看板娘はハイスペック 『コンビニロボットぽぷりちゃん』 1巻

現在より少しだけロボット技術が進歩している以外は何も変わりない日本。
とあるコンビニで働く看板娘のぽぷりは様々な技術が集約された
コンビニ店員型ロボットだったのです。

表紙からして目からビームを出して弁当を温めていたりとか
一発で目を引くと同時に心を鷲掴みにされてしまうようなインパクトを放っている本作。
表紙だけの出オチなどでは決してなく、本編も負けず劣らずインパクト強し。
特にソフトお色気方面のネタが惜しげもなく展開されていて、
4コマと言う枠の中で萌えとギャグが程よく融合しています。
お色気以外についてもコンビニが持つ特色を良く表しており、
あらゆるものを取り扱う店を舞台にあらゆるネタを取り扱う雑多性は
まさに痒いところに手が届くコンビニのような内容となっています。
ロボットって時点でキャラとしての個性にアドバンテージがあるぽぷりのみならず、
他に出てくる人間のキャラも非常に濃いキャラ立ちをしていて、
ロボットがいると言う固定観念に捉われないネタの数々に貢献していますね。
普通に4コマとしてもテンポがいいので気軽に読めるのもポイントでした。


現実にもこれだけロボット技術が進化してくれたらいいのに・・・
そう思ってしまうくらいにぽぷりは高スペックであり、非常に可愛いのです。
見た目的には普通の女の子と大差はないですし、
基本クールな中で見せる感情がまた人間らしくて
各種内臓機能を除けばロボットと言われても信じられないくらい。
目からビーム(マイクロ波?)を出して弁当を温めたり、

見ただけでバーコードが読み取れたり、有線式で手や首が伸びたり、
何故か銃とかドリルとか音速飛行まで内臓されていたりはするものの、
あくまで身体的特徴の一つでしかなく、
ぽぷりと言う人格がしっかりと立っているので機能に振り回されることもありません。
自分がひんぬーなのに対して店長がきょぬーであることに対抗して
肉まんを胸に詰めるとかどう考えてもロボットがする行為じゃありませんからね。

濃い人間連中に対してクールにツッコむ事が多い立場の中において
本当の人間だからこそ備えているような感情にも目覚めてきて
次第に人間以上に人間らしくなってゆく様子にも注目です。
全員の予定が重なってぽぷり一人だけで店番することとなったとき、
店長を引きとめようとして無意識のうちに自然と裾を掴んだ手はまさに感情が為せる業。

世の中にはプログラムだけでは推し量れないものが色々とあるものですね。


よくよく考えてみるとまともなキャラが誰一人いないほどに濃い人間連中。
普段はドジでボケボケのいわゆるぽんこつさんだったりする反面、
恐ろしく腹黒い一面を持ち合わせている店長とか油断できません。
店にやって来る子供をうまく利用して親の人身掌握と売り上げに結びつけようとか計算高すぎる。
ライバル店がオープンする時なんて事もなげに笑顔で潰す発言まで出る始末。

毎回のようにずっこけてはぽぷりのスカートをずり下ろすと言う
お色気的な意味での元凶となることも多いのですが、
実はそれすらも計算の上ではないかと思ってしまうくらいです。

でもなきゃ距離的に、服装的にずり下ろすことができないような状況において
奇跡のようなずり下ろしを連発できるわけがありません。
スク水着れば上から脱がせ、受け流されれば足でスカートめくり。
まことにけしからん、いいぞもっとやれ。
ボーイッシュな見た目通りに同性にモテるけれど男と付き合った事がない雫さんとかも
意外と考えてることは変態じみてたりします。
頭では常にエロ妄想ばかりしている見事なまでのムッツリさんで、
いつも店長にスカートをずり下ろされているぽぷりのことを羨ましく思って
自分にもお色気展開が欲しいと本気で思ってたりしますし。

でも男と同義で扱われてたり非お色気要員認定されてしまっていてひたすらに不憫でもあり。
世の中にはこういう女子が好きって需要もきっとありますさ。
他にも露骨に胸をはだけて口を開けばセクハラオヤジ全開のジョーとか、
ライバル店の日陰姉妹とかもまたキャラ立ちすぎです。
特に日陰姉妹なんて下の名前が『芙光(フコウ)』と『芙橘(フキツ)』で
姉の方が全力で名は体を表しまくってます。
ライバル店ではあるけれど、そのうち勝手に自滅してこっちの店に流れ込んできそう・・・
妹も表向きにはアイドル、裏では性格最悪の二面性アイドルとして抑えるところを抑えてます。
うん、やっぱりまともな人間がいやしない。
普段コンビニと言うと店員となんて無機質な関わりあいしかしないけど、
こんな店員ばかりが集う店なら常連として通ってみたいところですね。
勿論お色気的なハプニングに遭遇することも期待して。