その力の振るい方は誤りであったのか否か!? 『ハンザスカイ』 4巻
- 作者: 佐渡川準
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/12/08
- メディア: コミック
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顧問の産休明けによる復帰と空手を志して以降、最大の試練の時が訪れ・・・
前回も代表と言う名の看板を背負う大きさが描かれていて、
練習試合と言うにはあまりにもヒートアップした展開を迎えていましたが、
まさかそれ以上の熱い展開が待っていて、いい意味で期待を裏切られました。
もう全てが熱くて焼死してしまいそうなくらいです。
敵は他校のみならず、自分たちの中でも既に戦いであり、
限られた代表の座を狙うのはまさに戦争。
こうして切磋琢磨することによって心身磨かれていくんですね。
そこには確かに武道が志すものが垣間見えます。
インターハイ予選開始後も看板の大きさってものを暗に語ってくれていますし、
本当に巻を増すごとに熱くなってるよなー。
しかし前回ラストから登場した菅野先生ドSすぎ。
人助けのためにと思い振るった拳。
それは一つの重大な問題の引き金となり・・・
空手に限ったことではないですが、こういうまともな鍛錬を積んだ場合、
素人に対して振りかざすことはご法度と言われているもの。
ボクシングとかの場合だと拳そのものが凶器とも言われるくらいですからね。
例えそれが近所のヤンキー相手で相手に否があったとしても同様。
禁を犯してしまい、部そのものの大会出場が危ぶまれた最大の窮地。
この事件の中で見せた半座の心境と行動は心打たれるものがあります。
喧嘩に明け暮れていた不良時代。
人を傷付けることを厭わなかった頃の過去は拭いきれず、
自分のせいで仲間をも巻き込んでしまうならば・・・
確かに稽古は楽しかった、仲間といることが心地よかった。
今までの経験を経て一人の拳師として成長していたことを自覚し。
これだけでも十分すぎるほど熱いのに、
報復にやってきた不良たちに絡まれていたところを救ったのが・・・
来ました青柳!
王道にして熱すぎですよもう。
更には青柳自身も過去に半座と同じ経験をしていたときたらね。
半座も青柳も格好よすぎる。
半座や青柳の男の熱い物語もさることながら、
今回は女性陣も負けていません。
と言うか佐倉さんですよ佐倉さん。
空手に打ち込むようになった半座のことが段々と気になり始め、
ちょっとしたことがきっかけで不良に絡まれてしまって
半座が暴力事件を起こす元凶となったことに負い目を感じ、
自分なりのけじめを付けるためにマネージャー入りすることとなり・・・
うん、完全にヒロインの座を持っていってしまいましたね。
唯一ヒロインだった穂波の立場が一気に危うく。
と言うかもう佐倉さんが正ヒロインでいいんじゃないですかね?
まぁ結局のところ半座は良くも悪くも一途だから穂波一筋なんでしょうけどね。
こういう作品のマネージャーキャラってどうにも報われない立場が多い気がするかも。
否、むしろ佐倉さんの半座に対する感情って今はまだ恋愛的なものじゃなくて
頑張る人間に対する敬意なのかな。
穂波も実は今回の佐倉さんと同じような立場になったことがあるみたいですけどね。
佐倉さんはマネージャーになることを選んだけど、
穂波は空手を志すことを選んだってことなのかな。
ともすると、穂波の気って確実に青柳に向いてるから・・・
半座の前途は多難ですねぇ。