強力すぎる力がもたらす脅威 『魔法少女プリティ☆ベル』 2巻

魔法少女プリティ☆ベル(2) (ブレイドコミックス)

魔法少女プリティ☆ベル(2) (ブレイドコミックス)

一介の喧嘩屋かと思いきや魔王クラスの実力を備えていた桜との決着が付いたのも束の間、
今こそチャンスとばかりに動き始めたチンピラ魔物部隊によって危機が訪れ・・・
前回、その表紙と本編の内容とのあまりの違いっぷりに
表紙が釣りすぎるある意味禁書扱いされなくもない多大なるインパクトを与えた本作。
待望(?)の第二巻がついに登場です。
むしろ『登場してしまった』と言った方がいいのかもしれませんが。
桜との戦いで厚志さんは倒れたまま、桜自身も立っているのがやっとなくらいの消耗状態。
ミルココやモカも応戦するも数に押されて徐々にピンチに追い込まれ、

最早これまでと思った瞬間に訪れる意外な助太刀の登場や
今度は表紙が釣りとは言わせないぜ!と言わんばかりの真・プリティベル覚醒など
開幕からどこのラストバトルだよと言わんばかりの熱さでした。
今回の表紙は百合的なものすら感じるミルココがメインなわけですが、
(背景に厚志さんが見え隠れしていたりはしますが)
そういう意味では表紙と本編のギャップは相変わらずですね。
第一話でいきなり登場したドゥール以外の魔王三人が勢揃いしたり
各々の思惑で暗躍し始める魔王軍とも異なる天界や海魔族の各勢力と、
話の展開も凄まじい勢いで圧倒的でした。

将来的には桜も戻ってきて大戦争状態になるのかなぁ。
と言うか今回一番びっくりしたのがミルココの年齢が33歳とか
妙にリアルなロリババアな歳だったことだった事実でした。


今回の見所の一つは何と言っても2巻目にしてようやく覚醒した
真の適合者であるエリちゃんの変身とその圧倒的過ぎる能力。
全員がピンチの中、『呼んでる』とレイプ目状態で単身向かう開幕からし
自らが変身して戦うことになるフラグを全力で感じるわけですが、
実は変身しなかった方が秩序と均衡的な意味では良かったのかもしれません。
ええ、確かに1巻表紙や中扉に出てきていた通りの格好に変身しました。

嗚呼、今回は表紙が釣りじゃないんだ、ようやく本当の魔法少女ものとして始まるんだ。
そんな風に幻想を抱きもしました。
が、理想と現実は異なるわけで所詮幻想は幻想。
瞬時にそれは打ち砕かれることとなりました。
自ら手を下すでもなく、自動防御だけで殲滅し得るって・・・

※自動防御です
何このチート能力!?
自身はただ突っ立ってるだけなのにビル一帯吹き飛んでるんですが!?
何もしなくてもこんなですから、手を出そうと思ったら更にヤバい。
色々と幻獣を召喚できる魔法を備えているって設定だったけど、
恐ろしいまでの魔力量でもって召喚されたそれは・・・

ぇ?ペガサス?
はっはっは、冗談を言いなさんな、どこからどう見てもナイトメアじゃないか・・・
これ全力で戦ったら間違いなくそれだけで世界が滅びます。
ぅーむ、やはり当面は厚志さんが頑張ることになりそうですね。


もう一つの主眼は存在だけは明かされていながらも詳細は不明だった魔王達の登場です。
第一話からして最も魔王らしい魔王だった『黒龍』ドゥールが出てきていましたから
いずれは出てくるもんだと思っていたらまさかこんなに早く出てくることになるとは。
結局はそれだけエリちゃんの能力が絶大すぎるってわけで。
さすが魔王と呼ばれるだけあって、とにかく全員あらゆる点で曲者揃いでした。
ヴィジュアル的に某オルステッドみたいな『騎士王』ベルベリオンはともかく、
見た目はどこぞの会社の社長とか政治家にしか見えない『白刃』ジロウ・スズキのインパクトが強い。
本当に一見するとスーツを着たどこにでもいそうな白髪バーコードの爺さんで、
文字通りの平和主義者な好々爺である反面、超が付くほどの現実主義者であり、
平和のためなら手段を選ばないと公言する強硬派な面。

しかも側に仕えている第一秘書のイタカは自身が昔倒した元魔王って言うんですからもうね。
でも無血の平和はありえないって考えは賛同できる点は多いです。
そして紅一点にして一人18禁キャラになりそうな『大淫婦』シャルエル。
ぃゃ、既に二つ名からして『淫』とか入ってるし!
総務大臣と一発ヤろうとしてたりもしたからなー。
本作はあくまで一般向けだからこの程度で済んでるのかもしれないけど、
対象年齢次第では間違いなく本番やってそうです。
こんな曲者連中が一触即発状態で始める会談とか居合わせたくねぇ・・・
張り詰めた空気を一蹴して最終的に自分のペースに持っていってしまった厚志さんはさすがです。

しかし『中立』って立場の重みを考えさせられる会談でした。
この面々が将来的となるのか味方となるのか油断なりませんね。