選ぶは妄想かリア充か 『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』 1巻

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu! (1) (ファミ通クリアコミックス)

CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu! (1) (ファミ通クリアコミックス)

渋谷の街を崩壊させたニュージェネ事件を解決し、
目覚めた拓巳の目の前に現れたのは、大好きだったアニメのヒロインだったが・・・
CHAOS;HEADの続編である同タイトルのコミカライズとなる本作。
GUNPの両氏によって描かれた世界はお色気とバトル、
そして少々(?)のパロを交えて魅力的に描かれていました。

続編ってこともあって、未プレイの身にとっては多少戸惑うことはあれど、
前作の設定はあくまで過程としての背景を説明する程度に留めているため、
本作からでも『大丈夫だ、問題ない』です。
自らの妄想の世界の中、能力が使えなくなった主人公と、
それを救おうと戦い、時として積極的なアプローチを仕掛けてくるヒロイン達。
意図が読めず、もの憂げな表情を浮かべる妄想の産物。

拓巳のために争ってるとも言える様相は、
妄想に生きるにしても、リア充に生きるにしても、
羨ましすぎるぜこんちくしょうな感じです。

ハーレム状況の中で繰り広げられるバトルは意外と重い設定と背景は備えているものの、
重さを感じさせずに手軽に楽しめるようになっているので、
原作への興味を持たせるには絶大なアピール力を誇ってますね。


当社比何割増しかわからないけど、とにかくお色気増量でお送りいたします。
今回本作を手掛けているGUNP両氏の作品は、
百合描写や悶絶もののラブコメ描写を得意とする一般向けを主として活動されていますが、
本作は健全な中学生あたりが喜びそうなお色気が満載。

上着をはだけさせて胸元が見えている様子だとか、
服が破けて下着がチラ見できてしまうような風になってしまったりとか、
決して露骨に裸になったりはしないけれど、
こういう描写の方が逆にエロチシズムを掻き立てられてドキドキしてしまうもんなんですよ。
ええ、そういうもんなんです。
個人的には裸ってのは風呂場でなるものだと思ってるので、
お色気シーンで全裸ってのは逆に引いてしまうことが多かったりするんですよね。
そういう意味では直球ストライクでくるものがあります。
特に七海が下着姿で迫ってくるシーンはヤバかった。

何と言うか黒ストフェチにはたまらんものがありますね。
競泳水着と黒ストに対してはフェチであると半ば公言してる自分ですからなおのこと。
下着が黒スト越しに透けて見えるとか、
読んでる側の方が妄想の世界に取り込まれそうになりますわ。
こういう運命石の扉なら悪くない。


お色気もバトルもある中、何気に多いパロ表現の数々。

序章のほんの数ページからして、出るわ出るわのネタ発言オンパレード。
素数を数え〜から始まり、なん…だと…もあれば逃げちゃダメだもあり。

開幕から飛ばしすぎて本当に大丈夫かと心配になるくらいです。
さすがに本編はそこまで飛ばしてはいないものの、
やはり所々に出てくるネタに思わずニヤリとしてしまいますね。
巻末おまけに付けられた本作そのものの世界観についての用語と、
作中に出てきたネタ発言についてを一つにまとめた用語辞典はカオスの一言。
ちゃんと解説しているものもあれば、
ここでもネタが入っていて何かがおかしいものもあり。
まとめて見てみると何気に2ch的なものが多いのは気のせいですか?
ネット用語の浸透率ってぇのはすごいもんでさぁね。