天使のお仕事はゲームプレイ!? 『ピコッとハニエル』 1巻

ピコッとハニエル1 (マイクロマガジン☆コミックス)

ピコッとハニエル1 (マイクロマガジン☆コミックス)

上級天使へ昇格するための最終試験を受けることになった下級天使のハニエル
人間を幸せにすると言う試験に降り立った対象の相手はガチゲーマーだった・・・

天使とか神様とかが試練で人間界にやって来て同居する作品は数あれど、
非常にディープなゲームネタと絡めたシュールな組み合わせが
異色ながらも独特の味を醸し出している本作。
ゆるいながらも濃く、双方の特色をうまく組み合わせていることで、
ゲーム好きにも可愛いキャラ好きにも楽しめる仕様となっております。

なお、ゲームネタが主軸であると同時に主人公の名前はハニエルなわけですが、
スピキュールでうおおおおおぉー!あっちぃぃぃぃぃー!な漢と一緒に出てきて
いつの間にかやられている影の薄いおっさんとは一切関係ありませんのであしからず。
作者が名古屋方面の人なので、地味に地元ネタなんかもあったりしますね。
向こうでは喫茶店のモーニングが色々付いてくるってのは聞いたことがあるけど、
関東民にしてはやっぱり馴染みのない話だったり。
と言うか、更に茶碗蒸しまで出てくるとか凄いな岐阜。


妥協のないゲームネタの濃さは言わずもがな。
出し抜けにファミリートレーナーたけし城をプレイさせたり、
メガジェットでソニックをプレイさせたり、前提からしてぶっ飛んでます。
しかも特定のメーカーの特定機種に縛られることもなく、
FCやDSは当然のこと、MDや電子ゲーム機器、
当時のゲーム漫画にありがちなことに至るまで実に幅広い。
実に任天堂セガ愛に溢れてますね。
ただゲームをプレイしているだけではなく、
ソフトの収納テクニックについても触れていたりするので、
昔のカセットROMが大量にむき出しの状態で置いてある人にいいかもしれません。

生活の知恵ってものは応用力がすごいです。
そもそも本作の作者が、ゲームそのもの以上にハード自体についての語りが
恐ろしいまでの領域に到達しているエッセイ作品ゆのみみっくすも描かれていた
久松ゆのみ氏と言う事もあって、マニアックさは保障済みです。
作中に出てくるこれらのネタの大多数は実体験らしいですからねぇ。
ゲーマーの世界は非常に深くて果てしない・・・


ゲームものである故の超人ゲーマーっぷりもまた魅力。
ハニエルの適応っぷりがとんでもないことになってます。
下界に下りてきてからはじめてに触れると言うのに、
気が付けばあらゆる話題やネタ振りに自然と応用してしまえるほどのゲーム脳

真夏の時期にやって来てクリスマスとかの頃にこんなになってますから、
一日二十四時間中どれだけ英才教育施されてんですかぃ。

知識吸収力の高さはさすがドラ美をして完璧超人と言わしめただけのことはあります。
そこまでの知識を叩き込んだルイもまた恐ろしい人物。
高橋名人よろしく16連射でスイカを叩き割るって・・・

同系統のゲームネタを扱った作品であるれとろげ。もそうだったのだけれど、
どうにもこの眠そうな半目キャラに弱い自分です。