いざ行かん!冬コミへ! 『おたくの娘さん』 第九集

おたくの娘さん 9 (ドラゴンコミックスエイジ す 1-1-9)

おたくの娘さん 9 (ドラゴンコミックスエイジ す 1-1-9)

時は12月30日。
冬コミ三日目前日に叶のところへ来客が到来したことにより、
長い大晦日が幕を開ける・・・

叶をコータの両親にはじめて紹介して初孫フィーバーが発生したりと
娘の存在が親公認のものとなり一つ家族の問題が解決したことで
また一歩関係が前進した前回でしたが、
今回は気持ちいいくらいまでに冬コミに的を絞ったエピソードとなり、
丸一巻分費やしただけあってただ売って買ってだけでは済まされない
様々な思惑や人間模様が交錯しています。
コミケってこともあり、あんなキャラやこんなキャラも再登場したり、
普段じゃ絶対見られない一面を見せるキャラもいたりで
兎にも角にも表も裏もコミケ三昧でした。
夏はメタボ中年な先生のラムちゃんコスプレと言う核爆弾が投下されたわけですが、
今回は同じラムちゃんコスでも・・・

既婚者であることをカミングアウトして以降の管理人さんマジ自重。
ずっとコータのことを『お父さん』と呼んでいた叶が
コミケ後ついに『パパ』と呼んだりとか悶絶っぷりが凄まじいですわ。

ラストの引きはまた新たなる波乱の予感だけど、
本当の意味でパパとなれる日は近いと思いたいです。


ぃゃもう前回に引き続き遙のヒロイン化が進行してるなー。
表紙ではコータに抱きかかえられてたりするし、
本編も4巻の夏コミのときの流れを引き継いだ遙絡みの話が主軸になってるし。
姉の背中を追いかけてトレース作家となっていた身から脱して
再出発を切ろうとするも周りの反応はそう簡単にいかず。
心から自分の作品を読んでほしい相手のために描く自分と、
大手であったことの業からは簡単に決別しきれずに誘惑に屈してしまう自分。

初心の頃の作品のファンも大手だった頃のファンも真であり、
どっちを取るかなど選ぶようなものではないことに悩み苦悩する。
そんな板挟みの状態に遭いながらも自分なりの結論を出して前進する決意をするとか、
もう望先輩いなくていいんでない?とか思ってしまいます。
遙自身も最終的にコータのことが好きだってことをようやく自覚しましたし。
この遙絡みのところでは嶋君の信者っぷりが凄まじいところではあるけれど、
凄まじいという意味ではかつて出てきたうぐーことストーカー男が一番強烈です。

・・・やっぱこれって某『うぐぅちゃん(※)』がモデルですよね?
※ググればわかると思いますが、今から10年ほど前に葉鍵ジャンルを悪い意味で震撼させた人物です


しかしどうこう言っても今回最大のメインであり、
遙と同じくもう一人の主役とも言えるのが世莉緒です。
叶が夏コミに参加したときの4巻以来の登場となるので、
とにかく久しぶりなんてレベルじゃありません。
憧れの作家の念願の新刊を手にして目を輝かせて読み耽る姿の可愛いこと。

表紙でも叶と一緒になのはさん的なコスしているし、
実際に本編でもコミケにこのコスで参加してたりするし、
やべぇ、最高なんて言葉じゃ表しきれないわ。

心臓に直接スターライトブレイカーをブチ込まれたようなものとでも言いましょうか。
初登場時には語られることのなかった暗部についても触れられてるし、
関西から遠征してきているだけにコミケ時期限定と言うのが非常に惜しまれる。
そうだよなー、最初にPC版でToHeartが出たのがもう13年半前だもんなー。
当時自分もまだ高校生だったし、この頃生まれた子なんて
今じゃ中学生くらいになってるもんなー。
そもそもToHeart2ですら6年前だったりするし・・・
時の流れってものを感じずにはいられません。
本作の作者であるすたひろ氏がかつて描いていた『あかり姉さん』がすごく読みたくなりました。


色々と葉鍵時代を彷彿とさせる描写に思うところもある今回。
自分にとって最も衝撃的だったのがコータが世莉緒に向かって放った一言でした。
ちょっとしたすれ違いがあって世莉緒と遙の間に気まずい空気が流れてしまった中、
完全に気落ちしていた世莉緒を引き戻したその言葉。

拙いながらも漫画の感想を書くようになって3年と8ヶ月、
未だ自称レベルだけど一応は漫画読みの端くれである身にはこたえます。
読む数をこなしていけばいくほどに読まず嫌いってものも出てくるし・・・


あと忘れてはならないのが最後の紅白ネタ。

予想の斜め上をいったメガ幸子もさることながら、
歌番組としての知名度最強の紅白に声優として初登場した水樹奈々は偉大でしたってことで。
そして今年も出演おめでとう!