レゲーこそ我らが青春! 『れとろげ。』 1巻

れとろげ。1 (マイクロマガジン☆コミックス)

れとろげ。1 (マイクロマガジン☆コミックス)

ルイージ学園に新しく入学した主人公・あゆみ。
携帯ゲームとしてはPSPやDSが全盛の昨今、
ゲームギアをプレイする少女を電車で見かけたその日。

音楽のレゲエと勘違いしてレゲー部の部室へと足を踏み込んでしまい・・・

表面上こそ最近よくある平仮名四文字タイトル、
女子たちによる、ゆる系部活動4コマとありがちな雰囲気がありますが、
その実、恐ろしく濃いゲームネタのオンパレードでした。
本当に妥協を許さないまでのレベルであり、
80年代を駆け抜けてきたファミコン世代にとっては
懐かしいと同時に新たな発見も多々あって何だか泣けてきます。
ゲームネタだけの一本勝負と言うわけでもなく、
色々とのんびりした中に緻密な伏線が含まれていたりして、
あらゆる点において妥協を許さない徹底さが見られますね。
勿論単純に萌え系4コマとして楽しむのもよしです。


どこまでも忠実に、そしてマニアックに。
最初から最後まで、とにかくレゲーに関するネタが満載なのですが、
ネタのレベルが恐ろしいまでの範囲をカバーしているため、
作中に出てくるネタ全てを一発でわかる人はそうそういないのではないでしょうか。
一応半分以上は何とかわかったけど、まだまだ自分の知識も浅いなー。
各エピソード間にきっちりと解説も入っているので、
そう言えばこんなのもあったと懐かしむと同時に、
知ってる以外にもこんなゲームもあったのかと数十年越しに気付くことも多々あり。
レゲーの検定とかあったら一つの教材にいいですね。
それにしても直感だけでマインドシーカーをクリアしてしまうあゆみさん半端ねぇ・・・


何しろゲームに関することなら何でもありで、
ゲームソフト自体は勿論のこと、ハードや周辺機器、
果ては当時放送していた各種情報番組にまで及んでます。

マリオクラブ⇒マリオスタジアムや、
ファミっ子大集合⇒Theゲームパワー⇒ゲーム王国の流れはまだしも、
大竹まことPCエンジンの情報番組に出てたことなんてかなりコアな気が・・・
まぁ全部見てましたけど。
他にも張り紙一つ一つが全部何かしらのゲームネタですからね。
カラオケ行ったら店の名前もたけしの挑戦状絡み、
歌う曲は当然のようにゲーム曲縛りと言う徹底ぶり。

こういったネタが台詞や実際にプレイしているゲームのみならず、
背景のあらゆるところに散りばめられているので、
小ネタの豊富さは恐らく某久米田作品級じゃないでしょうか。


題材の大本がレゲーなので、そういうネタが豊富なのは勿論のこと、
意外と数多く張り巡らせられた伏線によるストーリーも侮れません。
特に初期において顕著で、何気ない台詞や行動、
扉絵の小道具に至るまで重要な意味を持っていたりするわけでして。
四人目登場までのくだりは最初から全部綿密な計算をした上なんだろうなぁ。

制服デザインについても後々登場するキャラについて示唆してるし、
部長とかが心情を語るところもまた然り。
こういう点については、ある意味ストーリーものよりもストーリー性が強いかもしれませんね。