史上最悪の使い魔現る!? 『大好きです!!魔法天使こすもす』 1巻

大好きです!!魔法天使こすもす (1) (角川コミックス・エース 316-1)

大好きです!!魔法天使こすもす (1) (角川コミックス・エース 316-1)

ある日、突如起こった爆発によって砂漠と化した爆心地。
その砂漠には、何故か雪が降り注いでいた・・・
去年の年末までちょうどアニメ版の二期が放送されていて、
PSP版のゲーム発売や劇場版の上映も決定している『そらのおとしもの』ですが、
本編の6年後にあたる物語を水無月氏自ら原作を手掛けた
公式のアフターストーリーの登場です。
作画は違えどさすがは水無月作品、一筋縄ではいかない重い世界観と、
そんな世界観すら霞んでしまうくらいの変態的なお色気、
そしてちょっぴりいい話とが満載でした。
変態モード時の2.5頭身にデフォルメされたキャラも健在だし、見事に融合してますね。

作画担当も瀬口たかひろ氏と言うこともあって、
お色気描写はかつての菊之助とか思い出してしまいますわ。

ほぼ毎回スカートをめくられたり脱がされたりして、
半ばそういう立場が宿命付けられてしまっているそよかぜさんの、
今後のいじられっぷりに期待です。


変身ヒロインに付き物と言えば、使い魔的なマスコットキャラの存在。
直近ではまどかマギカのようにマスコットと言うには胡散臭すぎるのもいますが、
一応本作にもこすもすと行動を共にすることとなるマスコットがいるにはいますが。
・・・が、そこは原作者が原作者ですから、
変態的な方向に走ってしまうことは想像に難くありません。
この時点で嫌な予感がしたのであれば、恐らくそれで正解です。
そう、経緯はちょっとした手違いではあるのだけれど、
本作でこすもすのパートナーとなったのが・・・

パンツです。
パンツ、下着、パンティー、おぱんつ。
さすがだ、さすがアニメ版でパンツに空を飛ばせたり、
パンツロボとかやってただけのことはあるわ。
しかも外見はこれなのに、中に入った魂はジジイのそれ。
基本スケベな上に、執拗に契約を迫る某QBのように自分をはけとせがんだり。

最低だ・・・史上最悪のマスコットだ・・・
しかしこの変態さが逆に安心する。


基本はお色気描写が多分に含まれるコメディ展開ではあるものの、
そこは水無月氏原作ですから、それだけで終わるはずがありません。
既に世界は崩壊への道を歩んでいて、
救いようのない状態であることが開幕から判明するだけに、
完全にギャグをギャグとして見切れない感じがします。
舞台となっている街の外は既に砂漠化してしまっているわけだし。

世紀末な状況の中で次は我が身となることを恐れつつ、
現実を忘れようとして明るく振舞ってるように見えるんですよね。
本作がそらのおとしものの正統な続編であると言う事は、
そちらも最終的にはバッドエンドの道を辿るのかと思うと・・・
本作のこすもすは魔法少女ではなくて正確には魔法天使だけど、
最近の魔法少女ものは明るくポップな雰囲気なんて微塵もありませんね。
バトルと退廃的な世紀末な空気しか感じられなくなってきましたよ。
このような中で最後にそらのおとしもの本編でも
メインキャラの一人である英四郎が登場していますが、
長い間留守にしていた秋風荘の住人として、
一体どのような形で絡んでくることになるんでしょうね。