ドキドキの熱さは熱せられた鉄板の如く燃え上がる 『てっぱん!』 1巻

てっぱん! 1 (ジェッツコミックス)

てっぱん! 1 (ジェッツコミックス)

ワケありの事情によって母親の友人の家にお世話になることとなった主人公・陸斗。
その家とは、日本橋に居を構えるメイドお好み焼き屋だった・・・

現在も連載が続いていて、アニメ化もされたとなグラ!筧秀隆氏が送る
新たなるちょっぴりエッチな同居人情コメディ、
過去の短編作品二本をお供に引っ提げついに発進です。
最近はメイドと言えばメイド喫茶メイド喫茶と言えば秋葉原
お決まりの方程式が暗黙の了解で成立している昨今ですが、
作者の出身地が大阪であることも手伝って、
舞台をあえて秋葉原ではなくて大阪の日本橋にしているところが特徴ですね。
確かに東の秋葉原、西の日本橋とも言われる日本の二大ヲタタウンではありますが、
実際にこういう風に日本橋を舞台にしたものって見たことがなかったので何か新しいです。
自分自身、関東在住だから秋葉原は毎週のように行っている反面、
日本橋には今まで二度しか行ったことがないものの、
それでも空気が違うってことを実感した覚えがあるので、
このあたりの空気の違いを如何に表してくれるかと言う意味で今後が楽しみです。
今回はまだ店と学校くらいしか出てきていないので、
街の風景とかももっと出てくると嬉しいかなー。
同居ものの例に漏れることなくお色気成分も多彩なので、
そっちの方の需要もきっちり満たしてくれてるのでご安心を。


非常にアバウトにして大胆なヒロイン・さつきさんには終始ドキドキしっ放し。
年頃の女の子が住んでいる家に同居するってシチュエーションからし
ドキドキものな展開の数々を期待してしまうもの。
例えば風呂ならばどちらかが入っているところをうっかり入ってしまってバッタリ。
数秒間の沈黙の後に大絶叫ってパターンが王道ですが、
同じ風呂場でバッタリなシチュエーションでも本作は格が違いました。

『家族だから当たり前』
思わずえ”!?と言いたくなるような超理論によって、
むしろ自分の方から入ってきます。
いいのか年頃の娘がこんなにも恥じらいなくて!?
この日初対面なのに一切の躊躇なく親父さん含めた三人で一緒に風呂に入るとか
さつきさんマジで半端ねぇっす。

大阪だからとか、絶対そんなことはない・・・ですよね?
そして風呂ってことは当然ながら裸の付き合い状態。
恥ずかしがるどころか自分から率先して入ってくるほどの大胆さですから、
湯気補正なんて無粋な真似は一切なく、
風呂に限らずお色気シーンに於いては全力で乳首券発行の大盤振る舞いです。
しかしそういうシーンが多い割にはエロいと言うよりも
健康的ってイメージの方が大きいような感じがします。
最近明らかに本番やってるのに一般向けだって作品が増えた関係もあって
多少なりともお色気耐性ができてきてるのもあるかもしれませんけどね。


『家族』であっても終始ドキドキしっ放しのお色気成分。
そもそも全員一緒にお風呂って時点からして十分すぎるくらいなのに、
それ以外も思わずドッキリ来る場面のオンパレード。
朝起きて起こしに来てくれたんだけど、朝勃ちしてしまってるから〜と、
結局盛大に見られてしまうところもそうだし、
ちょっとしたアクシデントでポロリもあるよな場面に至るまで、
お色気作品のお約束ってものを的確に突いて来る感じで網羅してるなー。

シチュエーションの手堅さはタイトルが表している通り、まさに『鉄板』です。
そして何よりもメイド服がエロい。
最初着てたのも肩出し&胸元チラなルックがそそるものがあり、
途中から某Piaキャロット3のトロピカルタイプを髣髴とさせる
さつきさんが表紙でも着ている夏限定モデルになると、
これがまたへそ出しルックで非常にそそる。

自分が住むことになったとしたら、
ドキドキのせいでむしろ心臓がショック症状起こさないか心配になりますよ。
興奮してしまったことを自白したらしたで今度は嬉しかったからと赤面し、
証拠を見せてほしいと詰め寄ってきたりなんかもして。

・・・ああ、やっぱドキドキしすぎて心臓ショックものだわ・・・


非常にお色気成分が多いのですが、あくまで本作は『人情』コメディ。
時折出てくるヒューマンストーリー的な描写がアクセントを利かせています。
メインの舞台となる店も実は地上げ屋に土地を狙われていて、
いきなりヤクザとの乱闘をすることになる一話目からし
何気に重い裏事情ってものを持ってたりするんです。

さつきさん自身も大胆なキャラな反面、
幼くして母を亡くしているって事情を持ってたりするんですねこれが。
なので、明るい表向きの顔の裏では母の愛情に飢えており、
同時に母とは超えたくても超えることは既に叶わない存在であり。
だからこそ陸斗が弁当に作ってきた玉子焼きを食べて、
お袋の味に思わず涙する場面があったりして、
色気とは別な意味で思わずドッキリさせられてしまうんです。

とは言えども、決してヤクザに屈したりせずに店は守り抜く、
家族だから当然陸斗のことも守り抜く。
その一言を言い切るところに真の強さと器の大きさを見ることができます。

逆に陸斗は母子家庭で派遣切り云々とか、これまたわけあり事情持ち。
ある意味似たもの同士な二人が親同士が知り合いだからって関係から、
いつか本当の家族にまで発展していくのかどうかが気になりますね。