止まらぬパロと一人の漫画家の苦労話 『めがらにか』 3巻

めがらにか 3巻 (ガムコミックスプラス)

最初から最後まで一切の妥協と自重を許さないネタの数々で
パロの一つの極致を見せ付けてくれていた本作も3巻目にして完結。
前回はネタの出所が〜とかツッコんだら作者自身からコメントされてしまうとか、
自分自身にとっても強烈なネタを提供してくれた作品なだけに
何だか感慨深いものがあります。

既に魔女とか超人育成とかの初期設定が完全にすっ飛んでしまっていると言う
新たなツッコミがあったりはするものの、
開始当初と完結時とで全然違う話になってるってのはよくある話なのでそれはそれで。
パロではないにしても中二病全開の回があったりと、
何から何までぶっ飛んでいて逆に何について言及すればいいか困るほど。

擬人化コロ助こところんの正体は以外を通り越して斜め上いきすぎですし、
本編では最後まで明かされることのなかったビビの素顔が中扉で判明していたりとか、
今回判明した様々な衝撃的な事実の数々にも言葉を失うばかりです。
次回で最終回だから露骨にアンケート人気取りに行ってたり、

完全に斜め上すぎる展開で度肝を抜いてくれる最終回とか、
最後までネタ満載で本当に全力で走り抜けたんだなーと。
ぃゃ本当に最終回の禍々しすぎるオーラは圧倒的でした。

とにかく本作のキモであるのが濃くもマニアックで自重しないパロネタの数々。
表紙も2巻の小宇宙(コスモ)を感じるものとはうって変わって幻想的な感じになってと思うも、
よくよく見てみれば黒執事だったりしますし。
(一部店舗で特典で付いてくる架け替えカバーは全面縞パンですが)
目次も強烈な絵面でトータルリコール、本編も開幕からキン肉マンハウス。
宇宙人とか出てきたと思ったらケロロ軍曹とは似ても似つかない
リアルすぎてキモいカエル型宇宙人だの、

露骨にCV若本なセル(しかも第一形態な上に変身後に変態仮面)が出てきたり。

と、一部だけを抜粋してもこんなですし、あまりに多いので
他にもどんなネタがあるかなんてそれこそ本編を読んでくれとしか言えません。
本編以外にも表紙や目次もネタだらけなのは前述の通りですが、
あとがきの描き下ろしがタイムリーすぎて最後の最後でサプライズでした。
はい、けいおん!!20話の例のシーンですね。
全てをやり終えた後、5人組。
ここまでキーワードが共通してしまってはむしろこれをやって然るべきです。

本編と全然関係ない話を丸一話使いながらも描かれる漫画家話もまたえげつない。
何度かエピソード中に実話って出てきてるけど、
つまりは体験談ってことですよね？
本編無視してまでこれをやるとは相当言いたかったんだろうなぁ。

帯書きも完全にこっちの話寄りのことが書かれてるし。
どこの業界でも言えることだけど、裏事情は黒いなー。
ついでに本作自体をパクリと言い切ってしまうとか、
千から万までなる大群相手に一騎で、しかも裸で突貫するくらい捨て身に出すぎです。
まぁ自分もどちらかと言うと自虐家なところがあるので
こういう捨て身ネタは好きですけど。
と言うか途中で担当変更のネタが出てきてから2話で終了って何ぞ！？
見た目に反してその実は前以上の鬼編集だったってことなんでしょうか・・・