ウザ可愛い神様はねんどろいどにあらず 『かんぱち』 1巻

かんぱち 1 (IDコミックス REXコミックス)

かんぱち 1 (IDコミックス REXコミックス)

ある日つぐみからおすそ分けで貰ったカンパチの切り身。
ナギ様が食べようと思った次の瞬間、『パチ』が顕現して・・・

原作であるかんなぎの非処女騒動や突然の長期休載から早二年。
復活に先駆けて連載開始されたスピンオフは武梨氏の兄である結城氏による
まさに結城氏らしいシュールギャグの世界へとご招待となりました。
連載開始される直前は『かん○○』と伏せられていて
まさか復活か!?と思ったらこのタイトルときた流れは誰が予想できたでしょうか。
頭の『かん』とスピンオフによるパチモンだからってことらしいけど、
まんまカンパチ(しかも切り身)から顕現させるとか
相変わらず結城氏の思考は常軌を逸しすぎですよ。
形はどうあれ久しぶりにナギ様やざんげちゃんのお姿がお目にかかれることは
永らく待った身からすれば素直に喜べることですね。
しかし本格的にかんなぎが連載再開されると本作と一緒に載ることになるのか。
ギャップが凄まじいことになりそうです。
なお、本作を読むにあたっては前もって
かんなぎ本編を5巻あたりまで読んでおくことを推奨します。


本当にパチのねんどろいどが出たら欲しいかも?
帯書きのみならず本編でもねんどろいどと言われてるくらいに見事な二頭身。

そのまま商品化されてもおかしくないし、
等身大ぬいぐるみとかもありえそうなそのフォルム。
デフォルメ化されたナギ様ってわけではなくて、
全く別のキャラのために同じ格好をした見た目の違う二人のギャップがまたすごい。
何で同じ格好をしてるかと言うとナギ様のストーカーであって
文字通りのパチモンだからって理由なのがまた。
しかも魚そのものからではなくて切り身から顕現したのも大きなポイント。
ええ、切り身故に骨がないため不定形生物っぽくもありまして。
なのでしょっちゅうウネウネしてたり
幼稚園児の粘土細工みたいにフォルムが歪んでたりとなかなかにキモい。

外見のみならず元々のキャラとしての性格もなかなかにウザくて
思わず愛情表現として一発殴りたくなってきます。

なるほど、これがウザ可愛いって感覚なのか。
かなり中毒的なハマり方ができますね。


全編ギャグとなるにあたって、
一部では元キャライメージが吹っ飛ぶくらいはっちゃけているのもいたり。
何がすごいってアンソロならまだありそうな話を普通に本編としてやってることです。
汐見市の竜神連中が本体含めてローカル特撮ヒーローとしてテレビ出演してたり、

それに対抗して戦隊を結成してみようとしたりとか。

何かこの流れだと結城氏がぱれっとで連載してる別作品である
ちろちゃんの世界と繋がってダイモンジャーとか出てきてもおかしくないです。
むしろやってほしいと思ってる自分がいる。
と、この時点でも十分はっちゃけてますが、
一番はっちゃけてしまったのが仁ではないでしょうか。
人手が足りないからとヘルプを頼まれて手伝うことになった店と言うのが
紛れもなくメイド喫茶であり、ここで手伝うと言ったらやる事はただ一つ。

仁の女装メイドじゅん子ちゃんきちゃった!
さすが女装少年に関して寛大を通り越して積極的にアンソロとか
専門誌のわぁい!とか創刊してしまった一迅社クオリティ。
何気に普通に可愛いから困る。
本編の連載再開されて仁のことをまともな目で見られる自信がなくなってきました。