エロくても、お家のお手伝いだから合法です? 『私のおウチはHON屋さん』 1巻

私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)

私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)

主人公・中沢みゆちゃんは実家で営んでいる本屋
『中沢書店』をいつも手伝っているとてもいい子の小学5年生。
しかしこの本屋、実はエロ本専門店だったのです・・・
実家が自営業を営んでいるキャラとか作品ってのはいくつもあったけど、
よりにもよってエロ本屋、しかも主人公が小学生とか
題材からして凄まじくデンジャラスなかほり漂う自営業ものははじめてだよ!
家の仕事を手伝っているだけですし、本人同意の上でやっているのだから
やましい事など一切ない合法・・・ですよね?

と、児ポ規制が厳しくなってきた世の中、かなりスレスレな予感漂う本作。
しかしてその中身は極めて健全でハートフルなコメディー作品でした。
実際、露骨にぇちぃ描写ってものははありませんし、
エロ本はあくまでお客さんたちとの交流や
ストーリーの進行上のキーアイテムとしてのスタンスなので
やましい考えとかは持たずに普通に家の仕事を頑張る子が好きであれば
迷わず買って読んでも損はないのではないでしょうか。
勿論家業を恥ずかしいと思いながらも満更でもない様子も見ものですけどね。


恥ずかしいと思いながらも仕事自体には誠意を持って取り組む小さな子っていいよね!
ぃゃーみゆちゃんマジいい子ですわー。
こんな店嫌だと店頭に出ずに閉じこもってしまっても
いざ店のことを貶されれば全力で営業モードに突入して
さっきまで不満だったお客さんを常連&準レギュラー化させてしまったり、
宿題が忙しくて気が散るからと癇癪を起こしても
いざ店に誰もいなくなったと気が付いたら途端に寂しくなって泣き出してしまったり。
こんな子が手伝う店なわけだから、例えエロ本屋であってもすごい雰囲気いいんですよね。
ただの店と客ってだけじゃないアットホームな感じがたまりません。
これは取り扱ってる品物がエロ本じゃなくても通いたくなります。
看板娘ってのはこういう子のようなことを言うんですね。
この歳にしてエロ本ソムリエとしての資質も存分に発揮してるのもまた魅力の一つ。

けっこう小学生低学年の頃とかってぇちぃ漫画とかアニメとか
思春期迎える頃より全然普通に見ちゃってたりするもんですよね。
全て得るものは知識であってごく当たり前のものだった頃が懐かしい。
みゆちゃんも例外ではなく、実はエロ本を絵本代わりに育った超エリート。

そりゃあ童話を紹介するかのごとくお客さんにお薦め品を提供できるってもんです。
まさにエロ本屋のアイドル。


お店もお店ならやって来るお客さんたちも様々。
おっぱいフェチとかメイドフェチと自らの嗜好に正直な常連もいれば、
みゆちゃんとの交流を通じて売れない少女漫画家から
売れっ子エロ漫画家に華麗な転身を遂げてしまった山田さんや、

人気清純派グラビアアイドルにして実は男の由香(本名は由夫)さんなど、

さりげなく変態的ながらも人間味溢れる人たちばかり。
ぅーむ、いい店にはいい人材が集まりますね。
店の趣旨が人間の三大欲求の一つである性欲を提供するところですから、
そういう店に集まるのは良く言えば自分に正直ってことなのかな。
だからこそ自分を偽る必要もないからオープンな気分になって
円滑に交流することができて築かれるアットホームな雰囲気。
あれ?実はすごい幸せスパイラル?
この店の場所教えてください、ちょっと行って来る。


あと何気に作中に出てくる本のタイトルがパロ要素満載です。
雑誌名が『メガストア』じゃなくて『ギガストア」だったり、

『とある俺の妹が憂鬱』って禁書+俺妹+ハルヒの複合技だったりとか。
他にも色々とネタで何かのパロなタイトルが出てくるので
元ネタと照らし合わせてみるのもいいかもしれませんね。