇ・・・
自販機はあるので酒が飲めないわけでもないので、そこまで致命的でもないですが。
と言う事で、さっそく着替えて目玉の露天風呂へと向かうことに。
やや傾斜のある連絡通路を降りて脱衣所へ。
いざ入ってみると、当の露天風呂・・・だと・・・!?
ぃゃ、確かに普通に露天風呂として岩作りの浴槽も複数あります。
が、目玉の露天風呂ってぇのが、川・・・ですね。

うん、川です。
川が目の前にあるとか、そういう見せ掛けだけのものじゃなくて、
本当に川そのものに入浴します。
源泉が90℃以上と非常に高温なので、こうして川の水と混ぜ合わせている様子。
とは言っても、それでもかなり熱いことに変わりはなく、
川底の砂利とか深く踏み込んでしまうと火傷しそうなくらい。
さすがにこっちに長時間浸かることはできなかったので、メインは岩風呂でした。
ついでに蒸し風呂もあったのだけれども、これがまた通常のサウナ風呂とはちと違う。
普通、サウナ風呂はストーブみたいなもので火を炊いて室温を100℃近くまで熱するから、
部屋の中は乾燥してるし、入ってから汗が吹き出すまでも10分近く時間がかかります。
一転してここの蒸し風呂は前述の通り源泉が90℃以上の高温であることを利用して、
その蒸気を用いた地熱式なので湿気も高く、5分と経たずに汗だくに。
うん、こりゃあ効率いいわー。
温泉に来てまでサウナとか入るなんて滅多にないんだけど、
この蒸し風呂は別物で3〜4回は入ったかもしれんです。
ついでに内風呂にも入って頭と身体も洗って部屋にリターン。
風呂でも飲んでたんですが、部屋でも当然飲みます。


そこからはしばしまったりして夕方も過ぎたくらいでもっかい入浴。
そういや宿の廊下にデカいスズメバチの巣が飾られてましたが、
今でこそ撤去後のそれだからいいとして、
本当に巣として機能してたらかなり洒落になってないぞこれ・・・

そして夕食は山菜を中心とした健康志向。

ワラビにジュンサイにコゴミにノビルに・・・
あとはみなせ牛の刺身が美味かった。
最近汚染牛とか問題になってるけど、BSEのときだった平然と焼肉食ってたからなー。
さすがにこの日は前日みたいなウザいクレーマーもいなくて平和な夜でした。
(むしろいない方が普通なんだけど)
食後はひたすら風呂に入って横になってgdgdして、気付いたら寝てた感じですか。
そうして二日目の夜が過ぎてゆくのでした。


気付けばあっという間に来てしまった三日目。

さすがに岩手とか秋田とかは関東からもかなり遠いですから、
二泊と言わずもう一泊なんて話も途中で出ていたのですが、
翌日にエアコンの修理が来るだの何だのあって、
結局予定通り二泊で帰ることに。
何はともあれ前日雨で断念した栗駒山へと行ってみる。
どちらにしても高速は山を挟んだ一関から乗るので、
一日目に泊まったところは通るんですよね。
結果としては思い切り晴天。
この日は関東でもそうだったけど、台風一過の影響か、かなり涼しかった。
むしろ山の上は寒かった。
だのに両親はどちらも長袖用意してるのに、
ウチの分はないから一人だけ半袖で登る羽目になったという鬼畜仕様。
まぁ気温もそうだし、風も強かったので、
累計2km弱程度歩いただけで終了でしたけど。
とは言うものの、途中の景色はなかなかのもの。
見返りヶ原と言うところに出てみれば、これまた広大な湿原(?)で。
周りに遮蔽物が何一つないので、とにかく風の煽りがすごかった。

某鉄骨平均台では風が吹く幻覚とか出ていたけれど、
こっちは本当に吹き荒ぶ状態だったから、アレの高さだったら速攻落ちてるわ。
小山を一つ超えた先には賽の堰と一転して殺風景な光景に。
ここから先に上ると硫黄泉のガスが噴出するところなんかもあったようですが、
さすがにそこまでは行かずに引き返し。
そこからは昼も摂らずにトイレ休憩を挟んだ程度で一気に高速をひた走り。
夕刻に差し掛かる少し前くらいの時間に帰宅と相成りました。
ぃゃー、自分で運転してないにしても、
5時間も6時間もずっと車の中ってのは疲れるわー。