史上稀に見る胡散臭い巫女さん降臨？ 『おらくる☆ヒミコさん』 1巻

おらくる☆ヒミコさん 1 (ガンガンコミックスＯＮＬＩＮＥ)

決して裕福とは言えないが、それなりに現在の生活を気に入っていた神社の息子・剣。
いつもと変わらない朝を迎えたある日、一人の巫女の襲撃を受け・・・

スクエニのラノベ大賞入選受賞作をコミカライズした本作、
パロやメタ発言、定説を覆す描写の数々とで、
単なる巫女萌えものではない強烈なインパクトを与えるバトルコメディとなっておりました。

巫女ものなのに設定がターミネーター的なものがあったりして、
そもそもの前提からしてただならぬオーラを漂わせてますからね。
あらゆる場面で落ちモノ作品は云々とか、
妙に現実的な考え方が定着してる主人公ならではのメタ発言も強烈で、
話の展開に反してツッコミ三昧な様子はこちらの思いを代弁しているかのようです。
とは言っても、未来の剣自身がそもそもの元凶だったり、
バトルシーンでは見事なまでの主人公補正がかかっていたり、
そういうところではしっかりと主人公であることの恩恵を受けていて、
案外ちゃっかりしたところがあるじゃないかと。

色々と斜め上をいってしまっている描写の数々。
未来からやって来た巫女ってのもまぁいい、
主人公が将来世界的に影響を及ぼす存在になるってのもまた然り。
このあたりはまだ設定段階としてありなんですよね。
そういう作品としてはお約束でもあるのが、
唐突に現れたヒロインに戸惑いつつも受け入れてしまっていることが多いもの。
が、本作においてはやれ中二だウゼェだと、全力でツッコミ三昧。

剣さん現実的すぎますぜ。
ぃゃ確かに見ていてかなり痛いと思うところはありますが。
見事に読んでる側の気持ちをそっくりそのまま語ってくれてます。
他にも特に意識したわけではないのだろうけども、
最近話題になっている状況から考えると非常にタイムリーに見えてしまうネタもあり。
これもギャグではよくあるパターンで頭が天井にめり込むシーン。

見せ方が見せ方なので、どうしてもマミってるようにしか見えないと言う・・・
剣からしたら直前のシーンで親父にデジャヴを感じているところなのに、
別なデジャヴを感じずにはいられません。

どちらに倒れるダブルヒロイン。
一応のメインヒロインであるヒミコさんはきょぬー巫女にして、
何かと殴って解決な思考の持ち主のちょっと痛い系。
見ていて、きっとCVは日笠陽子だろうなとか、本能的に感じてしまいますね。
それよかポイント高いのが幼馴染の都さん。
委員長で怖がりで、既に剣とある意味デキてるとも言えるその関係。
どうしてこの手の作品は幼馴染キャラの破壊力が高いんだろう。
こんなヒロインが敵に襲われて触手責めに遭うと聞いた日にはもう。

・・・と思っていたら、ガチの責めに遭うのは実は剣の方だったりする罠。

ぉぅぃぇ、どうしてこうなった。
半ズボン着用の13歳ショタがこういう目にって、
何か別の層からの支持が出そうですね。
本作の原作は作画担当が朴晟佑氏なわけですが、
黒神みたいにヒロインがピンチに陥るのかと思ったらそんなことなかったんだぜ。